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研究会報告 2008年度

回復研

2008年度の総括

「暴力からの人間存在の回復」プロジェクト(略称「回復研」)では、2008年度に人文研内の研究と して、また、学内提案公募型プロジェクトとして,研究会、講演会を中心に活動を行うことができた。

まず、大学院後期課程院生を中心とした研究発表形式の研究会を組織し、二回の研究発表会を行なった。そこで、「ハイデガーとヒューマニズム」(黒岡佳柾氏)「サルトルとレヴィナスー呼びかける主体/呼びかけられる主体/応答する主体」(小松学氏)「トラウマからの回復におけるTFT(思考場療法)の可能性」」(加納友子氏)「感情と回復」(小菊裕之氏)「死の人間学」(近藤正樹氏)が発表され、専攻の枠を越えた大学院後期課程院生の共同研究の場を持つことができた。

また講演会企画としては、2008年5月に、人文研の企画である土曜講座に参加する形で「回復研」研究分担員の方々及び外部からの研究者を招いて講演を行ない、研究成果を社会的に公表することができた。講演テーマは、「うつ病とメランコリー」(内海健 帝京大学准教授)「グローバリゼーションと移民『問題』-文化葛藤からの回復」(松葉祥一 神戸市看護大学教授)「死からの回復-イタリアの墓地の事例」(竹山博英 立命館大学教授)「呪縛する熱意-教育の暴力的変容-」(鳶野克己 立命館大学教授)であり、現代の暴力的な状況からいかにして人間の回復の方法を目指すのか、それぞれの講演者の関心に応じて学際的な形で展開することができた。

また学外および外国からの講演者を招き、講演会を催すと同時に、学術交流を行ない、研究進展に役立てることができた。 

荒このみ教授(東京外国語大学)による「トニ・モリソン文学における暴力」(言表研との共同開催)、 ジャック・サンティノ教授(Bowling Green University)による「北アイルランドの葬送・儀礼:暴力の諸相と暴力からの回復」(言表研との共同開催)、エルケ・ハーン博士(ベルリン・シェリング研究所主任研究員)による「『自由論』におけるシェリングの人間性の観念について」(日本シェリング協会との共同開催)の三つの講演で、アメリカ文学、文化研究、ドイツ哲学など多様な観点から、暴力的な状況の中での人間のあり方についての考察を行なっていただくことができた。国際的な交流を広げる機会を持つことができたことも、本研究会の収穫であった。

一年間の活動を通じて、暴力的な状況に苦悩する人間存在の回復について、哲学、教育学、心理学、文学、文化研究などがどのような形で学際的な交流を生みだすことができるか、また、人文学の力によって何ができるのか、という当初の問いかけに答えるような研究の出発点を築くことができた。次年度は、今年度の反省を踏まえつつも、後期課程院生など若手の研究者の参加を奨励しつつ、学外の研究者との幅広い交流をさらに繰り広げたい。

        

加國 尚志(文学部教授)

開催日 7月25日
テーマ ①「ハイデガーとヒューマニズム」
②「サルトルとレヴィナスー呼びかける主体/呼びかけられる主体/応答する主体」
③「「トラウマからの回復におけるTFT(思考場療法)の可能性」」

今後の打ち合わせ
テーマ
報告者(所属)
①黒岡佳柾(哲学専修D1)
②小松学(哲学専修D2)
③加納友子(教育人間学専修D2)

報告要旨

開催日時 2008年12月13日(土)午後2時30分~4時30分/末川記念会館 第3会議室 
テーマ トニ・モリスン文学における「暴力」
報告者(所属) 荒このみ(東京外国語大学教授)

報告要旨

11:00-12:30 第1回 言表研(「言表の出現と人間存在をめぐる超域的文化研究」) 例会 
報告者(所属)
テーマ
報告者:合田正人(明治大学)
題 目:「グラマトロジーとは何か」
開催日 2009年1月31日
テーマ ①「感情と回復」
②「死の人間学」
テーマ
報告者(所属)
①小菊 裕之(哲学 D1)
②近藤 正樹(教育人間 D1)

報告要旨

開催日時 2009年3月12日(木)午後3時~5時 末川記念会館 第3会議室 
テーマ 「北アイルランドの葬送・儀礼:暴力の諸相と暴力からの回復」
報告者(所属) ジャック・サンティノ(Bowling Green State University 教授 the Bowling Green Center for Popular Culture Studies 元アメリカ民俗学会会長。Journal of American Folklore編集委員、ほか。フォークロア・大衆文化専門。MA英文学、BA, phDフォークロア・文化学)

報告要旨

○終了後懇親会を予定しております。(場所:カルム)
※ミニ・フォークコンサートがあります。出演:勝部章人、レズリー・デニストン
開催日時 2009年3月29日(日)午後2時~午後5時 末川記念会館 第3会議室
共催:日本シェリング協会
テーマ 『自由論』におけるシェリングの人間性概念
"Schellings Humanitaetsidee in der Freiheitsschrift"
(Schellings idea of humanity in his writing "freedom, 1809")
報告者(所属) エルケ・ハーン(ベルリン・シェリング研究所主任研究員)

報告要旨

通訳:深谷 太清(天理大学)
○終了後懇親会を予定しております。

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