谷垣 健太郎さん

ソニー株式会社 勤務 

1998年産業社会学部 卒業

プロフィール

1998年産業社会学部卒業。
在学中は、アメリカン大学学部共同学位プログラム(AU-DUDP)に参加。また、プライベートでは、長期休暇を利用して、ユーラシア大陸横断旅行や、欧州、メキシコ、ペルー、タイ、ベトナム、カンボジアなどを訪れる。1998年4月ソニー株式会社入社。日本国内においてパブリシティー/イベントや、アジアパシフィック商品導入を担当後、インド、オーストラリアに赴任し、プロダクトマーケティングを担当。現在は、アメリカに赴任し、Sony Store(Web/店舗)マーチャンダイジングを担当している。

私にとって「働くこと」は、「オプション」だと考えています。オプションということは、「自ら選んでいる」ので、常に能動的です。

私の場合は、自分自身の「ライフスタイル」と「働くこと」が一致することが一番大切だと考えています。そうでないと、働くことを長く楽しめませんし、また、オプションである以上、辞めても良いのだから、その時その時で一番良い「働き」をしようと最善を尽くせると思います。

入社当時、同期に「俺はこの会社をすぐ辞める」と断言していたのですが、面白いもので、結局、10年以上経った今でも新卒で入社した会社で楽しく働いています。

私が働く上で大切にしている軸が2つあります。それは、「地球人であること」と、「自分自身と自分の周りの物、すべてが自然の一部である」という考えです。考え方、捉え方、行動、それらの全てを選択する際に、この2つの軸が基準となっています。

これらの自分の軸ができたきっかけは、人との出会いでした。たとえば、高校時代におこなったアメリカ・オレゴン州への留学。私が留学した先はオレゴン州の田舎にある高校でした。一学年30名程度の小さな学校。そこで出会った友人は、ヒッピーなコミュニティ出身で、仲間たちと手づくりで建てた家に住み、野菜を庭で育て、できた野菜と他の食品を物々交換して手に入れるなど、当時の僕にとってはとても新しいものに見えました。

マスコミから知る情報で世界を判断していた自分を見直したのもその頃です。また、大学1回生の時には、ドイツ〜パキスタンを陸路で旅したのですが、共産主義から脱したばかりの東欧やラマダン真っ最中のイスラムの世界に直に触れ、刺激を受けました。そんな貴重な経験のきっかけをくれたのは、欧州人の友人。世界各地に足を運び人生の幅を広げている彼らから地球の遊び方を学びました。

その他にも、アメリカン大学学部共同学位プログラム(AU-DUDP)に参加したり、バックパッカー旅行もしました。でも、よく考えてみると、そういった場所に実際に足を運んで外国人と一緒にサッカーをしたり、社会人になってサーフィンにはまってみたり、オーストラリアやインドでも生活をしていたのですが、そういった全ての経験を通して自分の軸はこれだ!という想いが強くなってきたように感じています。

だから、みなさんにも、「自分が気になる!好きだ!」ということを自分の納得いく世界で、一番になるまで追究するのが人生で一番の糧になると思っています。何かを追及してまっすぐに走る事は、社会人になってからでも可能です。でも、将来の道を考える上でも、学生時代にすべき事だと思うのです。

私は、2005年から海外で仕事をしています。
働く上で、言語や文化の理解は大切な事ですが、やはり人間性と情熱が最も大切だと感じています。自分の軸がないと信念がぶれますし、情熱も都合が良い時だけのものになってしまいますよね。働く場所が海外であれ、日本であれ、学生時代にはさまざまな経験をして「自分の軸」を見つけることが大切だと思いますね。

在学生のみなさんへ

クラブ・サークル活動でも、遊びでも、社会貢献でも、インターンシップでも、アルバイトでも、限界以上にやることをお勧めします。必ず、人生で役に立つ時がきます。

谷垣さんにとってグローバル人材とは?

私が考えるグローバル人材、それは、世界中に友達がたくさんいる人。生まれたり、育った環境が違う友達が世界にたくさんいる人っていいですよね。それから、何かを追求して世界レベルまで高めた人。
人やモノが世界中を駆け巡る時代にソーシャルのツールがあるから、世界中の色んなところで、さまざまな国の友達とキャッチアップできます。いわゆる日本人しか友達がいないと、1/60ぐらいの地球人としか直接コミュニケーションできない訳で、僕からするとちょっとつまんないです。いろんなバックグラウンドの友達がいる事は、人生の可能性を無限に広げます。
先日、さいたま市の盆栽屋さんが積極的に海外から盆栽の極意に興味がある人材を弟子として受け入れている話をテレビで見ました。この盆栽屋の親分は10年後には世界中でうまい酒が飲めるんだろうなとうらやましく思いました。

企画・取材・文/田中 裕太郎(文学部4回生)、岡戸 亜沙美(産業社会学部2回生)、鈴木裕加(産業社会学部2回生) 企画/佐藤 陽(政策科学部2回生)、山内 快(経営学部2回生)