眠っている人の映像だけで
睡眠状態を計測する

#046
理工学部 准教授岡田 志麻

 人が健康かどうかを調べるための機械は、体のあちこちにセンサを取り付けるなど患者さんがつらい思いをするものがほとんどでした。そんな中、体に何もつけず映像だけで「睡眠の計測」ができる方法を考えました。人はぐっすり眠るほど体の動く回数や時間が減っていき、その後はまた、動きだし、減ったり増えたりする状態が繰り返し起こります。先生はこれに目をつけました。まず、寝ている姿をカメラで撮影し、映像から体の動きを測ります。そのデータから動きの量や時間を計算することで、どれだけぐっすり寝ているかを知ることができるのです。

 ぐっすり寝ているかどうかを測る技術は、病気や障がいをすばやく見つけることができます。発達障がいの一つであるADHD(集中できず、じっとしていられない障がい)の子どもは、寝ている時にも体を動かすことが分かっています。カメラで寝ている姿を撮るだけで病気の症状が見つかれば、もっと気軽→簡単に検査を受けてもらえるようになり、その後の治療や育児→トレーニングに役立ちます。さらに新しいチャレンジとして、未熟児の赤ちゃんの成長スピードを寝ている姿から測ろうという研究を進めています。このほかにも、この技術を使いたいという依頼が後を絶たず、一日も早い実用化が待たれています。

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