2013年に図書館司書の免許取得を目指して始まった文学部の自主ゼミ「立命館大学図書館研究会(以下研究会)」。2017年11月7~9日に横浜市で開かれた、図書館や書店など書籍に関する様々な業種が交流する国内最大規模の図書館関連イベント「第19回図書館総合展(以下総合展)」のキャラクターコンテストで、岡﨑さんが代表を務める研究会のマスコットキャラクター「りっと犬」が、応募総数74点の中から出展企業賞「ブレインテック賞」を受賞した。

自分たちを表現したキャラクター「りっと犬」

2回生から研究会へ参加した岡﨑さんは、これまでメンバーと司書免許資格の参考書を使った勉強会、学習発表、全国の特徴ある図書館を訪れてフィールドワークなどを行ってきた。研究会の合言葉は「図書館から日本を救う」。図書館が持つデータの提供と資料をもとにしたアドバイスで、ある会社の理想の倉庫を作り、賞を取ったという事例から、図書館には会社だけでなく日本を救う膨大な知識が存在するという意味だと岡﨑さんは説明する。 研究会の課題は、岡﨑さんらが引退するとメンバーが少なくなってしまうこと。「何をしている会なのかわからない」と言われる自分たちの活動を知ってもらい、図書館、司書、社会とは何かが理解でき、自分たちが引退しても社会で通用する後輩らが育ってほしいと、これまで何気なく使用してきた研究会のキャラクターに願いを託し、コンテストにも応募した。岡﨑さんは「キャラクターのまじめに明るく研究している姿が、私たちをうまく表現していると今更ですが気づきました」と笑顔で語り、受賞を喜ぶ。

新しい仲間も加わり作り上げたこだわりの舞台

総合展では、成果報告だけでなく、肌で感じたことも伝えていこうと、キャラクターコンテストとともに「理想の図書館」を表現したポスターセッション、落語が趣味のメンバーからの提案された図書館をテーマにして寄席や大喜利なども披露することにした。

岡﨑さんは誰もが楽しめる寄席にしたい、自分たちだけがわかる独りよがりな出し物にはしたくないと目標を掲げた。関西や関東で協力してくれそうな自分たちの知っている全ての図書館グループに参加を呼びかけた。同志社大学や京都産業大学のメンバー、明星大学の落語研究会員らの新しい仲間も加わり、寄席、大喜利の舞台を作り上げ、大盛況に終わった。「ほとんどが素人でしたが、声出しから練習して、やるからには本当に楽しませる落語にこだわって行いました」と振り返る。

今の岡﨑さんの目標は、研究会で学んだことを、社会で十分に生かせる道をみつけること。研究会での経験はどんな社会や仕事でも勝負できるはず、とこれまでの活動に自信をみせる。社会人になっても図書館の良さを広めていけるような図書館研究の活動も続けたいと話し、「図書館との縁は一生切れないと思います」と微笑んだ。

PROFILE

岡﨑悠馬さん

滋賀県立東大津高等学校(滋賀県)卒業。両親が本好きで、図書館に行くのが当たり前、という環境で育つ。高校時代は放送部に所属し、校内放送研究発表会で全国大会に出場。趣味は、読書と、近所の緑のある場所や電車に乗ってふらりと降りた商店街や路地裏などへの散策。

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