「コンテンツ文化の学び」と交流を目的に、2016年に立ち上がった自主ゼミ団体の「Cloud9」。「2016年度は玩具を中心とした企画・製作・製造を行っている企業を招き、学生と交流を図ることを目的とした『キャリアセッション』の実施や、嵐山で歴史ある京都の文化と「コスプレ」という新しい文化を折り交ぜた『イケメン☆コスプレフェスティバル』を開催しました」と語る現代表の岸田さんは、2017年6月、自身が中心となり考案した企画を実現させた。

高校生のとき出会った作品とのコラボ企画

京都を舞台に描かれた森見登美彦原作の青春恋愛小説「夜は短し歩けよ乙女」をイメージした特別メニューを学生から募り、衣笠諒友館食堂およびRossoで提供するという企画内容。厳選した4種類のご飯ものと2種類のクレープが期間限定で商品化され、「乙女の玉子酒風あんかけ玉子丼」や「李白の火鍋風チゲ」の販売合計数はそれぞれ600食以上だったという。

高校3年のときに母に勧められて「夜は短し歩けよ乙女」の作品と出会った。もともと読書が苦手だったが、「出てくる言葉、表現の仕方など全てが新鮮で、自然と読み進めていました」と振り返るように、物語の世界感に魅了された。あるとき、この作品で立命館生活協同組合(以下:生協)と映像学部がコラボする企画があるということを耳にした。原作が映画化されると知り、「京都を舞台としたこの作品とコラボしたい。例えば読書の秋に合わせて、何か企画できるかな…」と模索していた岸田さんは、「これだ!」と思い、自らアプローチしたのが始まりだという。

学部での専門的な学びを生かし

すぐに企画書を作成し、生協の店長や企画元のフジテレビに提出。「順調に企画が進んだので驚きましたが、自分が提案した企画が共感されて嬉しかったです」と振り返る。応募総数約30種類の中から、「Cloud9」のメンバーが「食べてみたい」「ユーモアがある」と思った商品に絞り、生協と打ち合わせを重ね、メニューを決定。その後、ポスターやポップを作成した岸田さんたち。物語の世界感を崩さないように心がけ、「イラストレーターが得意なメンバーがいるので、ポスターなどは任せました」というように、映像学部らしいハイクオリティーな広告物が完成。限られた時間で準備を重ねる日々で、メンバーそれぞれが自分の得意なことを生かし、個性を発揮するよい機会となったという。

チャレンジすることを恐れず、新たな企画に挑む

今までは先輩が考案した企画を手伝っていた岸田さん。今回は、自主的に企画、実施することの難しさを実感した。そんなとき、先輩が教えてくれた企画書の書き方やメールのやりとりなどがとても役に立ったという。「今度は私たちが後輩に教える番。今回の企画では他を顧みることなく行動してしまったところもあるので、これからは周りにも気配りできるように余裕をもって行動できるようになりたい。そして、後輩の企画したイベントをサポートしたいです」と、意欲を新たにした。

PROFILE

岸田純華さん

大阪薫英女学院高等学校(大阪府)卒業。中学3年のときに初音ミクのライブを見て、コンピュータグラフィックス(CG)映像に興味を持つ。現在は北原 聡教授の下でCGを学び、将来はCGキャラクターを作ってみたいと考えている。今夏には、映像学部が主催するハリウッドへのCG研修に参加予定。

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