京都市北区にある新大宮商店街(以下、商店街)を拠点にし、地域の大学に通う有志の学生が集まる「そらたねプロジェクト」。毎年10月に開催している「そらたね祭」の企画・運営や、商店街主催の「夏祭り」のボランティア活動を続けている。

15 代目代表を務める佐々木さんは、2回生の夏に三条会商店街で開催された「京都お化け屋敷大作戦」の手伝いや、商店街主催の夏祭りのボランティア活動に参加。地域とともに一つのプロジェクトを遂行する楽しさを感じ、「学生が積極的に地域に歩み寄れば、もっと面白いことができるのでは」と感じたという。

「祭り」だけでなく活動の幅を広げるプロジェクトへ

その後そらたねプロジェクトの代表になり、お祭り以外の通年活動でも地域と関わっていきたいと、積極的に地域交流をしていくことを提案した。活動の幅を広げるためメンバー集めに力を注ぎ、例年の活動人数を大幅に越える、約35人のコアメンバーが集まったという。「大学の垣根を超えて多くのメンバーが集まったことにより、そらたねプロジェクトの魅力である多様性がより広がると思います。メンバー同士がさまざまな価値観に触れ、新たな活動や取り組みができれ ば…」と期待を膨らませる。

今夏は、そらたねプロジェクトのメンバーが商店街を飛び出し、1日限定の“駄菓子屋カフェ”を開催す る。「下町の雰囲気や昔ながらの素朴な町の魅力を多くの人に知ってもらいたいというこの企画は1回生の提案。新しい、面白い企画は積極的に応援したいんです」と、メンバー一人ひとりが、商店街の魅力をさまざまな場所で発信してくれることを願っている。

参加型の地域交流で絆を育み、これからも輝く地域へ

7月29日に行われた夏祭りでは、当日ボランティアを含め100人もの学生スタッフが参加し、お祭りを盛り上げた。佐々木さんは、「今まで自分に自信がな かったのですが、いろいろな人からさまざまな刺激を受け、周りを巻き込みながら夏祭りを無事成し遂げることができ、本当に嬉しく、自信につながりました」と振り返る。そして今後の展望をこう語った。「今までそらたねプロジェクトに関わってきたメンバーたちが就職を機に京都を離れてしまっても、気軽に商店街に戻って来られるきっかけがあればいいですね。そのきっかけがそらたね祭となるように、もっと大きなお祭りにしていきたい」

佐々木さんが代表として関わるのが最後となる、10月21日に開催されるそらたね祭。今年は子どもたちに地域との「絆」を感じてほしいと、多くのプログラムを考案中だ。「お祭りに参加してくれた地域の子どもたちが、大学生になってそらたねプロジェクトに入ってくれたら嬉しい」。学生も含め地域に住む全ての人たちが、連携し支え合いながら絆を育んでいく。そのようなお祭りを目指し、佐々木さんは今、準備に余念がない。

PROFILE

佐々木洋輝さん

広島県立高陽高等学校(広島県)卒業。小学4年から中学3年までヨット競技に打ち込み、西日本で2位という成績を残す。高校時は軽音部に所属。現在はリム・ボン教授のゼミに所属し、京都の都市問題について学ぶ。メディアにも興味があり、2017年度から大学と地域の連携をテーマにしているコミュニティFM放送局「RADIO MIX KYOTO」でパーソナリティーを務める傍ら、現在は地域の魅力を発信する新しい番組制作に関わっている。

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