山下 範久 Norihisa Yamashita
教授
■ 専門分野:社会理論・歴史社会学、デザイン・アートと国際社会 ■ 研究テーマ:モノを包摂する世界史の歴史記述、歴史コミュニケーションとデザイン
- 1995年3月 東京大学教養学部教養学科第三国際関係論分科卒業、学士
- 1997年1月 ニューヨーク州立大学ビンガムトン校、社会学部大学院修士課程修了(M.A. in Sociology)
- 1998年3月 東京大学大学院総合文化研究科相関社会科学専攻修士課程修了、修士(学術)
- 2001年5月 東京大学大学院総合文化研究科国際社会学専攻相関社会科学コース博士課程単位取得退学
- 2001年6月~2007年3月 北海道大学大学院文学研究科助教授
- 2007年4月~2010年3月 立命館大学国際関係学部准教授
- 2010年4月~2018年3月 同教授
- 2010年4月~2011年3月 サセックス大学国際関係学部School of Global Studies客員研究員
- 2019年4月~現在 立命館大学グローバル教養学部教授
これまでの実績・研究概要
歴史社会学と国際関係論が交差する分野で、世界システム論をベースに理論的研究に従事してきました。学知の前提にある歴史記述の構造的なバイアスを内側から克服するために、①西欧中心主義、②近代、③人間の三つの相対化を大きなテーマとして研究を進めてきました。並行するサブテーマとして、モノの視点からの歴史社会学の試みとしてワインで見るグローバリゼーションの研究も行いました。 また上述の理論的研究をふまえて、企業のリベラルアーツ研修の監修などにも携わり、戦略的領域における創造性に歴史意識を組み入れる実践的取り組みも行っています。
研究の方向性
今後の研究の柱はおおきく三つあります。 第一に、持続不可能な文明から持続可能な文明への転換という、今日の歴史社会学とデザイン理論が共有する課題を念頭に、さまざまなモノから成る環境と人間が互いに互いを創り出しあっている関係に焦点をあてた理論的研究が柱となります。 第二に、そうした文明間移行のダイナミズムにおいてメディアとしての歴史が果たす役割に焦点をあて、歴史コミュニケーションに関する研究を進めます。 第三に、デザイン理論を取り入れつつ、以前に行ったワインの歴史社会学的研究のアップデートに取り組みます。
メッセージ
私がデザイン・アート学部・研究科の学びで提供できるものは、「理論」と「歴史」の知です。価値創造を目指した協働と制作を重視する私たちのカリキュラムにおいて、異なる文脈を架橋し、物事に意味を与えようとするとき、皆さんは、いわば概念の足場を自ら組み上げていく必要に直面するでしょう。「理論」と「歴史」の知は、皆さんが作り出そうとするものの価値を言語化/社会化する道を切り開くツールとなってくれます。そして皆さんがツールを使いこなすことで、そのツール自体もまた進化します。その意味で皆さんと一緒に学ぶことを楽しみしています。