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セミナー報告:ケニア、トゥルカナ地方行政区における多層的な紛争と石油産業
講師:ケネディ・アガデ・ムクトゥ氏
京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科・客員教授
米国国際大学アフリカ校・准教授
6月18日、立命館大学恒心館において、標記タイトルでのセミナーを開催した。国際関係研究科とグローバルイノベーション機構(R-GIRO)との共催である。講師は、米国国際大学アフリカ校の准教授であり、現在、京都大学にて客員教授として滞在されているケネディ・アガデ・ムクトゥ氏である。参加者は50名ほどであった。
本セミナーは、ケニアのトゥルカナ地方行政区に関しての内容である。ムクトゥ氏は三年間、トゥルカナ地方行政地区で調査を実施しており、本セミナーでは、その内容について発表した。この地域では、石油発見以前から紛争が絶えないが、石油が発見されて以来、多くの問題が新たに立ち上がった。特にガバナンスおよび人間の安全保障にかかわる問題は深刻である。いかにそうした新たな問題が、いかに影響を与え合っているのか、そして、それらの問題が既存の紛争の動態といかに関わりあっているのかについて論じられた。ムクトゥ氏によると、石油開発は紛争をさらに深刻化させ、犯罪件数の増加ももたらす可能性がある。また、牧畜民の生業への支援が不在なことも重要な帰結をもたらしうるという。