昼休みの衣笠キャンパス西側広場、多くの留学生と学生が見守るなか、さまざまな団体がパフォーマンスを披露していた。今回初めて開催された、この9月入学者歓迎企画を考案したのが髙井さんだ。

8月末、大学の学生オフィスの職員から「9月入学者に課外自主活動(以下:課外)の魅力を伝え、参加を促すきっかけとなるイベントができないか」と相談を受け、この企画を考えた。高井さん自身、課外支援の活動を行なっている一人。「学生一人ひとりの個性が輝く、魅力あふれる課外を団体の近くで支えたいという思いで日々活動しています。もっと課外の魅力を知ってもらいたい、新しい企画を創出したいと考えていたので、良い機会になればと思いました」

開催まで期間は1カ月。「周知する期間が十分になく、賛同してくれる団体が集まるか、無事に開催できるのか不安で仕方ありませんでした」。そこで、参加募集要綱のクオリティにこだわった髙井さん。学園祭運営を担う学生団体である特別事業部のメンバーにアドバイスを受けながら、納得できる要綱を完成させた。その努力が報われ、最初は2日間開催できればいいと思っていた企画だが、賛同してくれる団体が予想以上に集まり、4日間開催することができたのだ。

もう一つのこだわりは、二カ国語対応。4月入学者に比べ、9月入学者は留学生の比率が高いからだ。開催告知チラシは片面ずつに日本語と英語で記載。また、留学生がランチを食べながらリラックスして見てほしいと考え、日本語と英語での司会はもちろん、団体の方にも日本語と英語で団体紹介を依頼したという。「司会の立命館放送局(以下:RBC)の二人、また、団体のみなさんには感謝しかありません」

0から1を生み出す喜び

やれることはやり切り迎えた初日。「まだ認知度が低く、観客の数も少なくて不安な気持ちは拭えませんでした」。しかし、留学生と一緒に西側広場でランチしてもらいパフォーマンスを見てもらうよう留学生支援団体TISAに依頼するなど努力は続け、その後に期待を膨らませた。2回、3回と重ねていくと観客も増え、留学生も30人近くになったという。その光景を見て、「諦めずにやってよかったと思いました」と喜びをかみしめた。

参加団体には会場でのリハーサルもなくパフォーマンスしてもらったが、「大きなトラブルもなく、普段さまざまなステージで披露している団体のみなさんの完成度の高いパフォーマンス力に驚きました」と振り返る。また、衣笠キャンパスは近隣住民への騒音の配慮も必要となる。1回生のときから学園祭ステージの企画や運営をしていたが、音響に関しては素人。RBCから音響についての専門知識も習得し、当日は髙井さん自身が騒音調査も行った。「みなさんのプロ魂に脱帽しました。初めての企画で、無事に開催できたのは協力してくれたみなさんのおかげです」とはじける笑顔を見せてくれた。

「これからは9月にも歓迎すべき新しい仲間がいることを知ってもらい、また、留学生だけでなく課外活動に参加したいと考えている学生も対象に、学生と団体をマッチングする企画を実施できる体制を確立したいです」。髙井さんが企画したこの9月入学者歓迎会が、今後、立命館の秋の恒例行事になることを楽しみにしたい。

PROFILE

髙井佳穂さん

四天王寺高等学校(大阪府)卒業。中学、高校と生徒会で積極的に活動。現在は、学友会中央事務局調査企画部長を務める。大学では法律について学びたいと考え、宮脇正晴教授のゼミで「知的財産と現代社会」について学ぶ。将来は、企業の発展に貢献できるような仕事に就きたいと考えている。

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