2009年10月17日 (第2913回)

人を支える職場からみる当事者と支援者の 傷つきとエンパワメント

帝塚山大学心理福祉学部 講師 大岡 由佳

 土曜講座2回目では、「人を支える職場からみる当事者と支援の傷つきとエンパワメントについてお話させて頂きます。人を支える職場とは、医療や看護、保健、福祉、介護、教育分野などの現場を指しますが、今、それらの現場は、医療福祉行政が目覚ましく変化する中で、激動の時代を迎えています。

 例えば、契約制度やサービスの効率化が進展する中、医療を受ける人たち・福祉サービスを利用する人たちにとって、昔のようには十分な医療や柔軟な福祉が受けられなくなったと感じる方が増えているようです。一方で、それらの医療や福祉を支える現場においても、実はそれらに絡む職員の体制等が悩みの種になってきているのです。特に最近では、よりよい支援を提供したいと頑張る対人援助職が業務過多に陥り、バーンアウト(燃え尽き)してしまうことが深刻な問題になっています。

 本講座では、近年の対人援助職の実態を紹介し、医療や福祉の当事者・援助者にとってどのような現場が、彼等の生き生きした生活につながるのか考えていきたいと思います。また、私たち市民にできることは何か、社会にできることは何かについても皆様と検討できればと考えております。積極的なご参加を、お待ちしております。