2021年10月16日(第3345回)
ICTとミクストリアリティが拓くクリエーションの未来
立命館大学映像学部 教授 大島 登志一
映像学部が設立された2007年は、スマートフォン普及の元年でもありました。それ以降、スマートフォンを一つのプラットフォームとして、新しい映像体験が圧倒的なスピードで個人の手に行き渡っていきました。ユーザは体験を受容するだけでなく、個人で撮影や編集し、それらを自由に共有できる表現手段を手に入れることになりました。 CGやゲーム制作、プログラミング、デバイスの自作など、これまで一般には敷居の高かった、テクノロジーを活用する創作活動も、パーソナル化が加速しています。様々な制作や開発のソフトウェアツールはほぼ無料で手に入りますし、センサなどの電子パーツも通販で簡単に購入できます。ウェブでは多くの人たちがノウハウや素材を共有してくれています。 昨今VR(バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実感)が一般にも広く認知され、利用も進んでいます。またMR(複合現実感;ミクストリアリティ)という技術も注目されています。VR・AR・MRをキーワードとして、その素性を明らかにしながら、AIや5Gなどに象徴されるICTとMRなどの体験技術が連携することで期待されるクリエーション×エデュケーションの展開について、考えてみたいと思います。