<取材報告>

〜ワークショップ〜


今年第三回目を迎えるアニメーション神戸では、プロを目指す人材を育成する目的で、新たにワークショップを開設します。第一線で活躍中の講師を招き、実技中心に少人数の合宿形式で行います。懇親パーティーを開催するなど、講義時間外でも講師や同士との交流の時間もある、アットホームなワークショップです。

  • 「アニメーター育成コース」

    プロのアニメーターを目指す人を対象に、DreamWorks SKGより現役トップアニメーターを招いて研修します。(同時通訳あり)実際に絵を描く等、実地的な研修とします。

    11月23日(月・祝)〜11月24日(火)
    (生徒は原則として22日・23日宿泊すること)
    講師:Duncan Marjoribanks(ダンカン・マーチバンクス)氏

  • 「総合オリジナリティーコース」

    オリジナルのアニメーション作品を作る上において、最も重要な企画、演出、プロデュースのポイントを一線で活躍されている河森正治先生を招いて、ゼミ形式で研修します。生徒が応募時に作成した企画書をもとに、企画の視点、 企画作り、企画書のまとめ方などを、実地経験を交えてディスカッションします。

    11月24日(火)
    (生徒は原則として23日に宿泊すること)
    講師:河森正治氏 (以下にインタビュー掲載)

  • 「声優育成コース」

    プロとして声優を目指したい人に対して、プロとして必要な技術である台本の読み方、場面に応じた表現の仕方などを、第一線で活躍する神谷明先生を招いて研修します。今後、学ぶべきことの目標を実技研修を通じて実地的に理解することを目的としています。

    11月22日(日)〜11月23日(月・祝)
    生徒は原則として22日・23日に宿泊すること)
    講師:神谷明氏 (以下にインタビュー掲載)

場所
総合福祉ゾーン「しあわせの村」
神戸市北区山田町下谷上字中一里山14-1


ワークショップ懇親会パーティー レポート

 「第3回アニメーション神戸」のプログラムの一つである「ワークショップ」が開催された。
 今年度からは、この「アニメーション神戸」の新しい試みとして、3種類のコースに分かれての募集を行い、それぞれのワークショップが開講されたのである。
 この3コースのワークショップは、以下の通りである。

 ・アニメーター育成コース(講師:ダンカン・マーチバンクス氏)

 ・総合オリジナルコース(講師:河森正治氏)

 ・声優育成コース(講師:神谷明氏)

 

3コース合同での記念撮影。
中央のイスに腰掛けているのが左からダンカン氏、神谷氏、河森氏。

 

食事をとっている間も、講師の方の周りには、常に生徒達の人だかりが出来ていた。

 なお、この懇親会パーティーは11月23日(祝・月曜日)午後6時から開催され、「声優育成コース」は前日から、「アニメーター育成コース」当日の午前中からワークショップが開催されていたが、「総合オリジナリティーコース」については、翌日に開講のため、この懇親会場で実質受講生の初顔合わせとなった。
 終始、笑い声の絶えない和やかなムードで進んだ懇親会は、主催者である神戸市の方の開会の挨拶から始まり、次にワークショップが「声優育成コース」、当日始まった「アニメーター育成コース」の両講師から、今回のワークショップの感想を頂いた。
 神谷明氏、ダンカン・マーチバンクス氏共に、仰っておられたことが、「今、ここにいる参加者の中には、近い将来に、仕事の場で再会するやもしれない」とのコメントである。そして、「これからも、是非ともがんばってほしい。」との激励であった。
 特に、神谷氏は、参加者のレベルの高さに驚かれていたようで、実際に「声優育成コース」の参加者20人のうち、その約半数が、養成所等に所属している経験者であり、基礎的な訓練はすでに受けている参加者が多かった。

神谷氏を囲む「声優育成コース」の受講者達。
その表情がワークショップの楽しい雰囲気を伝えている。

 そして、神谷氏による乾杯の音頭の後、立食パーティー形式での食事の時間となった。やがて、一足早くワークショップを終了した「声優育成コース」から、受講生を代表した1グループがワークショップでの成果を披露してくれた。これは、いわゆる「CDドラマ」形式のアフレコ発表で、神谷氏のナレーションの下それぞれに配役されたキャラクターを熱演されていた。

ワークショップの成果を披露する「声優育成コース」の受講者達。
その迫真の演技に、大きな拍手が送られていた。

 私個人の感想としては、とても素人とは呼べないほど高水準の演技であったように思われる。普段の日常生活での発声や呼吸と根本的に違うという事も感じられた。また、眼を閉じれば、そのシーンが実際に思い描かれるような、そんな臨場感すらも感じられた。
 以上のような感想を、演じ終わった参加者に話しかけてみると、今回のワークショップで神谷氏から教わったことに、
演じるキャラクターへの感情移入が重要であるということについて話してくれた。
 つまり、声優の仕事は、あくまで
「声だけでの芝居」であり、その意味では「パントマイム」と対極をなしている。この「声だけ」で演じるためには、キャラクターの感情をつかむことが不可欠であり、それをせずに演じたものは、結局、口先だけの演技でしかないとのことである。そういう意味では、この懇親会で演じてくれた「CDドラマ」は大成功を収めたと言える。
 また、「声優育成コース」の参加者から多く聞かれたのが、
本気で声優を目指せば目指すほど、関西では非常に不利であるということだった。根本的に関西では仕事が少なく、東京でなければ大きな仕事にはありつけないのだという。
 そういった観点からも、参加者から、関西の一都市である神戸市が主催しているこの「アニメーション神戸」に対する今後の期待が、非常に大きいことを伺えた。

文責:堀江まさみ 写真:狩野憲久


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