2019年1月「香港杯全日本大学学生大使英語プログラム(以下、香港杯)」が開催され、100人を超える応募者の中から予備審査を通過した15人が、6分間の英語でのプレゼンテーションを行う最終審査に臨んだ。「朝の飲茶、早朝ラジオ体操など、お互いの良い習慣を取り入れるプログラム」を提案した児玉邦宏さんが、そのプログラム内容やプレゼン力、英語力が高く評価され、優勝を果たした。「大学のさまざまな学びが結果として実を結び、大学生活の中で、ひとつの区切りとなりました」と感慨深く喜びを語ってくれた。その言葉からは、彼の大学生活での多くの学びや挑戦、積み重ねてきた努力があったのだ、と強く感じた。

海外への強い関心が転籍のきっかけに

児玉さんは、産業社会学部現代社会専攻に入学。当時は、英語や国際関係に特段興味があったわけではなかった。そんな彼にとって大きな転機となったのは、2回生になって参加した、「オナーズプログラム(国際社会で活躍する人材養成特別プログラム)」だ。「学部や学年という垣根を越えて多様な学生が集まっていて、面白そう」と思い、参加した。そこで、岡本行夫客員教授の話を聞くうち、世界スケールで働くことの意義を学び、海外に興味を持ち始めたという。2回生の10月からは、短期留学生をサポートするRSJPバディの活動も始め、2月には、オナーズプログラムのアフリカ・ケニアでの海外研修にも参加した。海外への関心はさらに高まり、「外交や政治史ついて学びたい」と考えていた児玉さんは、国際関係学部への転籍を決意した。

産業社会学部と国際関係学部の学びを生かして

3回生から国際関係学部へ転籍した児玉さんが、香港杯に応募したきっかけは、学内で見つけたチラシだった。RSJPバディで知り合った香港出身の留学生の友人から、さまざまな話を聞き、香港に興味を持っていたことが、応募を後押しした。学部で国際文化なども学ぶうち、国境を越えた文化のつながりに興味を持っていた彼は、友人から聞いた香港の飲茶や日本のラジオ体操という習慣と産業社会学部で学んだコミュニティ形成に関する知識を生かしたプログラムを提案した。

香港研修で感じた世界の大きさ

3月には、香港杯の上位4人が参加できる13日間の香港研修に参加。香港の政府機関への表敬訪問や、世界的にも評価の高い香港中文大学の寮に滞在し、香港中文大学の講義や大学イベントに参加するなど、学生との交流も行った。香港中文大学には、世界中から学生が集まっており、グローバルな環境に刺激を受けたという。「さまざまな文化が融合して、世界が動いていること、世界の流れや勢いを香港の街や学生から感じました。世界のスケールの大きさを学び、自分もその一員として、世界のさまざまなものを見てみたいと思いました」と香港での研修を振り返る。今後1年間、香港学生大使として香港をPRし、香港と日本をつなぐ役割を担っていく。

目標は世界での活躍

卒業後の目標を尋ねると、「公の精神を忘れず、海外と関わる仕事に惹かれている」という児玉さん。香港大使としての経験なども生かし、外交や国際分野に関わることを目指している。「1回生の頃は、全くそんなことを考えてもいなかったですが、今では、世界に出て、いろいろな国を繋ぐ仕事がしたいです」と力強く語った。

PROFILE

児玉邦宏さん

東海高等学校(愛知県)卒業。中学、高校時代は、剣道部に所属。衣笠体育館のジムでランニングや筋トレなど、運動することが日課。大学1回生の頃から、京都学生広報部に所属し、WEBで全国の中高生に京都の魅力や京都の学生生活の魅力を発信する活動に取り組む。3回生では、「薮中塾グローバル寺子屋」の4期生として学び、現在も共同運営代表として活動継続中。立命館大学オナーズプログラムでは、現在TAとして、引き続きプログラムに関わる。益田実教授の欧米政治外交史ゼミで、今後「戦間期におけるイギリスからアメリカへの覇権の移行」について研究する予定。

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