横川 隆司さん

ドルフィンスルー株式会社 代表取締役/クリエイティブディレクター

1985年経営学部卒、2005年経営学研究科修了

プロフィール

ドルフィンスルー株式会社 代表取締役/クリエイティブディレクター。 1985年3月経営学部卒業。卒業後、広告会社入社。CMプランナーを経て、2000年よりクリエイティブディレクターに。立命館大学・大学院経営学研究科の社会人コースであるプロフェッショナルコースで修士学位MBAを取得(2005年3月修了)。「立命館大学 +R未来を生みだす人プロジェクト」を担当。2013年1月、独立開業し「ドルフィンスルー株式会社」を設立。著書には「自分をデザインする」(2006年5月 創映社/三省堂書店)がある。

僕は、立命館大学経営学部を卒業して広告会社に入社しました。20年間勤務し、3年前に退職しました。その後、ゲームを通してオンラインで映像を配信する事業に携わり、現在は新たなビジネスを始めようと考えています。

僕にとって「働くこと」とは、一言でいうと「生活」そのものです。働いているときの自分が、“本当の自分”でないことは、不幸せだと考えています。働いている時も“本当の自分”でいられること、だからこそ働くことは幸せだと言える人生を送りたいんです。

そのためには“自分で人生をデザイン”することが大切なんじゃないかと思っています。デザインというものは、色や姿、カタチだけではなく、(伝えたい)情報のデザインを総合的に行うという意味です。まず自分を知り、自分でつくり上げた自己像を、現実化することだと思います。

僕が、この仕事をしている原点には、小・中学校時代の“ライバル”が影響しています。そのライバルとは、2歳年上の兄でした。兄は、レコードを10回ほど聴けば、ピアノで演奏ができる音感を持っていたり、学校の成績も常に学年で1位でした。僕は、いつも兄と比較されて育ち、「俺は、なんてバカなんだろう」と劣等感を感じていたんです。でも、兄が不得意としていた、図画工作・美術の分野では、自分の方が優れていると自信を持っていました。

大学時代には、学園祭などで看板製作を依頼されました。僕がすべてをつくるのではなく、最初の原画を僕がつくり、作業をみんなに振り分けて全員で完成させていました。まさに「クリエイティブディレクター」だったと思います。看板をはじめ、設計図を思いつくことに関して、みんなにすごく褒められましたね。

そうした自分が得意だったことが、楽しくて、今に至っていると思います。つまり、これが今の自分の「働く」原点であり、自分が働く上で大切にしたい軸を見つけたきっかけだったと思うんです。

自分のやりたい仕事を24時間やりたいですね。社会の役に立ち、人に喜んでもらって、お金をもらいたい。そういった仕事がしたいと思っています。僕は90歳まで仕事をしたいですね(笑)。自分でやりたいことをプロデュースして実現した時に、働くことの喜びを感じます。たとえば、「ハリウッドに行ってハリウッド俳優と撮影したい!」と思い続け、企画のたびに提案していたら、本当に実現したことがあります。そんな時に、どんな仕事であっても、自分のやりたいことをあきらめないで強く思い続けることが大切なんだと思います。

在学生のみなさんへ

「就職=大企業に属すること」ではありません。考え方次第です。自分のどこに、軸を置くか考えてみてください。自分で起業するのも選択肢の一つです。学生生活では、与えられるのは学問だけではありません。自分の興味・将来をデザインするために他学部の講義を受けるのも一つです。そして、何かやりたいと思ったことに対しては、強い思いを持つことが大切なんじゃないかなと思います。

取材後記

私にとっての「働く」とは、いかに自分の人生を豊かにするか、そしてそこで得た力で他人に喜びを与えられるかだと考えています。また、自分の仕事に自信を持って楽しめるか?ということを大切にしたいと思っていたので、「自分の将来をデザインするために働き、やりたい仕事を自分で得ていく」という横川さんお話に、とても共感することができました。来年は社会人として、自分で考え、将来を描きながら働いていきたいと思います。意志を強くもつ、いい機会となりました。(田中 裕太郎/文学部4回生)

企画・取材・文/田中 裕太郎(文学部4回生)、岡戸 亜沙美(産業社会学部2回生)、 鈴木裕加(産業社会学部2回生) 企画/佐藤 陽(政策科学部2回生)、山内 快(経営学部2回生)