6月に開催された「第30回全国大学弓道選抜大会」で、弓道部女子団体が12年ぶり2度目の優勝を果たした。チームを率い、自身も"落(最終者)"を務め優勝に大きく貢献した女子弓道部主将の宮本さんは、「相手校と同点になると行われる同中競射で競り勝ち、優勝を手にしました。同中競射は精神的にも肉体的にもすり減らしながら戦うことになるので、日頃から同中競射になることを想定した練習をしたことが今回の優勝に繋がったと思っています」と大会を振り返る。

小さい頃に家族の影響で弓道を知り、「弓道は努力が実りやすいスポーツだと思いました」と話す宮本さん。"再現度の高い射を練習すれば的に中る(あたる)"という思いで、中学生の頃から、夜も休まず自主練習を行っていた。そんな中、一緒に練習を始めた友達が自分よりどんどん上達し、「自分には弓道のセンスがないのかな」と思うこともあったという。それでも諦めずに毎日練習を続けた結果、その技の美しさを評価され、中学生の時、県で一人しか選ばれない射道優秀賞を受賞することができた。「自分がこだわり続けた弓を引く姿を評価してもらい、正に努力が実りました」と、その当時を振り返る。大学では、弓道部の同期から「自分が後悔しないくらい頑張ることが一番大事だと思う」という言葉をもらったことで、試合で思い通りに的に中らないことがあったとしても、「また自主練習を頑張ろう」と前向きに思えるようになったという。

全員で戦いたい

「女子弓道部はまだ発展途上。部員全員が試合に出て、全員が士気を高め戦う姿勢を作りたいです」と話す宮本さん。弓道の団体戦は3人と補欠1~2人で戦うが、試合に出るのは同じメンバーが多くなりがちだそう。誰が試合に出ても高いレベルで結果を残せるような部にするために、「試合のときは誰も助けてくれないので、自分の射に対する理解を深め冷静に対処できる力をつける必要があります。そのために、指導をする時は『今のどうだった?』と本人に考えさせるような形をとるようにしています」と、指導者としても指導方法を工夫しているという。

優勝したことでさらに気を引き締め、一部昇格を目指す

女子弓道部にとって大きな大会は、「全国大学弓道選抜大会」、「全日本学生選手権大会」(以下:インカレ)、「日本学生弓道王座決定戦」(以下:王座)の3つ。王座は、北海道・東北・関東・東京・北信越・東海・関西・中四国・九州の9地区の一部リーグ優勝校と、インカレ優勝校が出場できる大会のため、二部リーグにいる立命館にとって、現段階では8月のインカレで優勝する以外に王座へ出場する手段はない。宮本さんは、「インカレ優勝も大事ですが、10月頃に行われるリーグ戦でまずは一部に昇格することを目指しています」と、全国大会で優勝できたという自信を力に変え、次の試合に備えチーム全体で日々努力を続けている。

PROFILE

宮本咲良さん

鹿児島県立加治木高等学校(鹿児島県)卒業。弓道部所属。趣味はカフェ巡り。休日にしていることは買い物やアルバイト。臼井豊教授のゼミで民法を学び、「忘れられる権利(インターネット上の個人情報等を削除してもらう権利)」について研究中。

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