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セミナー報告:少数民族保護の紛争後社会への影響-マケドニアを事例に

625()、衣笠キャンパス恒心館において標記タイトルの公開講演会を行った。講師は、大阪大学国際公共政策研究科特任准教授の中内政貴氏である。

本講演では、連戦終結以降、ヨーロッパ共同体(EC)や全欧安保協力会議(CSCE)が少数民族保護のための枠組みを提供してきたことを確認した後、マケドニアの事例を確認した。マケドニアでは、マケドニア系の多数派と、アルバニア系の少数派の民族融和が課題である。アルバニア系ゲリラと政府との対立が2001年に発生したが、国際社会の仲介によりオフリド枠組み合意が結ばれ、アルバニア系の地位向上が約束された。しかし、マケドニア系は合意の履行に積極的ではなく、アルバニア系も不満を抱いている。少数民族の保護が、規範として国民の間に内面化しているのではなく、押し付けられていることから、逆に対立を助長している側面もあることが指摘された。

講演会は、国際関係研究科と立命館グローバル・イノベーション研究機構の主催で行われ、共催として国際地域研究所「グローバル化時代の「民族・宗教紛争」と非伝統的安全保障に関する統合的研究」、「セキュリティ・ガバナンス研究会」が関わった。およそ30人の学生が参加した。

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