「宇宙」を「スポーツ」に活かす

#020
テクノロジー・マネジメント研究科 教授湊 宣明

 宇宙開発はチームプレーが不可欠です。過酷な宇宙空間では、リーダーに不測の事態が起きても、チームで協力して問題を解決し、チームとして目的を達成することが求められます。宇宙ミッションを果たすための地上でのトレーニングに、7人一組でチームを作り、リーダー役とフォロワー役が毎日交代しながら夏山・冬山登山に挑むというプログラムがあります。このような、刻々と変わる状況を見極め、変化に応じて意思決定し、行動する力を養うトレーニングは、あらゆるチームスポーツに役立つと考えられます。

 また宇宙の技術は、地上の製品やサービスの開発にも活かされています。測位衛星技術はアメリカンフットボールなどフォーメーションを重視するスポーツの戦術分析に不可欠となっていますし、宇宙機回収のために開発した翼技術が、のちにハングライダーというスポーツとして発展した例もあります。また、微小重力環境では皮膚が弱くなってしまうので、あえて「の起こる靴」を開発し、その技術をリハビリや介護サポート製品に応用しようという例もあります。

宇宙に挑むからこそ生まれた逆転の発想が、未来を変える新しい製品やサービスを生み出すことにつながっていくのです。

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