人工知能が「想像力」で
デザインした

#050
情報理工学部 教授西川 郁子

 どんな写真や絵も、ゴッホやピカソが描いた作品風にするような技術のことを「」といいます。この研究では、企業やデザイナーと協力して「画風転写」技術を生活に活かしています。「画風転写」には、人間が自然に行う作業をコンピュータに学習させることが重要になります。手順はまず、ディープニューラルネットワークと呼ばれるたくさんのデータを処理する人間の脳に似たものを使って名画の「スタイル(画像独特の特徴)」を抜き出します。そして、「コンテンツ(色合いや)」を決め、名画と同じ「スタイル」を持つように変更します。この技術を住宅メーカと協力し、「リゾート風」などの部屋イメージのシミュレートに役立てています。

 また、この機械学習は物体をって完成させることもできます。椅子のデータを大量にネットワークに与え、「椅子とされる形は何か」を学習させると、データに足りない部分(脚がない、腰掛けがないなど)があっても自力で補って形を作り上げます。この機能を使えば、設計の途中から残りを自動で作成したり、不具合を自動で修正できます。このことから、今後ますます機械学習の活躍が期待されます。

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