体育会学生のストーリーをWEBで発信

人一倍の情熱で、体育会学生の思いに寄り添い、その声を伝える活動に取り組んでいる立命館大学AVA(以下、AVA)広報部の野村健吾さん。彼自身も高校までサッカー部の強豪校で、レギュラーとして活躍してきたスポーツマンだ。野村さんは、体育会に所属する学生のエピソードを紹介するAVAのホームページ企画「Beyond -大学体育会のその先へ-」を立ち上げ、一人で取材し、記事を発信している。週に1人のペースで記事を更新し、取材で忙しく飛び回る日々も「楽しくて仕方がない」と、充実した表情で彼自身のストーリーを語ってくれた。

※立命館大学AVA(Athlete Volunteer Association)
「共者、共学、共栄」を理念に地域の清掃活動や、祭りへの参加、体育会学生に向けたセミナー、試合の集客など、幅広い活動を行っている学生団体

イベントを通して、体育会学生のキャリア支援を

2回生の時、他大学の友人が立ち上げた当時の学生団体「アスリートユースサミット」が開催したイベントへの参加が、体育会学生をサポートするきっかけになった。アスリートユースサミットは、体育会学生が所属クラブ以外のネットワークを築くことを目的に、さまざまなイベントの企画運営を行っていた。そのイベントで、体育会に所属する学生、過去体育会に所属していた学生が、スポーツに打ち込みながらもやりたいことに挑戦している姿に刺激を受け、野村さんも運営側として関わることにした。イベントの企画を通してキャリア支援にも取り組み、3回生の秋には、責任者として一つのイベントを成功させることができた。活動するうちに、「もっと体育会学生に寄り添い、どんな思いで4年間を過ごしているのか、普段の悩みや泥臭い部分も含めて、体育会学生のことを伝えていきたいという思いが強くなっていきました」と当時を振り返る。そんなとき、前代表から誘いを受け、AVAに所属することを決めたという。

取材を通して力をもらえる

2019年3月、AVAに加わった野村さんは、パンフレットやホームページ制作に取り組み、9月から本格的に「Beyond」企画がスタートした。初めの1カ月は、すべてが手探りだったが、取材した学生や野村さんの活動を知った友人からの紹介もあり、取材は順調に進んだ。「1時間のインタビューの中で、相手の思いが伝わってきて、こみ上げてくるものがあります。自分ももっと頑張らなければいけない、とモチベーションがあがります」と話す。「時には、自分の文章で相手の思いを伝えられているのかな、と不安になったりすることもありますが、インタビューした学生が大会時に連絡をくれたり、母校の先生や家族に記事を紹介してくれたりするので、とても嬉しいです」と笑みをこぼした。「Beyond」は、多いときには、1万件ものアクセスがあり、嬉しさと同時に責任も感じているという。

引き継がれる思い

「一般の人や体育会学生、高校生などたくさんの人に見てもらい、立命館の体育会がもっと盛り上がるひとつのきっかけになってほしいです。そして、一般の学生にも体育会に関心を持ってもらい、つながりをつくっていきたいです」と語る。卒業まで全力でAVAの活動に取り組んだ後は、後輩たちにバトンを渡す予定だ。野村さんの書く記事に込められた体育会学生と野村さんの熱い思いは、きっと読む人の胸に届くことだろう。

PROFILE

野村健吾さん

星稜高等学校(石川県)卒業。木下明浩ゼミに所属し、卒業論文では『生命保険の販売チャネルの今後の展望』について執筆。温泉とランニングが趣味で、毎日10キロのランニングを欠かさない。

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