日本でのラグビー人気が高まる中、ラグビーアジアチャンピオンシップ2016日本代表に古川さんが選出された。立命館大学在学中の選出は2人目で、出場してキャップ獲得は初であり、代表デビューを果たした。

代表では、日本のトッププレーヤーからラグビーに対する姿勢やリーダーシップのとり方などを学ぶ

2試合に出場し緊張はしなかったというが、国歌斉唱のときは日本代表ということを実感し、夢が叶い嬉しかったと笑みをこぼした。柔軟な体から繰り出す低いタックルで、自身より大きな選手を倒す、そこがラグビーの醍醐味だという。また、そのタックルが評価され代表に選ばれたのではと分析する。今回はアジア相手だったが、自分のプレーが海外でも通用したことは大きな自信にも繋がったと同時に、圧倒的なフィジカルの差を痛感。178㎝、86㎏とラグビー界では小柄で、高校時に比べ大きくなったとはいえ、まだまだ強化していく必要があるという。

4戦全勝で優勝し幕を閉じた日本代表生活は、すぐにワールドラグビーU20チャンピオンシップの代表生活に変わった。U20代表の監督に、「古川しかいない」と言わしめ主将に抜擢。代表での主将は初経験だった古川さん。今回は代表としての準備期間が短く、チームのモチベーションを高め、まとめることに苦労した。またチームが全敗し、自分の無力さを痛感した大会だったという。「結果が残せず降格(※)という結果になり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。この悔しさをバネにして、自分たちが第一線で活躍する姿を見せることが関係者への恩返しだと思います」。この数カ月で歓喜と挫折を味わった古川さんは、しっかりとした話し方で振り返ってくれた。(※参加12チーム中最下位となった日本は、来季同チャンピオンシップで戦う権利を失い、下部大会であるワールドラグビーU20トロフィーへ降格する。)

目指すは世界最高峰リーグのスーパーラグビーへの参戦!

幼少時、活躍すると褒められるのが嬉しくて、自然にのめり込んでいったラグビー。負けず嫌いな性格が功を奏して、現在まで続けてこられたという。兄の背中を追うようにラグビーの名門東福岡高校の門を叩き、3年時には主将として春の全国高校選抜大会で2年ぶりに優勝、また全国高等学校ラグビーフットボール大会でも3年ぶりにチームを日本一へ導いた。

立命館を選んだ理由は施設環境の充実、そして、全国での経験も豊富なチーム力に魅力を感じたから。「自分のポジション専属のコーチもいて客観的な意見を聞くことができプレーの幅が広がった。仲間からもすごくいい刺激を受けています」。ラグビーを通じて大事にしていることは、周りの状況を把握し、学年関係なくグランド内外での仲間と意思疎通を図ることと話すように、周りから得たものは、彼自身も周りに与えるという信念を持ち続けている。

「立命館の魅力はディフェンス力。自分の強みも低いタックルを活かしたディフェンスなので、ぜひ、注目してほしい」と声援を力に変えて今シーズンの優勝を目指す。また2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップも視野に入れている。「その時にはもちろん頂点で活躍している選手であり続けたい」と目標を掲げる古川さん。世界を舞台に、小さなタックラーが海外選手を食い止める気迫溢れるプレーを楽しみにしたい。

PROFILE

古川聖人

学校法人東福岡学園 東福岡高等学校(福岡県)卒業。父、兄の影響で4歳からラグビーを始め、中学校まで北九州の名門鞘ヶ谷ラグビースクールでプレー。高校2年でU17日本代表にも選出。3年時は、春の全国高校選抜大会優勝、全国高等学校ラグビーフットボール大会での優勝に加え、7人制ラグビー全国大会でも優勝を経験している。現在は金丸裕一ゼミに所属し、近現代中国史を学ぶ。

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