公認会計士試験は3大国家試験の1つに数えられ、会計に携わる資格の中で最高峰の資格といわれる。この試験にスポーツ健康科学部(以下スポ健)で初めて、そして大学3回生で合格したのが原田大地さんだ。

1回生のとき、先輩に簿記入門の授業をすすめられ、順調に簿記3級に合格した原田さん。しかし簿記3級では履歴書に書けるレベルではないと知り、2級合格を目指すことに。エクステンションセンター主催の講義を受講し、簿記2級も無事に一発合格。「2級合格後、講師の方からスポ健で公認会計士合格者がまだいないので、『スポ健の星になってみないか?』と勧められました。そのとき、それって単純にすごいかっこいいなと思ったんです」と、知的好奇心が旺盛な原田さんは、公認会計士を目指す決意を固めたという。普通なら、簿記1級を取得してから公認会計士に挑戦するのが王道だが、原田さんは2級で簿記の基礎は学んでいると考え、1級を受験せずに最短距離での公認会計士合格を目指したのだ。

勉強時間は累計3000時間以上。モチベーション維持の特効薬は、仲間の存在

毎日、正課の授業後に実施される講義を受講し、空きコマや通学時間も自習したりと勉強漬けの日々がスタート。サークルもバイトも辞めて資格取得のための勉強に全力を注いだという。「自習室で一緒に勉強している仲間がいたからこそ継続できたと思います。また、学部の友達にも『おれ、公認会計士になるねん!』と宣言していたので、引くに引けなかったところもありますね」。モチベーションを保つのが大変だったというが、その宣言が原田さんのやる気を奮い立たせたのだ。周りのみんなが応援してくれる、その気持ちに答えるために必ず合格すると強く思ったという。

2回生の12月に受けた公認会計士の1次試験は残念ながら不合格だったが、その結果で勉強にも拍車がかかった。3回生の5月には1次試験に無事合格、そして8月に実施された2次試験にも合格し、見事、宣言どおり公認会計士の資格を勝ち取ったのだ。「正直、合格する自信は全然なかったです。合格を知った瞬間は、周りの人に対する感謝の気持ちが自然と芽生えてきました」原田さんの勉強時間は累計3000時間以上に及んだという。

会計士の知識を生かして、事業を興したい

「残りの大学生活は色々なことにチャレンジして、視野を広げていきたいですね。また将来は、気心知れた仲間といっしょに事業ができればと考えています。仲間には最高の広告を作ってもらう。最高の演出を考えてもらう。最高のデザインを描いてもらう。僕がそれ以外をすべて引き受け、お金を生み出せるようにサポートしたいです。それでみんなと喜びを分かち合えたら楽しいだろうなと思います」と意気込む。利益を求めて働くのは勿論だが、事業内では和やかな雰囲気で仕事がしたいという。「心のゆとりがあると、お客さんが望む最高の作品を提供できるのではないかと期待しています」今まで支えてくれた仲間に恩返しするように、仲間の支えになりたいと語る。その光景を想像している原田さんの目は、きらきらと輝いていた。

PROFILE

原田大地さん

大阪市立高等学校(大阪府)卒業。高校のサッカー部の監督が理論的に指導しくれたのがきっかけで、スポーツ健康科学に興味を持つ。真田樹義教授のゼミに所属し、生活習慣病と自己効力感について学んでいる。今夏のカナダへの短期留学に向け、英語の勉強に励んでいる。

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