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SIGGRAPH ASIA 2023 in シドニー 映像学部/映像研究科の学びを発信!

2024.2.9

2023年12月13日(水)~12月15日(金)にかけて、オーストラリア・シドニーのICC(International convention  center)にて開催された、SIGGRAPH ASIA 2023に、映像学部・映像研究科の学びの一例として、大島登志一研究室より学生5名・望月茂徳研究室より4名が参加、研究発表を行い、学部での学びを発信してきました。

【大島ゼミ】
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【望月ゼミ】
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※当日の様子は 映像学部公式X にも掲載しておりますので、ぜひご覧ください!

映像学部には5ゾーン(映画芸術/ゲーム・エンターテインメント/クリエイティブ・テクノロジー/映像マネジメント/社会映像)があります。本取り組みは、「クリエイティブ・テクノロジー」ゾーンに関する取組です。

SIGGRAPH ASIAは、最新のデジタル映像やインタラクション技術に関するアジア・太平洋地域最大の国際カンファレンス&展示会です。コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の分野で8,000人以上の技術専門家が参加されます。
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                     【コアラがお出迎えしてくれました】

2022年は韓国・大邱で開催され、今年はオーストラリア・シドニーの開催となりました。
★2022年度の記事はこちら
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【会場】                 【シドニーの様子】

映像学部では、研究発表も含めて2014年から継続的にこのカンファレンスで、映像学部の学びについて発信を続けています。今年も、映像学部でブースを出展し、映像学部での様々な学びを発展させた学生の研究発表や作品展示を行いました。

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〇映像学部ブース〇
映像学部ブースでは、大島研究室の酒井ちひろさん(学部4回生)、松井才奈さん(学部4回生)、室井克仁さん(学部4回生)、望月研究室の北山玲奈さん(大学院2回生)、門前美樹さん(大学院1回生)、岡田久奈さん(学部4回生)による研究発表・ポスター展示を行い、学生自ら来場者に向けて発表しました。


開催初日から、多くの方に映像学部のブースを訪れいただきました。今年は昨年度も参加した学生が多く、1日目から英語で積極的に説明を行っていました。
また、英語で自身の研究の説明を行ったことで、他人に伝わりやすいように研究の本質を伝える必要性を感じたという学生、来場された方に様々な観点からアドバイスをいただいた学生もいました。

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今年は、シドニーでの開催となり、アジア圏以外にお住まいの方にもたくさんご来場いただきました。国際的なスケールで発信、交流することで、ますますグローバルに活躍していきたい!という手応えを得ることができました。また、会場の企業ブースやポスターセッション、研究発表の見学や体験を行い、新たな発見を得られる機会となりました。3日間本当にお疲れ様でした!!

◆今回発表した研究内容について◆
①2023年度室井克仁さんの研究発表
An Optical Tangible Interface by Prisms with Multilayer Light-Guiding Plates
この研究は、ヘッドマウントディスプレイなどに用いられている導光板を積層させた「積層式導光プリズム」を用いてインタラクティブな映像体験を行うことができます。
積層式導光プリズムは水平に置かれたディスプレイの映像をプリズムの内部に疑似的な空中像を表示することができ、水平面のディスプレイ映像とプリズムの空中像を組み合わせたインタラクションを体験できます。このプリズムを動かすことで、プリズムからの位置・方向からのアングルの映像がプリズムの内部に表示することができます。また、各体験者の任意の位置にプリズムを動かすことで体験者の位置からの映像がプリズムを通してみることができます。
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②2023年度酒井ちひろさんの研究発表
KuchiPaKu: Experientatial learning materials for learning silent speech interaction
この研究はサイレントスピーチインタラクションという発声の有無にかかわらず発話を推定することをテーマとしています。その基礎を理解するために特に画像処理を用いたサイレントスピーチインタラクションに研究の重きをおいており、画像処理を用いた様々な口の検出方法が体験できるシステムで、ユーザにその概念と動作原理を理解してもらうことを目的としています。

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③2023年度北山玲奈さんの研究発表
Immersive Tales: An Augmented Book that Expands the Reading  Experience
この研究では、紙の絵本に対する読者の行為を認識し、映像を投影できるシステムを制作しました。システムには七夕物語を題材とした絵本を用いて、物語に沿った仕掛けを取り込んでいます。絵本や短冊に貼ったARマーカを赤外線カメラで読み取り、プロジェクタで映像投影を行っています。絵本のページをめくる、仕掛けを隠す、短冊に願いを書いて笹に吊るすなどの読者の行為により、カメラが認識するARマーカの状態が変化し、絵本に投影している映像が物語に合わせて変化します。これにより、ただ本を読むだけではできない読書の楽しみを生み出すことができると考えられます。

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④2023年度門前美樹さんの研究発表
Augmentation of Medical Preparation for Children by Using Projective and Tangible 
Interface
この研究では、小児患者の不安を和らげ、家族や医療関係者との活発な交流を生み出すインタラクティブな体験を創出することを目的としています。投影型インタフェースとタンジブルインタフェースを組み合わせ、インタラクティブアートの手法を用いた新しい心理的プリパレーションシステムを開発しました。この作品では、ぬいぐるみに対し、子供たちが用意された複数の医療器具デバイスを使って治療の模倣遊びを行う中で、子どもたちは自分の病気やその治療を、自身の年齢に合わせたアニメーションという方法で直感的に理解することができます。(この研究はポスターセッションでも採択され、発表が行われました)

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【ポスター発表】
2023年度松井才奈さんのポスター発表
AR Display Tools for Real-Time Audio Mixing Operations
この研究では、音楽ライブなどでの音響オペレーション作業を支援するためのARシステムを開発しました。
通常、作業を行うオペレータはマイクからの音声やBGMなど、多くの音源を聞き分けながら、ステージの状況と機材の操作を同時に把握する必要があります。
そこでこのシステムは、これらの情報を一つのモニタ画面に集約し、重要な音量情報などをARを用いて視覚化し重ねて表示します。これにより、オペレータの迅速で正確な状況把握と操作判断をサポートします。


2023年度岡田久奈さんのポスター発表
Restaurant Letter:An Interactive Motion Typography Artwork
この研究では、文字を料理の材料に見立てるという新しい視覚表現を試みたモーションタイポグラフィー作品を制作しました。カタカナやアルファベットなどの文字を使って、スパゲティ、オムライス、コーヒーをモチーフとした作品を表現しています。動きや傾きを検知する加速度センサーをフォーク、ナイフ、スプーンに取り付けており、これらの食器を動かすことでインタラクティブに体験できる仕組みです。作品の体験を通して、文字を使った新しい表現を視覚的に楽しむことができます。

〇XRエリア〇
大島研究室での研究がXR部門に採択され発表をおこないました。
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研究内容
MR BLS Trainer
この研究は、心肺蘇生法(CPR)と自動体外式除細動器(AED)使用を含んだ一次救命処置(BLS)の訓練を、体感的にシミュレーション体験できるシステムです。
従来の訓練ではマネキンの使用やトレーナーの指導が欠かせませんが、本システムでは複合現実感(MR)技術を活用して、実際の手足の映像や救命手順の詳細をリアルタイムで視覚化します。より現実に近い救命訓練を実施することにより、ユーザーは直接的な体験が得られ、能動的な学習の促進を目指します。
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4回生松井さんがMR BLS Trainer の研究説明を英語で発表しました!
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〇ポスターセッション〇
望月研究室での研究が採択され、ポスターセッションにてポスター発表を行いました。
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シーグラフアジアで展示を行った作品の一部は、2月に開催される2023年度「立命館映像展」<展示>でも実際に体験することができます。皆様のご来場お待ちしております!
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【日時】
<上映>2024年2月23日(金・祝)・24日(土)・25日(日)
<展示>2024年2月24日(土)・25日(日)

 【場所】
<上映>T・ジョイ京都(京都駅南 イオンモールKYOTO Sakura館5階)
<展示>Kotoホール(京都駅南 イオンモールKYOTO Sakura館4階)

今後の2023年度立命館映像展に関する情報はこのEIZO VOICEをはじめ、各種SNSで発信していきます!
 
〈2023年度 立命館映像展の情報をお届けするSNS〉
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