2017年8月、ハーバード大学主催の全世界の学生を対象とした国際会議「HPAIR(Harvard Project for Asian and International Relations)」がオーストラリアのシドニーで開催され、63カ国600人以上が参加した。そのHPAIRで行われたケースコンペティションにおいて2位入賞を果たした出口さん。

英語を生かして経営を学びたい

幼い頃海外に住んでいたこともあり、国際関係に興味を持っていた出口さんは、好きな英語を生かして経営について学ぼうと国際経営学科を選んだという。大学の英語のクラスは留学経験者や帰国子女ばかりで、当然のように英語が飛び交っていた。受験英語は得意だったものの、会話は全くできなかった出口さんは、必死で英語を勉強した。2回生の夏から約1年、アーカンソー州立大学に交換留学。常に自分の意見が求められ、尊重されることに驚き、その大切さを感じたという。

世界の人とつながりたい

留学後、もっと世界の人とつながりたいと考え、留学中に選考に落ち参加できなかったHPAIRに再チャレンジすることにした。これまでの経験をアピールした結果、書類選考と面接をクリアし合格。そして迎えたHPAIRは、8月17日から5日間、企業や経営者、有識者などの講演、座談会などが行われた。国際関係やダイバーシティなど多様なテーマで開催され、出口さんは、ビジネスとテクノロジーを軸に参加。講義の合間や食事の際には、さまざまな国の学生と講演について議論したり、積極的に交流を図った。

多国籍チームのケースコンペティション

4日目に開催されたケースコンペティションは、4つの企業や組織が出す課題から1つ選択して取り組むというもの。出口さんは、卒業後コンサルタントとして働くことが決まっており、コンサルタントとして課題に取り組めることや審査員である企業の意見を聞いてみたいと、コンサルティング会社である「デロイト」を選んだ。課題は、「アメリカの小売企業がアジア進出するために必要なこと」を提案するため、6人のチームで制限時間内に資料を作成するというもの。出口さんのチームは、オーストラリア、マレーシア、韓国、中国、日本の学生で構成され、制限時間内の5時間で読解、議論、資料作成をすることは非常に厳しかったが、それぞれの経験や情報を元にお互いの意見を尊重し合いながら討論ができたという。審査では、18チーム中5チームのファイナリストに選ばれ、プレゼンを行った結果、2位に入賞することができた。

「スケジュールはとてもハードで大変でしたが、楽しく学びも多かった5日間でした。より多くの国の学生と話すことでさまざまな情報を得ることができると改めて感じました」と振り返る。卒業後は、コンサルタントとして、企業の海外進出を支援していきたいと話す出口さん。これまで全力で取り組んできた英語と経営の学びを生かし、世界を舞台に活躍してくれることだろう。

PROFILE

出口 慧さん

伊丹市立伊丹高等学校(兵庫県)卒業。守政毅教授のゼミに所属し、小売の国際化プロセスに関する研究を行っている。1回生の春休み、外務省派遣プロジェクト「TOMODACHI INOUE SCHOLARS PROGRAM」のメンバーとして、ワシントンDC、シカゴ、ロサンゼルスの3都市における国際機関でプレゼンテーションを経験。趣味は海外旅行。

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