2022年10月29日

近さと隔たり──コロナ禍における現前性の問題(仮)

立命館大学文学部 教授 亀井 大輔

 私たちは2020年以来、新型コロナウイルス感染症の拡大という予期せぬ出来事の渦中(いわゆるコロナ禍)にいる。この間、感染者数の推移や、ウイルス、免疫、ワクチン等の特性に注目が集まり、ステイホーム、マスクの着用、ソーシャル・ディスタンスの確保、またオンライン授業、テレワークなど、新たな生活様式が唱えられてきた。こうした動向は、さまざまな哲学的問いを引き起こすものでもある。発表では、コロナ禍の経験を振り返りつつ、フランスの哲学者ジャック・デリダの思想や、現代の哲学者の発言も手がかりにして、近さと隔たり、現前性などについて考えてみたい。