日常生活で目にすることが多く、一年間を通じた広報が可能なカレンダーを通じて、地域と関わっている学生団体の活動を知ってほしいと制作されたオリジナルカレンダー。衣笠キャンパス周辺地域と立命館生が助け合える関係づくりのきっかけになればと、齋藤さんが考案。2018年3月に完成し、今後は地域の方を中心に配布していく予定だ。しかし、齋藤さんには後悔も残っている。「毎月1団体、合計12団体紹介したい…と協力団体を募集したんですが、1団体しか応募がなくて…。再度、知り合いの団体を中心に依頼し、なんとか6団体を掲載することができましたが、来年はアプローチの仕方を変えたほうがいいですね」

団体の写真と活動内容、またどんな些細なことでもいいので地域の方から直接団体に連絡が入ればと願い、団体の連絡先などを記載。「今年度はカレンダー部分に文字を掲載することは出来ませんでしたが、来年度は“立同戦”や“学園祭”など、学内行事の日程を記載したいです」と話す。

日常から支えあえる関係づくり

日ごろから地域の活動に積極的に参加している齋藤さん。京都市の消防団員として活動するほか、2017年2月からは御室学区と金閣学区で、登校時、地域の方と一緒に児童の見守り活動を行い、地域の安心・安全なまちづくりを支えている。最初は児童や地域の方と少し距離があったが、積極的に挨拶を続けるうちに挨拶だけでなく、お礼の言葉も返してくれるようになったという。「子どもたちから『いつもありがとう』と言われるようになったときは嬉しかったです。また、子どもたちのこの言葉から『いつも』のような私たちの感謝で抜け落ちがちな『大切なもの』も教えてもらいました」と子どもとのコミュニケーションを通じていろいろな気づきがあるという。

また見守り隊を続ける中でも気づきがあった。例えば、地域の方と話している中で、放課後の見守りは曜日によって見守る大人が少ないときがあることも分かった。「もう少し見守りをする学生の人数が増やして、僕たち学生がそういったときの見守りをできたら理想的だと考えています」。一つひとつの気づきから、齋藤さんの新たな活動が始まるかもしれない。

“地域活動”と“立命館”が未来の子どもたちの選択肢に

地域との関わりを大切にしている背景には、齋藤さんの「地域と大学が大好き。だからこそ地域の方にも大学を好きになってほしい」という熱い思いがある。「見守り隊で出会った子どもたちが大きくなって、『いつも見守りをしてくれていたお兄ちゃんがいたな…』と頭の片隅にでも残っていて、『何かしよう』と思ったときに選択肢の一つに地域活動があれば嬉しいです。もちろん大きくなってから一緒に地域での活動に参加できたら最高だと思います。また、立命館をより身近に感じることで、子どもが大学を決める際に、子どもやお父さんお母さんだけでなく、おじいさんやおばあさんまでも立命館で学ぶことに対して、背中を押してもらえる『きっかけ』になれば嬉しいです」。続けて、今後の目標を次の言葉に込めた。「地域の方がもっと立命館生を応援してくれるようになれば嬉しいです。例えば、硬式野球部の“立同戦”の試合に地域の方が大勢応援に来てくれるような関係を目指したいです」

PROFILE

齋藤光さん

茨城県立緑岡高等学校(茨城県)卒業。京都市消防団員、見守り隊に加え、学生防災サークル立命館FAST、小学校での授業サポート等を行う学生ボランティア、その他にも地域の体育振興会の活動にも積極的に参加している。法学部の植松健一教授のゼミ、教職研究科の山岡雅博教授のゼミに所属する傍ら、産業社会学部の乾亨教授のゼミにも参加し、地域の方の言葉を中心に地域について学んでいる。今後も地域について学びそれを地域に還元していくために、院進学を目指している。

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