空手の4大流派の一つ「剛柔流」開祖、宮城長順が直接指導していたこともある、80年の伝統を誇る「空手道部(新生)」。一時期同好会の時代もあったが、2014年に空手道部(新生)として昇部した。2018年4月現在、男子7人女子1人が所属。11月末~2月中旬のオフ以外は、週に6日、練習に励む。平日はキャンパス別に筋力トレーニング、ランニング、組手練習、土日は衣笠体育館などで合同練習を行い、体力と精神力を磨いている。チームの目標は全日本大学空手道選手権大会優勝。2020年のオリンピックから参加種目として決まり、同部の活躍も注目されている。
選手紹介Members
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中西 真実 [主将] 理工学部 4回生
小学1年生の時に、両親が礼儀正しい子になってほしいという願いから武道の空手を習わせたのがきっかけだった。高校時代も主将を務め、空手を通して人前で話すことや思ったことを人に伝える力もついたと振り返る。
体一つで戦うところが面白い点で、自分の体なのにイメージ通りに動かない所が難しくもあり、奥が深い点だと感じるという。だからこそ基礎の積み重ねを大切にしてきた。「試合に勝った時の達成感やこれまで続けてきた経験から、自分に自信が持てるようになった」と話す。
中西さんは、向上心が高いのがチームの強みだと誇る。アットホームで明るく分かり合えるメンバーだからこそ、時には厳しい言葉もなげかけ、コミュニケーションを大事にしているという。中西さんの夢は誰よりも強くなることと教師になること。「教師になり、これまで学んだ経験や空手を誰かに伝えることで、今までお世話になった人への恩返しができればうれしい」と話し、中西さんの未来への挑戦は続く。 -
戸松 亜沙美 文学部 3回生
小学1年~5年生まで空手を習い、中学、高校とソフトボール部に所属していたスポーツ好きな戸松さん。楽しかった空手をもう一度やってみたくなり空手道部に入部した。経験者とはいえ、「小学生のときは『形』がメインだったので、『組手』との違いに戸惑いましたが、今では相手との駆け引きを計算して、先を見据える難しさに魅力を感じています」と、笑顔で語る。
戸松さんは女性一人だけの部員という立場に「環境を理解し、いつも気遣ってくれる仲間がいて、それが何よりの励みでもっと期待に応えたい」と話し、男性ならではの力強く速さのある空手を一緒に交えることができて、いい勉強になると前向きだ。まずは関西学生空手道個人選手権大会で一勝する目標を掲げている。
「いつか男子部員らが味わっている団体戦での勝つ喜びも味わえたら」とも話し、「空手の楽しさを伝えて、仲間が増えるような発信もしていきたい」と、新しい仲間との出会いにも夢を膨らませる。
競技説明What's KARATE?
空手は沖縄が発祥の地とされ、琉球王国に古くから伝わる武術が中国の武術に影響を受けながら独自に発展し、1900年前半に全国に広まったといわれている。攻防する相手を想定して数十ある技術を演武する「形」と、8メートル四方のマット内で相手選手に腹部、胸部、体のさまざまな部位を狙いながら蹴ったり、突いたり、受けたりして2~3分の制限時間内で、ポイントを競う「組手」がある。それぞれ団体戦、個人戦がある。「組手」の団体戦は、5人(女子は3人)1チームで先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の順に戦い、勝者が多いチームが勝ちとなる。「形」の団体戦は、3人1チームで、一つ一つの技を理解しているか、技の正確性などが判定され、多くの旗を獲得した選手が勝ちとなる。本学では「組手」の際、防具を着用し寸止めルールを採用している。「組手」の選手がほとんどだが、「形」と両方できる選手も在籍している。
道具紹介What’s Tools?
拳・足サポーター、マウスピース、腹当て
Topics
形紹介
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三戦(サンチン)
独特の呼吸法を使いながら、両手は拳を握り、両胸横に構え、足を八の字にして立ち、膝をやや曲げて全身に力を入れ、筋肉を締める。時には腕や足をたたき折るように強く、時にはしなやかな柔らかさで、技を繋ぐ剛柔流の基本の「形」と言われている。
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制引鎮(セイユンチン)
平行立ちから右足を北東に進み、右四股立ちをして、両掌を胸前に八の字に構える。腕を掴まれた時や後ろから抱きつかれた時の外しなど、さまざまな場合を想定して考案された。唯一、蹴り技のない形なのが大きな特徴。
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砕破(サイファ)
相手の意表をつくことを想定し、片足立ちで膝当て、蹴りなど連続した動作で各部所へ攻撃する1分程度の短い形。