ロボットといえば、かたい金属がカクカクとぎこちなく動く姿をイメージします。しかし今日では、そのイメージを変える「柔らかい」ロボットが作られており、この研究では柔らかく形が変わりやすい物をつかむ「柔軟物ハンドリング」ロボットの開発を行っています。現在、コンビニエンスストアで売られているお弁当は、すべて人による手作業でご飯が詰められています。しかし、深刻な人手不足のため、ロボットによる自動化を望む声が大きくなっています。
平井先生たちが作っているゴムなどの柔らかい素材でできた把持部(物を握って持つ部分)は、中に空気を入れると指のように折れ曲がります。これを3Dプリンタで作成することで、いろいろな材料を使って、できあがりにバラつきのない柔軟指を作ることができるようになりました。そして、このロボットハンドを使った実験では、から揚げや生卵、空き缶といった形や重さ、柔らかさの違う物を上手に持ち上げることができたのです。
始めにこの「柔らかい」ロボットを作った時、このロボットに反対する声が大半でした。しかし、今では「柔らかい」ロボットについての研究が世界中で進み、人々の生活に役立とうとしています。