11月5日、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(以下:BKC)で、地域の子育て中のママさんと子どもたち、学生30名が一緒にバーベキューをしながら、子育てに関する意見交換を行う交流会「妻になること、母になること~子育て×BKC~」が行われた。この企画は、滋賀県主催の少子化対策学生プロジェクト事業で、地域の子育てをテーマに活動しているREFLE.が開催した。

熊本県益城町出身の上田さんは、熊本地震後、地域の人とのつながりの大切さを改めて実感し、地域と大学をもっと結び付けられる活動をしたいと考えていた。そんなとき、滋賀県主催の少子化対策学生プロジェクトの募集を知り、少子化という社会問題を通して地域とのつながりをつくっていこうと、2016年7月、上田さんの呼びかけに集まったメンバーとともにREFLE.を立ち上げ、プロジェクトに応募した。「これからの未来を担う大学生に、自分自身の問題として、近い将来経験するであろう就職や結婚、子育てについて考える機会をつくり、草津市の子育ての現状を知ってほしい」という思いから提案した企画は、プロジェクトに採択され、活動を始めた。

大学生に子育ての現状を知ってもらうために

さまざまな団体や企業が開催する子育てのイベントに参加し、自分たちが一緒に活動したいと思ったところに積極的に協力を依頼した。「子育て×シゴト」企画では、大学の「地域参加学習入門」の講義で学生300人を前に、企業の方と地域で子育てに関する活動している団体の方によるパネルディスカッションを行った。仕事は、就職を控える学生にとって身近なものであり、さらに子育てにとって欠かせないものであるため、人生の先輩に将来を語ってもらったのだ。別の回では草津市のママさんたちに子育てについて講演をしてもらい、学生たちに普段なかなか知ることのない子育てのリアルな体験談を聞く機会をつくった。

「子育て×料理」企画では、「しがのおいしいものを食べましょう」をテーマに料理研究家の方の協力を得て、NPO法人くさつ未来プロジェクトのママさんたちと学生が一緒に料理をして子育てについて語ってもらった。料理の合間には、学生と子どもが一緒に遊び触れ合う企画も実施した。

大学生ならではの行動力と発想力を生かして

大学生が「子育て」について取り組み、活動していることに対して、「なぜ大学生が子育てについて取り組んでいるのか」と驚きの声を多く聞くという。上田さんは、「少子化は社会問題です。だからこそ未来を担う学生がやる意味がある」と話す。REFLE.の活動をとおして、自分から積極的に動いて決断する力がより高まり、メンバーもその力をつけ成長してきた。「自分たちの個性を生かして、自分たちがやりたいことをやっているから、たとえきついことでも大変だとは感じない」という。滋賀県の少子化対策プロジェクトは今年12月で終了するが、REFLE.は、これからも食育や多文化、福祉といったさまざまな観点から地域の子育てに取り組み、大学内の団体や地域団体、企業と連携して活動をしていく予定だ。そして目指すキャンパス像もある。「BKC内で子どもが遊んでいたり、学食でママさんや子どもが食事をしていたりする光景がみられるようにもなってほしいですね」と笑顔で語った。

PROFILE

上田隼也さん

熊本県立熊本高校(熊本県)卒業。 特技のバドミントンでは審判の資格も取得。今年、2回フルマラソンを完走した。2016年4月から立命館大学EDGE+R(イノベーション・アーキテクト養成プログラム)に参加。また、農業に関する学生団体「agRits」の代表を務め、市民団体主催の草津のお土産を作るコンテストで入賞。現在、ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)育成事業に参入中。

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