「地域の魅力+学生らしい視点」で、志摩市の魅力を発信する番組を制作
2016年8月、産業社会学部の金山 勉教授、中川雅夫講師の指導のもと、企画、撮影、ナレーター、編集まで学生が中心となり、「きんこ芋※」の紹介番組を制作するプロジェクトが立ち上がった。2017年2月に番組が完成し、プロジェクトの中心を担った阪本さんと三好さんは、「地域の人たちが私たちに依頼した一番のポイントである“学生らしさ”を最大限にいかした作品にすることを大切にしました」と活動を振り返った。
※サツマイモの一種「隼人芋」を使用した干し芋で、志摩市の郷土食として親しまれている
完成した番組は、志摩市のHPなどで放送されることが決まっていて、「多くの人に観てもらうことができる嬉しさと同時に、質のいい作品にしなくてはというプレッシャーも感じていました」という二人。どちらも、映像編集の授業を受講し、学内のデジタル施設・機器の利用と学生のクリエイティブな活動の促進を目指し活動している「D-PLUS」にも所属、マスコミ関係の仕事に興味を持っていた。「今は誰もが動画を制作できる時代」だからこそ、クオリティにはこだわったという。
妥協せずに突き進み、成果を生み出す
地域の人たちの思いが伝わるような作品にしたいと思いつつ、自分たちが感じたことを積極的に意見した。地域の人にきんこ芋オリジナルケーキをつくってもらったときは、何か物足りなさを感じ、再度レシピを考えてきてもらうように依頼した阪本さん。「2回目はバターを加えたケーキを考えてくださり、1回目に比べてきんこ芋の味が引き立ち、より美味しくなったんです!自分の直感を信じてよかったと思った瞬間でした」阪本さんはテロップなど細かな演出を考えるのが得意で、学生らしさ、親しみやすさを表現することに苦労を惜しまなかった。「この活動のコンセプトである学生発信の作品にするため、工夫してみんなの意見を引き出していたのはすごい!」と、三好さんは阪本さんの協調性を尊敬する。三好さんは立命館大学放送局(以下:RBC)に所属していた経験を生かし、撮影・編集能力を発揮。「三好さんには依頼して活動途中から参加してもらったんですが、専門的な技術、センスを持っているのですごく助かりました」と阪本さんは三好さんの才能を称えた。
「RBCでは映像と向き合うことが多く、今回のように企画から参加し、演出などを考えることは初めてでした。インタビューに関しては、『こう質問すればもっと違う言葉が引き出せたかな…』など、初めて気づくことも多々あり、貴重な経験ができました」という三好さんは、人と向き合い、新たな思考を養ったという。
葛藤と闘い、周囲からも高評価を得る番組が完成
今回の番組に収まりきらなかった画や、志摩市には他にもたくさんの魅力があり、どれを使用するかを選定し、全体的に1つの作品としてまとまりを持たせることが一番苦労したという。また、編集作業に没頭していたころ、周りの友達が就職活動を始める時期と重なり、「作業を優先したいけど、就活のことも考えなくては…という焦りも少しありました」と振り返る。しかし、連日、遅くまで作業し、納得いく作品を全メンバーで完成させたこの経験は、二人にとって多くの学びを得る好機となっただろう。実際、この動画を見て、他の課から動画制作の依頼があったという。その評価は、プロジェクトメンバーの頑張りが認められた証拠だ。今後の主な制作は後輩に任せるが、何らかの形で携わっていきたいと意欲を見せた二人。これからも、学生らしい、でも学生以上の作品をつくってくれることを楽しみにしたい。PROFILE
阪本茉優さん
奈良県出身。近畿大学附属高等学校(大阪府)卒業。浪田陽子准教授のゼミでメディア・リテラシーについて学び、2016年度産業社会学部ゼミナール大会で入賞。アカペラサークルとバドミントンサークルに所属。アカペラサークルでは歌だけではなく、ステージ演出、パンフレット作成など幅広く活躍している。趣味は、休日の雑貨・カフェ巡り。
三好翔太さん
京都府立南陽高等学校(京都府)卒業。以前から建築にも興味があり、現在は飯田 豊准教授のゼミでプロジェクションマッピングの歴史などについて研究。中学・高校とテニスに熱中。大学入学後はRBCに所属し、撮影・編集の技術を学んだ。現在はテレビを観て編集方法やテロップについて分析・研究をしている。