中村 大 Oki Nakamura
教授
■ 専門分野:デザイン・アートと歴史 ■ 研究テーマ:地域の歴史や文化の研究を活かしたレジリアンスのある社会の構築に関する学際的研究
- 1990年3月 國學院大學文学部史学科 卒業
- 1992年3月 國學院大學文学研究科日本史学専攻博士課程前期課程 修了(歴史学)
- 1997年3月 國學院大學文学研究科日本史学専攻博士課程後期課程 所定単位取得退学
- 2024年3月 埼玉大学 博士(学術)
- 1997年4月~2003年8月 國學院大學文学部 助手
- 2003年9月~2005年3月 セインズベリー日本藝術研究所 半田考古学フェロー
- 2005年4月~2007年3月 國學院大學考古学資料館 嘱託職員
- 2007年4月~2008年3月 國學院大學研究開発推進機構 客員研究員
- 2008年4月~2011年3月 総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員
- 2011年4月~2013年3月 MIHO MUSEUM 客員研究員(土偶展担当)
- 2013年4月~2014年3月 セインズベリー日本藝術研究所 共同研究員
- 2014年4月~2024年3月 立命館大学立命館グローバル・イノベーション研究機構(専門研究員、助教、准教授)
- 2024年4月~2025年3月 立命館大学研究部衣笠リサーチオフィス 特定業務専門職員(URA)
- 2025年4月~現在 立命館大学共通教育推進機構 教授
これまでの実績・研究概要
私の専門は考古学です。縄文時代を対象に、人びとが遺した人工物(遺構・遺物)の統計解析やGIS(地理情報システム)分析を行い、人口増加と環状列石など大規模儀礼の出現との連動性を明らかにしました。そこから、儀礼は人間関係を円滑にすることで社会のレジリエンス(適応的再構築能力)を向上させる活動と解釈し、論理的なモデルを提案しました。このモデルはプロトタイピングに応用され、ロボットやAIの開発にも貢献しています。また、統計解析やGISの技術を活かし、近世文書研究や海外発掘調査への協力も行っています。
研究の方向性
考古学や歴史学は、過去の事実を明らかにし多様な解釈により理解を深めていく「教養」にとどまりません。長期的な人類史的視点に立脚して現代の課題を深掘りし、イノベーションや地域課題の解決に貢献できる「実学」としても大きな可能性を秘めています。この新しい学部・研究科では、考古学や歴史学、文化人類学などの人文社会科学と、プロトタイピング、生成AIなどのテクノロジー、現代アートの表現など幅広い分野との協働をもとに、歴史や文化を介し創造性と遊び心に満ちたレジリエンスがある社会の実現に取り組みます。
メッセージ
日々の暮らしの中で、私たちはすでに知っていることや体験したこと、つまり歴史的知識の範囲で、未来をイメージしています。つまり、「これまでにない新しい未来」を想像・創造するためには、「これまでに起きた歴史」の知識を豊かにし、それを超える必要があるのです。過去に学び、現代を捉え直し、未来を展望する歴史の学びは、現代の経済的合理性に軸を置く生活を疑い、文化や価値観を重んじる未来の生活という新たなデザインと美しさの探究につながっています。時間と専門を越境した「温故創新」に挑戦してみませんか。