デザインやアートの能力に長けたクリエイティブな人材は、さまざまな現場で求められています。
社会は複雑さを増し、簡単には解きほぐせない問題が生じるようになっているためです。また、取り引きされるモノやサービスは、機能の点でも品質の点でも均質化し、新しいコンセプトが求められています。
困難な問題に直面したとき。
革新的なアイデアが必要なとき。
そんなとき、頼りになるのはどのようなものでしょうか?
「美的感性」こそが、未来を切り拓く導き手となってくれる。
わたしたちは、そう考えています。
美的感性に導かれて個性的なビジョンや創造的な思考が生まれ、まったく新しい問題の捉え方やイノベーティブな実践がかたちづくられていくでしょう。研ぎ澄まされた美的感性は、生活のあり方やコミュニケーション・空間・組織のあり方を問い直すなかで、新たな意味を見出し、情報・環境・社会の異なるあり方を照らし出します。
立命館大学デザイン・アート学部(仮称)および立命館大学大学院デザイン・アート学研究科(仮称)では、美的感性という基盤のうえで、デザイン教育と造形教育が高度に統合されます。
近年のデザイン教育で養われてきた「問題解決」のための抽象的な思考だけでなく、美しく優れた造形表現をつくり出す「創造性」の涵養や技能の習熟だけでもありません。
創立125周年を控えた伝統ある総合大学だからこそ可能なかたちで、この場所から新たなデザイン・アートの知を育んでいくことを目指します。
そしてこの場所では、さまざまな現実社会の課題に応じたプロジェクトが実施されていきます。
ひとつには、社会のデジタル化やデジタルネイティブの生活環境に対応した実践がおこなわれます。あまねく老若男女が関わりを持つようになっているデジタルな環境をより良く変えていくうえで、これまで衣服や建物や家具をつくってきたデザインの専門知は、どのように貢献できるでしょうか?
ほかには、日本の歴史と文化を踏まえたプロジェクトも展開されます。新学部・新研究科が立地する京都は、世界に誇るデザイン・アートの伝統をもつ都市でもあります。たとえば、伝統工芸に見られる美的感性や古来の美意識の神秘性は、かたちあるものとないものが同居する現代のものづくりにどんな示唆を与えてくれるでしょうか?
いずれも答えはありません。問い方すら不十分かもしれません。
ともに身体を動かしながら、実践のなかで解き明かしていきましょう。
あなた独自の問いと挑戦を、この場所ではじめてみませんか。