立命館スポーツというドラマを切り取り、選手の「輝き」を伝え続ける~立命スポーツ編集局の熱い思い~
「集大成の仕事が写真展でよかった」。取材早々、多満城さんと成澤さんが満面の笑みで語ってくれたのが印象的だった。
立命スポーツ編集局(以下:立スポ)にとって初めての写真展が、2016年度の立命館大学体育会歓送会で開催された。写真を通じて2016年度の活動を振り返り、他団体の活躍、感動を共有することを試みた。また、フェイスブックにも写真を掲載し、好きな写真に「いいね!」をしてもらった。7部門それぞれのいいね!数上位写真には、撮影者のコメントも展示することにした。
「取り上げてくれてありがとう」「後輩の活躍が見れて嬉しい」と、写真展を見てくれた選手やOBから嬉しい言葉を聞くことができたという。「他大学の人も「いいね!」してくれたので、少しでも立スポの存在と立命館スポーツを広められたかな」と二人は振り返る。
感動を届けるプロフェッショナルに
立スポは、立命館体育会に所属する約60団体の試合会場に足を運び、活躍の瞬間を切り取り、学生目線で選手の声を引き出し、年6回の新聞発行やSNSで発信し続けている。活躍した団体をもっと多く紹介したいと、2016年度からはイラストレーターで作成した号外も発行している。
編集長を務めた多満城さんは、「写真も文章執筆も立スポに入ってから、見よう見まねで勉強しました。最初は撮影したのに、使える写真がないときもありました」と一瞬を切り取る難しさを語り、こう続ける。「試合を見ていない人にも選手の気迫、頑張り、感動が伝わるように、今では写真に収めるシーンの選び方や表現方法など工夫できるようになりました」
選手、チームに寄り添い、歩んできた3年間
試合は週末に集中することが多いため、担当団体のスケジュールを把握し「この団体の見せ場はこの日」「以前取り上げているので今回は見送り」など、効率良く取材に向かう。時には、掛け持ちで取材を行うこともあったという。「『今度の試合、来てくれる?』と聞かれるとついつい行ってしまい、99会場に足を運んでいました」と成澤さんは苦労を厭わなかった。「『立スポに来てもらえるとモチベーションが上がる!』と言われるのが嬉しい」。これが原動力だったのだろう。
「心を開いてもらうとよいコメントが引き出せるため、選手だけでなく、監督、学生スタッフ、ときには審判とも仲良くなることを心がけていました」という成澤さん。一方で「実は、人見知りの性格なんです」という多満城さん。しかし、二人のスポーツに対する思いは同じ。敗戦時のインタビューで感情移入してしまい、涙をこらえきれなかったという、選手の頑張りを見守り続けた二人だからこそのエピソードも明かしてくれた。
立スポならではの視点で、全ての立命館体育会の活動にスポットを
後輩の意見にも優しく耳を傾けた編集長の多満城さんと、積極的に自分の意見、解決案を出し、編集長をサポートしてきた成澤さん。この3年間、信頼しあい、選手とともに走り続けてきた。「記者と選手としてお互い新人だった同級生も最終学年。今まで応援してきた団体の有終の美を見届けたい。そして、後輩たちの取材の様子も見てみたい」。立命館スポーツのファンが増えるような後輩の活躍に期待を込めて、一ファンとして会場に足を運び、大声で声援を送る二人の姿が目に浮かぶ。二人の立命館スポーツを愛する気持ちは冷めることはない。
PROFILE
多満城沙耶さん
大阪府立四條畷高等学校(大阪府)卒業。幼少期、家族とJリーグセレッソ大阪の応援に行き、スポーツ観戦が好きになる。高校はバドミントン部に所属。大学では、権 学俊教授のゼミに所属し、スポーツとメディアについて学ぶ。将来は、スポーツの魅力を伝える仕事に就きたいと考えている。立スポの取材の後に応援に駆けつけるほど、現在のストレス発散はスポーツ観戦。
成澤郁美さん
福岡工業大学附属 城東高等学校(福岡県)卒業。ライターだった母の影響で写真好きになり、中学・高校では動物や植物を被写体にしていた。高校時、国際ボランティア団体に所属していたことをきっかけに国際開発に興味を持ち国際関係学部へ。現在は末近浩太教授のゼミで中東・イスラーム地域研究をしている。趣味はスポーツ観戦のほかに、世界遺産の写真や動画を見ること。