グライダーで4年ぶりの全国大会出場、そして、国際滑空記章銀C章を獲得
2018年3月、体育会航空部は4年ぶりの「全日本学生グライダー競技大会」への出場を果たした。その出場に大きく貢献し、低迷していた航空部を立て直してきた、岡持さん。 2018年2月には、滞空時間5時間、獲得高度1000m、50キロの距離飛行をクリアし、国際滑空記章銀C章を取得した。大学在学中に国際滑空記章銀C章を取得したことは、関西でも10年ぶりの快挙だ。
友人との約束「全国大会出場」を目指して
岡持さんは、高校まで打ち込んできた野球で全国大会出場を果たせず、大学では「何かのスポーツで全国大会に出場しよう」と友人と目標を立てたという。そして入学後に出会ったのがグライダーだった。体験搭乗会で、「いつもの景色がこんな風に見えるんだ」と興味を持ち、航空部に入部。2回生のときには、選手として大会にでるまでに実力をつけていったが、部員も少なくなり訓練回数も減っていた。2回生の10月、監督から主将を任された岡持さんは、「目標は全国大会出場。そして、部員に『自分たちの手でグライダーを飛ばそう』という気持ちを持ってほしい」と考えた。グライダーを自分たちで飛ばすためには、機体係やウインチマン、ピスト(運行指揮者)など、7つの係の認定を学生航空連盟などから受ける必要があるが、岡持さんが主将になった当時は、どの係の認定も受けられていなかった。指導してくれる先輩がいなかったため、他大学の合宿に参加させてもらうなど、練習を重ねた。部員の意欲も徐々に高まり、2017年には部員も24人に。そしてなんとか7つの係も認定された。
5年ぶりにDISCUS飛行へ
航空部に2機あるASK23とDISCUSのうち、高性能機であるDISCUSは、耐空証明書を取得している人がおらず、飛行することができていなかった。岡持さんは、より距離が長く飛べるDISCUSを飛ばしたいと、耐空証明書を取得。そして、2017年2月、DISCUSは5年ぶりに、学生の手で空を飛ぶことができた。
上昇気流を捕まえてどれだけ遠くにいけるか、フライト後には、距離や速度、時間などさまざまなGPSのデータから研究を重ねることも楽しさの一つだと話す岡持さん。3回生で国内滑空記章銅章を取得していたが、学生時代に国際滑空記章銀C章を取得していた監督や、ダイヤモンド章を取得しているコーチの姿を見て、自分も国際大会に出場できる国際滑空記章銀C章を取得してみようと思うようになり、海外での遠征で訓練を重ね、見事銀C章を獲得した。
現在は、研究の合間に、グライダーの操縦士の教育証明を取得するため、東海関西学生航空連盟で月に1度訓練している。「国際滑空記章の金章、ダイヤモンド章を獲得し、いつかは世界選手権へ出場したい。世界の人と比べるとまだまだ飛行時間が足りないので、もっと訓練しなければ」と、次は世界の空を目指している。
PROFILE
岡持景太さん
愛知県立岡崎西高等学校(愛知県)卒業。石川伊吹教授の研究室に所属し、地域交通についての研究に取り組む。小学3年生から高校までは、硬式野球に打ち込む。趣味はスポーツ観戦。2回生の10月から約2年間、体育会航空部の主将を務める。航空部では、機体係とピストを担当。2015年3月、アメリカにて自家用操縦士(上級滑空機)資格を取得。