ウインドサーフィンを追究し続け、世界選手権に出場
「ナショナルチームのメンバーに」目標を達成
2017年3月に開催されたウインドサーフィンのナショナルチームセレクション(以下:セレクション)は、大学生の男女約80人で行われた12レースの結果と前年度の全国大会の結果で順位が決定し、女子は上位2名がナショナルチームのメンバーとなり、世界選手権に出場できる。セレクションで1位となった体育会ウインドサーフィン同好会の島さんは、念願のメンバーとなり、7月15日から6日間、フランスで開催された世界選手権「TECHNO 293 PLUS WORLD CHAMPIONSHIPS 2017」への出場を果たした。
新たな競技への挑戦
高校までアルペンスキーに打ち込んでいた島さんは、入学時に「大学から始める人が多いため、自分次第で、日本一を目指せる」と話を聞いたことから、新しいことにチャレンジしようとウインドサーフィンを始めた。当初から、「ナショナルチームのメンバーになり、全日本学生選手権で優勝すること」を目標としてきた。コーチはおらず、先輩が後輩に教えるというウインドサーフィン同好会は、週5回、琵琶湖での練習を行っている。オフシーズンはなく1年中試合が行われ、冬でもドライスーツやウエットスーツを着て水上に出る。環境に大きく左右される競技で、練習場所も遠く、とても大変なことが多いという。それでも、目標の実現のために、1.2回生の頃はジムに通い体幹や肩周りの筋肉の強化を行い、「セッティングの方法や、セールの組み立て方、細かい動作や風、レース展開など、一つ一つを追究し、練習を積むことで結果につながる」と、必死に努力してきた。
初めての世界でのレースを経験して
セレクションでの優勝は、大きな自信にもなり、嬉しかったと話す。それと同時に、全国の学生のトップとして結果をださなければならないというプレッシャーを感じ、不安な気持ちもあった。そして、迎えた初めての世界選手権。5日間を通して12レースが行われ、得意な風が吹いたのは5日目だけだったというなか、2位で世界の舞台を終えた。乗り方やこぎ方など全く違う海外選手とのレースや交流を通し、速い選手はしっかり考え、理論を持って練習し、信念を持っている人が結果をだしていると感じたという。そして、共に出場したナショナルチームのメンバーとの時間は島さんにとって大きな刺激となり、競技への意識がさらに高まった。
次の目標を目指して
この夏から、ナショナルチームメンバーの役割の一つである、コーチとして活動を行う予定だ。関東から九州まで、全日本学生ボードセイリング連盟が各地で開催する合宿に出向き、指導を行っていく。「自分たちの知識を共有して、日本の学生のレベルアップをすることは重要な役割で、自分の成長にもつながる」とナショナルチームメンバーとしての意識をさらに強める。そして、11月の全日本学生選手権での優勝を目指す島さん。ナショナルチームとしての活動と練習の両立は簡単ではないが、次の目標に向かってさらに努力を続けていく。
PROFILE
島 智子さん
上田高等学校(長野県)卒業。金昌柱准教授のシルバーマーケティングゼミに所属し、「超高齢化が社会に及ぼす影響」について卒業研究を行っている。父の影響で小学1年からクラブチームでアルペンスキーに打ち込み、全国中学校総体やジュニアオリンピック、インターハイに出場。スポーツが好きで、小学生から中学生までは、空手にも取り組み、中学では陸上部、高校ではダンス部に所属。
<成績>
2014年 関西新人大会第1戦~3戦優勝
プリンセスカップ ビギナー部門 優勝
新人戦準優勝
2015年 全日本選手権優勝
2016年 関西選手権第1戦優勝
琵琶湖マリンカップ 準優勝
中部選手権 3位
関西選手権年間ランキング優勝
NTセレクションレース 優勝
2017年 琵琶湖マリンカップ準優勝
中部選手権 優勝
TECHNO 293 PLUS WORLD CHAMPIONSHIPS 2017 2位