2019年2月、大阪いばらきキャンパスで「互いに応援し、刺激し合える関係への第一歩に」をコンセプトに、初の「体育会体育祭2019」が開催された。企画を立ち上げたのは、チアリーダー部で応援渉外を担当する藤高さんだ。体育会本部、AVA (Athlete Volunteer Association)の協力を得て、当日は16の団体から260人もの学生が参加し、大縄跳びや三人四脚リレー、玉送りなど、さまざまな種目を実施。団体の垣根を超え、大きな声援が飛び交うなど、各種目大きな盛り上がりをみせた。

応援により活気を

応援渉外として、体育会の応援活動の調整などを行ってきた藤高さんは、体育会の勝利に貢献できる応援はどんなものか、応援団が応援しやすい環境をつくるにはどうすべきか考える中で、他大学と比べると、応援団に活気がないと感じていた。「応援団を活気づけ、応援に熱をいれてもらうには、知らない人を応援するよりも、友人や知人がいれば、自然と応援にも熱が入るのでは」と考えた。さらに、体育会同士の応援し合う関係をより強めていきたいという思いからこの企画を立ち上げた。

初開催の大きな不安を抱えて

2018年10月、体育会本部とAVAに呼びかけ、チアリーダー部や応援団吹奏楽部の学生ら14名の有志と運営委員会の組織づくりを始めた。組織は企画、運営、広報、データ管理担当に分かれ、藤高さんは、全体統括と大学との連携などを担当した。11月、12月とミーティングを重ね、「全員で楽しめるもの」を念頭に競技種目を決め、次年度以降もそのつながりを生かしていけるよう、学年対抗で開催することにした。各団体へ参加の呼びかけを行ったり、競技の振り分けなど準備を進めていったが、人数の変動も多く、準備はとても大変だったという。しかし、準備の苦労よりも初めての開催という不安のほうが大きかった、という藤高さん。「多くの学生が集まってくれるのか、指示でみんなが動いてくれるか、当日の運営がうまくいかず、つまらない思いをさせたらどうしよう」など、不安だらけだったという。「全員に楽しんでもらいたいと一心で企画したので、楽しんでもらえなかったら、という不安で一杯でした」と振り返る。何度もやめようか、と心が折れそうになったこともあったが、「小さくてもいいから形に残して、来年につなげられるよう、最後まで諦めずにやり通そう」という気持ちを常に意識していたという。

「開会式では、団体ごとに固まっていましたが、閉会式では、団体関係なくみんなが一緒になり、集まっていました。その様子をみたときは、体育祭を通してつながりがつくれたと思い、嬉しかったです」と明るい笑顔を見せた。また、参加した多くの学生から「楽しかった、また来年も企画してほしい、別団体の学生と体育祭で知り合い仲良くなれた」といった声を聞き、よい影響を与えることができたと実感しているという。今後は、交流会や応援歌練習の企画などを行っていく予定だ。「応援団全員がプロ意識を持ち、部員たちが楽しい、応援に行きたい、と思えるようなチームにしていきたいです」と応援への熱い思いを語ってくれた。

PROFILE

藤高春奈さん

千葉明徳高等学校(千葉県)卒業。高校からチアをはじめる。2017年には、日本代表に選出。「第9回チアリーディング世界選手権大会」男女混成部門で金メダルを獲得。「JAPAN CUP 日本選手権大会」での日本一を目指すため、6月に行われる関西大会に向け、日々練習に励んでいる。

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