飯沼 洋子 Yoko Iinuma
准教授
■ 専門分野:フィジカルアート ■ 研究テーマ:現代アート、参加型アート、美学、フランス・ブラジルの芸術と思想、五感を使用した芸術表現、芸術祭など。
- 2012年3月 武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科 卒業 学士
- 2014年6月 École Nationale Supérieure d'Art de Bourges, Bachelor(DNAP)
- 2016年6月 École Nationale Supérieure d'Art de Bourges, Master (DNSEP)
- 2019年1月 Université Paris 1 Panthéon-Sorbonne, Master Arts plastiques, Espaces, Lieux, Expositions, Réseaux, Master (Arts plastiques)
- 2026年3月 京都大学大学院 人間・環境学研究科 博士課程修了見込み 博士(人間環境学)
- 2023年4月〜2025年3月 独立行政法人 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
- 2023年6月〜2023年12月 アンスティチュ・フランセ日本 ヴィラ九条山 制作・パートナーシップ担当
- 2024年4月〜2024年8月 京都教育大学 教育学部 非常勤講師
- 2024年5月〜2025年3月 奈良女子大学 研究院工学系 特任助教
- 2024年4月〜現在 京都芸術大学 通信教育部 芸術学部 芸術学科 非常勤講師
- 2025年4月〜現在 大阪成蹊大学 芸術学部 造形芸術学科 非常勤講師
これまでの実績・研究概要
芸術実践と学術研究の両面から、参加型アートやパフォーマンスなど、芸術的な経験の共有に関する研究に取り組んできました。特に学術面では、観客が作品に触れ、触覚をはじめとする五感で体験することを重視したブラジルの芸術家リジア・クラーク(Lygia Clark, 1920–1988)の作品と思想を分析しています。他者と共に生きることや多様性の受容といったテーマは、私自身の芸術実践においても同様の課題であり、インスタレーション、パフォーマンス、ドローイング、立体造形、おと、ことば、映像、写真など、多様な表現手法による探求を続けています。
研究の方向性
視覚にとどまらず、触覚や嗅覚など五感を活用した芸術表現を研究対象とし、主観的・感覚的な「私の」芸術経験を、どのように「みんなに」共有できるかについて探求していきます。その際には制作と同時に、感覚や経験を言語化する試みにも取り組む予定です。さらに芸術、あるいは、作ることをめぐる環境や人との関係性を考察し、再構築する実践を行います。こうした活動を通して、社会と芸術のつながりを自分なりに捉え直し、広い視野と深い思考に裏打ちされた独自の芸術表現を構想していくことを目指します。
メッセージ
難しく考えすぎず、まずは造形表現を通して自分の感覚を知り、自分だけの世界を見つけることを、一緒に、楽しく探していきましょう。そして大学では出来る限りたくさんのチャレンジと失敗を経験してください。その経験こそが人生の豊かなグラデーションとなり、創作の土壌を耕してくれると信じています。