2022年10月29日

災害が民主政治におよぼす影響について

立命館大学文学部 教授 小関 素明

 大規模災害は、ときに近代社会において人々が政治に向き合う意識や姿勢を変え、さらには権力のありかたを変えてしまうほどの大きな影響力をもつ。そしてこれは、民主政治に対して危機的な作用をおよぼす場合があることに注意が必要である。

 ここではそうした事例の一つとして、1934年の室戸台風、翌年6月の集中豪雨が当時の京都の住民の意識にどのような影響をおよぼしたかを検討することを通じて、この問題を検証してみたい。