新型コロナウイルス感染症の拡大期間中、キャンパスで学生同士が交流し、学び合う機会が大きく制約されてしまった。衣笠キャンパス(以下、衣笠)、びわこ・くさつキャンパス(以下、BKC)、大阪いばらきキャンパス(以下、OIC)の国際交流や言語学習などを中心としたグローバルコモンズ「Beyond Borders Plaza(以下、BBP)」も、そのひとつ。

学生ピア・サポート団体「BBPスタッフ」は、BBPを学生に広く知ってもらい、足を運びやすい空間を作る取り組みのほか、国籍・言語・その他さまざまな垣根を越えた交流や海外留学や語学力向上を目的としたイベントを企画・運営し、学生同士の学び合いの場を提供し、支援している。メンバーは、衣笠26人、BKC18人、OIC16人の学部生・院生で構成され、留学生は合計16人が参加している。
緊急事態宣言後、BBPスタッフはキャンパスでの活動が困難ななか、自宅にいながら文化や言語、海外留学を身近に体験できるオンラインイベントを実施。各キャンパスで中心となって活動する3人の学生に話を聞いた。
オンラインイベントの内容は、キャンパスごとにさまざま。衣笠では新入生を対象とした「おしゃべり会」「フォトコンテスト」や「ゲストスピーカーによる講演会」「バーチャルゲーム交流イベント」、BKCでは「BBPコンサルタント」や「韓国語交流会」「VRゲーム」など。OICでは、昨年から毎月1回「Culture talk with Coffee」と題して、ドリンクを飲みながら、自国の文化や習慣を語り合うイベントや「ラジオぷらざねくすと」「OIC BBPつながるプロジェクト」を実施。運営メンバーそれぞれがオンラインで知恵を出し合い、国際教育センターや言語教育センターの教職員とも定期的にミーティングを行い、試行錯誤を重ねた結果、BBPスタッフ主催のイベントには合計637人の学生(参加および交流イベントに限る)が参加した。

「スタッフ同士で助け合い、イベントの量も質も向上することができました」林真滉さんは「BBPコンサルタント」のイベントリーダーを務め、昨年までのBBPスタッフの経験から、メンバーの役割や連携、タスクを明確にし、振り返りミーティングなどを行い、2週間で計6回のイベントを開催した。
久保歩未さんとZHANG Xinyuさんは、誰でも気軽に参加でき、「どこにいても、いろいろな人と会える」オンラインの良さを語ってくれた。また、少人数に分かれたディスカッションを取り入れることで、より対面に近い状況を生み出せたという。

3人がBBPスタッフを始めたきっかけは、「他学部の学生と交流したい」「国際交流がしたい」「BBPをもっと活用したい」など。OICのBBPスタッフ初期メンバーであるZHANGさんは、BBPスタッフでの経験を通して、語学力が向上したほか、内気な性格を克服し、積極的に人と交流できるようになったと話す。また、林さんは、物事の見方や人への伝え方を工夫する力が身に付いたという。久保さんは、「文化や習慣など“異なること”に興味を持つメンバーが集まるBBPスタッフだからこそ、スタッフ同士もそれぞれの個性を受け入れ、柔軟に活動できている」と話す。

「BBPは自由に言語や文化、習慣を共有できる空間、また楽しく学べる空間であり、さまざまな場面で頑張っている人が集まる場所。今後は、3キャンパスのBBPスタッフが連携した企画の実施や、オンラインでの活動をさらに工夫したい」と、3人は語ってくれた。BBPスタッフは、活動を通して自らの成長につなげるとともに、いつでも・どこでも・誰でも参加できる、学び合いの場の創出に向けて今後も挑戦していく。

PROFILE

久保歩未さん

兵庫県立長田高等学校卒業。趣味は映画鑑賞と美味しいものを食べること。休日は趣味の時間にあてるなどゆっくりと過ごしている。本年度より神戸大学応援団総部吹奏楽部にも所属。

林 真滉さん

関西大倉高等学校卒業。漫画や映画、アニメが趣味。休日には自転車で散歩に出かけたり映画を観て楽しむ。学部ではデータ工学研究室でデータサイエンスについて学んでいる。情報理工学部の留学生支援団体「FSS」や、よさこい京都チーム「櫻嵐洛」にも所属。

ZHANG Xinyuさん

Tianjin Foreign Languages School(中華人民共和国)卒業。趣味は料理と日本アニメを観ること。時々ダイビングにも挑戦。一人でグルメ巡りに出かけることもあり、最近の休日は新しい料理を作って楽しんでいる。家でのんびりとアニメや映画を観ることも。

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