2019年6月に開催された「FIH・シリーズ・ファイナル 女子ホッケー 8ヵ国 国際大会 in 広島」(以下、FIH・シリーズ・ファイナル)にシニア日本代表「さくらジャパン」のメンバーとして初の公式戦出場を果たした体育会ホッケー部(女子)の浦田さん。第3戦目のメキシコ戦では、コーナーのセットプレーから日本代表として初得点を獲得し、特別な試合となった。フィジカルを生かした勢いあるプレー、ディフェンスラインからの積極的な攻撃参加が持ち味だ。そして、強いストロークと、ペナルテイコーナーからのシュートを武器に活躍し、今年2月にシニア日本代表候補に選出された立命館大学のエースだ。

ついに掴んだシニア代表候補のチャンス

浦田さんは、高校3年生からU-18日本代表に選出され、大学入学後はジュニア代表として活躍してきた。そして、ついに今年、シニア代表「さくらジャパン」の候補選手に選ばれ、「驚いて、信じられなかった。ホッケーを始めたときから、日本代表になりたい気持ちがあったので、嬉しかった」と喜びを語る。しかし、それと同時に「シニアは、オリンピックレベルの代表のため、ユースやジュニアと違い代表としての重責を感じた」という。

4月に日本代表として、チリとのテストマッチに出場後、「FIH・シリーズ・ファイナル」は、初の公式戦であり、緊張はしていたものの、海外の選手とプレーできる機会が楽しみでもあったという。「緊張感のある雰囲気にのまれそうになったが、メンバーに選ばれたからには、自分の持てる力を思い切り出し切ろうと開き直れた」と語る。全5試合に出場し、「試合を重ねるごとに自分らしいプレーができ、決勝トーナメントでは思い切って前にでることもできた」と初の国際大会を振り返る。

15年ぶりの大学王座で優勝に貢献

大学チームとして出場した7月の「第38回全日本大学ホッケー王座決定戦」では、山梨学院大学との決勝戦で浦田さんのゴールで先制した1点を死守し、15年ぶりの優勝を果たした。「自分の在学中に優勝ができ、とてもいい経験になった」と笑顔をみせる。国際試合直後の大会だったこともあり、世界レベルの選手たちとの対戦経験が生き、相手選手のスピードにも余裕を持ってプレーすることができたという。

チャレンジャーとしての意気込み

大学チームでプレーする際には、「日本代表」というプレッシャーを感じることもあるという。しかし、「常に積極的にプレーしていくことが大事なので、恐れずに挑戦したい」と強い思いを持っている。「今年からシニア代表に選ばれた私は、チャレンジャー。失敗を恐れずに、どんどん積極的にプレーしていきたい。自分の強みであるコーナーからのセットプレーを生かし、大事なチャンスでどれだけ得点できるかが目標」と力強く語った。日本代表チーム、大学チームでの経験や学びを生かし、さらなる成長が期待される浦田さん。これから日本代表として、生き生きと活躍する姿がみられることだろう。

PROFILE

浦田果菜さん

羽衣学園高等学校(大阪府)卒業。姉の影響を受けて、中学生からホッケーを始める。高校時代は、MFとして活躍し、高校3年生からDFに変更。大塚陽子教授のゼミに所属し、認知症患者に対する地域政策について研究する予定。映画や音楽が好きで、特に好きなアーティストは、「ONE OK ROCK」。

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