教員紹介
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哲学専修
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教育人間学専修
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日本文学・日本語学専修
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中国文学・思想専修
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英米文学専修
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日本史学専修
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東洋史学専修
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ヨーロッパ・イスラーム史専修
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文化動態学専修
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現代東アジア言語・文化学専修
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英語圏文化専修
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地理学・地域観光学専修
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文化情報学専修
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考古学・文化遺産専修
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その他
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伊勢 俊彦 教授
所属専攻:
哲学専修専門分野:
英語圏を中心とした近現代の哲学 -
加國 尚志 教授
所属専攻:
哲学専修専門分野:
西洋哲学 -
亀井 大輔 教授
所属専攻:
哲学専修専門分野:
現代フランス哲学 現代思想 -
鈴木 崇志 准教授
所属専攻:
哲学専修専門分野:
ドイツ語圏の現象学 -
谷 徹 特別任用教授
所属専攻:
哲学専修専門分野:
現象学、現代哲学 -
永守 伸年 准教授
所属専攻:
哲学専修専門分野:
近世ヨーロッパの哲学、倫理学 -
林 芳紀 教授
所属専攻:
哲学専修専門分野:
倫理学、応用倫理学 -
鵜野 祐介 教授
所属専攻:
教育人間学専修専門分野:
教育人類学、伝承文学 -
加納 友子 教授
所属専攻:
教育人間学専修専門分野:
コンテンプラティヴ教育、教育人間学 -
川那部 隆司 准教授
所属専攻:
教育人間学専修専門分野:
教育心理学、発達心理学 -
辻 敦子 准教授
所属専攻:
教育人間学専修専門分野:
臨床教育学、教育人間学 -
鳶野 克己 特別任用教授
所属専攻:
教育人間学専修専門分野:
教育人間学、笑い学 -
西村 拓生 教授
所属専攻:
教育人間学専修専門分野:
教育人間学、教育哲学、教育思想史 -
福原 浩之 教授
所属専攻:
教育人間学専修専門分野:
教育人間学、心理学 -
布山 美慕 准教授
所属専攻:
教育人間学専修専門分野:
認知科学 -
山本 昌輝 特別任用教授
所属専攻:
教育人間学専修専門分野:
心理療法、心理査定 -
有田 節子 教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
日本語言語学、日本語教育学 -
岡崎 友子 教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
日本語学、歴史的研究 -
小椋 秀樹 教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
コーパス日本語学、国語政策 -
川崎 佐知子 教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
日本古典文学 -
瀧本 和成 特別任用教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
日本近現代文芸(文学•芸術) -
田口 道昭 教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
日本近現代文学、近現代詩歌 -
内藤 由直 教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
日本近代文学・文化 -
中本 大 教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
日本中世文学、和漢比較文学 -
花崎 育代 教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
日本近現代文学、戦後文学 -
藤原 享和 教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
日本神話、上代歌謡 -
禧美 智章 准教授
所属専攻:
日本文学・日本語学専修専門分野:
アニメーション、日本近現代文学 -
石井 真美子 教授
所属専攻:
中国文学・思想専修専門分野:
古代中国思想、出土文献 -
萩原 正樹 教授
所属専攻:
中国文学・思想専修専門分野:
中国古典文学、日本漢詩 -
芳村 弘道 特別任用教授
所属専攻:
中国文学・思想専修専門分野:
中国古典文学、文献学 -
金山 亮太 教授
所属専攻:
英米文学専修専門分野:
19世紀イギリス小説、軽歌劇を含む大衆演劇 -
竹村 はるみ 教授
所属専攻:
英米文学専修専門分野:
イギリス文学、近代初期イギリス文化史 -
中川 優子 特別任用教授
所属専攻:
英米文学専修専門分野:
英米文学、ジェンダー -
中村 仁美 准教授
所属専攻:
英米文学専修専門分野:
アイルランド文学(おもに詩と小説)、文芸翻訳 -
PRESTON NATHANIEL H. 教授
所属専攻:
英米文学専修専門分野:
英米文学 -
大田 壮一郎 教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
日本中世史、日本宗教史 -
小関 素明 教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
日本近現代史、日本近代思想史 -
田中 聡 教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
日本史(古代史・史学史)、京都学 -
谷 徹也 准教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
日本近世史、政治史 -
辻 浩和 教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
日本中世史、文化史、芸能史 -
東島 誠 教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
メディオロジー、〈つながり〉の精神史 -
本郷 真紹 特命教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
日本古代史、宗教史 -
美川 圭 特別任用教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
日本中世史 -
水口 幹記 教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
日本古代史、東アジア文化史 -
山崎 有恒 教授
所属専攻:
日本史学専修専門分野:
日本近代政治史 -
井上 充幸 教授
所属専攻:
東洋史学専修専門分野:
中国近世の文化史・社会史・環境史に関する研究 -
鷹取 祐司 教授
所属専攻:
東洋史学専修専門分野:
中国古代史、木簡研究 -
松本 保宣 教授
所属専攻:
東洋史学専修専門分野:
中国史、隋唐五代史 -
小林 功 教授
所属専攻:
ヨーロッパ・イスラーム史専修専門分野:
ビザンツ帝国、地中海世界 -
高橋 秀寿 特別任用教授
所属専攻:
ヨーロッパ・イスラーム史専修専門分野:
ドイツ現代史、歴史社会学 -
能勢 和宏 准教授
所属専攻:
ヨーロッパ・イスラーム史専修専門分野:
西洋近現代史、欧州統合史 -
馬場 多聞 教授
所属専攻:
ヨーロッパ・イスラーム史専修専門分野:
中世イスラーム世界史、インド洋海域史 -
森永 貴子 教授
所属専攻:
ヨーロッパ・イスラーム史専修専門分野:
近代ロシア社会経済史 -
上田 高弘 教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
西洋美術史、比較芸術学 -
唐澤 靖彦 教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
軍事史 -
國司 航佑 准教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
ヨーロッパ(特にイタリア)の文学と哲学 -
崎山 政毅 教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
ラテンアメリカ思想史、地域研究 -
須藤 直人 教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
比較文学 -
千川 哲生 准教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
フランス文学、フランス演劇 -
長澤 麻子 教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
ドイツ思想史 -
中村 忠男 教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
文化人類学、説話学 -
西林 孝浩 教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
仏教美術史、日本・東洋美術史 -
宮本 直美 教授
所属専攻:
文化動態学専修専門分野:
音楽社会学、文化社会学 -
庵逧 由香 教授
所属専攻:
現代東アジア言語・文化学専修専門分野:
朝鮮近現代史、国際関係史 -
上野 隆三 教授
所属専攻:
現代東アジア言語・文化学専修専門分野:
中国語映画、中国古典文学 -
宇野木 洋 特命教授
所属専攻:
現代東アジア言語・文化学専修専門分野:
中国現代文学、同時代中国の文化思潮研究 -
佐々 充昭 教授
所属専攻:
現代東アジア言語・文化学専修専門分野:
宗教学、朝鮮近現代史 -
三須 祐介 教授
所属専攻:
現代東アジア言語・文化学専修専門分野:
近現代中国演劇、台湾文学 -
宮内 肇 准教授
所属専攻:
現代東アジア言語・文化学専修専門分野:
中国近現代史、中国社会史 -
ウエルズ 恵子 特別任用教授
所属専攻:
英語圏文化専修専門分野:
アメリカ文学・文化、比較文学・文化 -
岡本 広毅 准教授
所属専攻:
英語圏文化専修専門分野:
中世英語英文学、英語文化史 -
小川 真和子 教授
所属専攻:
英語圏文化専修専門分野:
アメリカ研究、アメリカ史 -
薩摩 真介 准教授
所属専攻:
英語圏文化専修専門分野:
歴史学(近世イギリス史、植民地時代アメリカ史、大西洋史) -
根本 浩行 教授
所属専攻:
英語圏文化専修専門分野:
社会言語学、社会文化理論を用いた第二言語習得 -
遠藤 英樹 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
観光社会学、現代文化論 -
小野 真由美 准教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
国際退職移住(international retirement migration)、 ライフスタイル移住(lifestyle migration)、ロングステイツーリズム、ケアの越境化 -
加藤 政洋 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
人文地理学 -
河島 一仁 特別任用教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
歴史地理学、アイルランド研究 -
河角 直美 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
歴史地理学 -
河原 典史 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
歴史地理学、近代日本人移民史研究 -
神田 孝治 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
文化地理学、観光学 -
古賀 慎二 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
都市地理学 -
寺床 幸雄 准教授
所属専攻:
地理学専修専門分野:
農村地理学、社会地理学 -
花岡 和聖 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
地理情報科学、人文地理学 -
松永 光平 准教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
自然地理学、環境学 -
村中 亮夫 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
人文地理学、環境・災害研究 -
矢野 桂司 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
人文地理学、地理情報科学 -
山本 理佳 教授
所属専攻:
地理学・地域観光学専修専門分野:
文化地理学、景観論 -
赤間 亮 教授
所属専攻:
文化情報学専修専門分野:
日本文化、文化情報学 -
河角 直美 教授
所属専攻:
文化情報学専修専門分野:
歴史地理学 -
矢野 桂司 教授
所属専攻:
文化情報学専修専門分野:
人文地理学、地理情報科学 -
岡寺 良 准教授
所属専攻:
考古学・文化遺産専修専門分野:
日本考古学(歴史時代) -
木立 雅朗 教授
所属専攻:
考古学・文化遺産専修専門分野:
窯業考古学、民俗考古学 -
長友 朋子 教授
所属専攻:
考古学・文化遺産専修専門分野:
日本考古学、民族考古学 -
矢野 健一 教授
所属専攻:
考古学・文化遺産専修専門分野:
考古学
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伊勢 俊彦 教授
哲学専修
専門分野
英語圏を中心とした近現代の哲学
18世紀スコットランドの哲学者ヒュームの哲学と現代の主に英語圏の哲学を土台に、生命、精神、言語、社会などのテーマについて研究を進めています。抽象的な理性ではなく、具体的な個々の生き物(人間を含む)の生命や感情に即した哲学的主題の理解を追求しています。受験生へ一言
多くの場合、理論的な学問の現代的内容を理解するためにその学問の歴史の知識は必要ありません。ところが、哲学は高度に理論的な学問でありながら、哲学の歴史を知らずに現代哲学を理解するのは非常に困難です。哲学専修で、歴史の洞察に裏づけられた現代感覚の涵養をともに目指してみませんか。
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加國 尚志 教授
哲学専修
専門分野
西洋哲学
メルロ=ポンティ(1908-1961)の哲学を中心としたフランス現代哲学及びフランス現象学を専門としています。メルロ=ポンティの研究としては、特に後期の存在論に焦点を当てた研究を行ってきました。身体論、自然論、言語論(芸術論)を結ぶ地点での存在論の構築が現在の課題です。受験生へ一言
哲学の研究には粘り強い忍耐力と、思索を継続する力が必要です。テキストを綿密に読む力はもとより、広範な哲学史的知識、明晰な表現力、そして何より学問的な意義を備えた問題意識が不可欠です。哲学の研究を志すのであれば、こうした力を身につけていただきたいと思います。
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亀井 大輔 教授
哲学専修
専門分野
現代フランス哲学 現代思想
現代フランスの哲学者ジャック・デリダの思想を研究しています。とくにフッサール、ハイデガー、レヴィナスなど、現象学的な哲学の系譜との関係性に焦点を当て、その思想の成り立ちを明らかにしてきました。現在は、デリダの死後に刊行され続けている講義録などの新資料を手がかりに、その思想の展開を捉えようとしています。受験生へ一言
本学の哲学専修には伝統と新しさの両方があります。大学院では哲学・倫理学を研究している多くの人と出会い、語り合うことができるでしょう。哲学が生活の中心となる大学院での貴重な数年間は、研究者を志す人にとっても、社会人を目指す人にとっても、その後の人生にとって力強いバックボーンになるはずです。
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林 芳紀 教授
哲学専修
専門分野
倫理学、応用倫理学
ジョン・ロールズの社会正義論を中心とした現代英米の規範倫理学ならびに政治哲学、および、生命倫理学・スポーツ倫理学等の応用倫理学を研究しています。これら多種多様な実践的問題に対する考察を通じて、現代社会における哲学・倫理学的思考の役割や可能性を明確化することを最終目標に見据えています。受験生へ一言
社会正義論や生命倫理の諸問題など優れて現代的な問題を取り扱う場合でも、哲学的な方法論から問題にアプローチする以上、哲学・倫理学に関する該博な知識が必要です。また、取り扱う問題が新しければ新しいほど、大量の外国語文献を読破・整理する能力が求められます。覚悟して一緒に頑張りましょう。
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鈴木 崇志 准教授
哲学専修
専門分野
ドイツ語圏の現象学
私の専門分野は、ドイツ語圏の現象学、特にエトムント・フッサール(1859-1938)の他者論です。私たちは、日々の生活において、さまざまな仕方で自分以外の人びとと出会っています。他者とのつながりを一時的に遮断したとしても、いつかどこかで出会う可能性は常に残りつづけるでしょう。現象学は、そのような切っても切れない他者との関係を、当の関係のなかに置かれた私の視点から記述するための手引きになります。それを通じて「感情移入」「コミュニケーション」「共同体」などについて考えることが、私の主な関心です。受験生へ一言
何より大事なことは、哲学に夢中でいつづけることだと思います。そのうえで、大学院においては、高度な語学力・読解力・思考力を身につけ、自分で計画して研究を進めていくことが求められます。決して楽な道のりではありませんが、そのなかで、きっと皆さん自身の哲学が言葉になっていくはずです。
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谷 徹 特別任用教授
哲学専修
専門分野
現象学、現代哲学
「現象学」を中心にして、ヨーロッパの現代哲学を研究しています。研究の基本的な視座として据えているのは、「自然」と「自我」と「他者」という三項です。これらは、われわれの生そのものを形作っています。しかし、重要なのはこれらの動的な「関係」の如何です。そしてさらに、この関係の新たな可能性を求めながら、研究を進めています。受験生へ一言
哲学の大学院は「知のアトリエ」だというのが私の持論です。知の創作過程に直に触れながら、自分自身の研究作品を生みだしてください。梅原猛先生をはじめ多くの優れた研究者が作り上げてきた歴史をもち、また多くの留学経験者を育てている本学哲学専修は、そのための最適な場所です。
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鵜野 祐介 教授
教育人間学専修
専門分野
教育人類学、伝承文学
教育人類学受験生へ一言
「人はなぜ歌い、語るのか、一緒に考えてみませんか?」
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福原 浩之 教授
教育人間学専修
専門分野
教育人間学、心理学
専攻の学生・院生を中心に共同生成してきた心の教育の理論的・実践的研究の成果を踏まえ、新しい時代に相応しい意識生成の原理と方法を探究しています。私の研究室では、道徳教育や心理教育だけでなく、意識の拡大に関わる全ての試みを心の教育の重要な課題と考えています。個人的に最も関心を持ち続けてきたテーマは、瞑想教育において生起する意識生成のプロセスとメカニズムを、体験的立場から理論的・実践的に解明することです。受験生へ一言
人間研究の方法には、哲学的に方位づけられたもの、科学的に方位づけられたもの、体験的に方位づけられたものが存在します。私の研究室では、心理学全般の基礎的な概念と方法に関する知識と技能を身につけた上で、体験的な人間の探究に入ることを推奨しています。
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加納 友子 教授
教育人間学専修
専門分野
コンテンプラティヴ教育、教育人間学
研究テーマは、心身相関的介入による心の癒しと教育についてです。東洋の身体論および治療論と、西洋で発展した心身相関的療法のメカニズムの共通点を探りながら、幼少期さらには誕生以前(胎児期)の心理的問題に対応可能な治療方法の確立を目指しています。受験生へ一言
大学院時代ほど、研究に没頭できる機会はありません。卒業論文のテーマに継続して取り組むもよし、新しいテーマに挑戦するもよし、です!ご入学される皆さんと、研究者同士、ともに啓発し合いながら、それぞれの研究を発展させていければと思います。
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辻 敦子 准教授
教育人間学専修
専門分野
臨床教育学、教育人間学
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山本 昌輝 特別任用教授
教育人間学専修
専門分野
心理療法、心理査定
臨床心理学、なかでも精神分析理論(特にフランス語圏で展開しているもの)に基づく心理療法および心理査定(投影法)。人格の変容過程、およびその「場(臨床的土壌)」に関する研究。受験生へ一言
現在はICTの高度な展開により、非常に多くの事柄について非常に容易に情報を収集することが可能な時代です。だからこそ、一つの領域を深く学究することにより、知り得ることで覆い隠されていた真実に目を開くことができるでしょう。あなたの知欲の渇望を充たす悦びをともに味わいましょう。
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鳶野 克己 特別任用教授
教育人間学専修
専門分野
教育人間学、笑い学
人間は「物語る存在」であり、「人生」は自己の生の意味を語り紡ぎ出す営みとして生きられます。私の研究の基本的課題は、こうした「人生」に関する物語論的人間研究の成果をもとに、生まれ、育ち、出会い、交わり、産み、育て、病み、老い、死に至る人間の生涯の歩みを統合的に理解するための「臨床的な教育人間学研究」の理論地平を新たに切り開くことです。また、創造的な破壊力で「人生」を語り直す「笑い」の研究も続けています。受験生へ一言
教育人間学は、「教育」と「人間」と「こころ」の問題を相互に関連づけつつ、理論と体験の両面から徹底的に考え抜くことを通じて、私たちが人間であること、生きることの意味を問い続け、証し続けようとする学問です。生まれ、育ち、老い、逝くという人間の生の不思議さに丁寧に意を注ぐ研究を共に深めましょう。
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川崎 佐知子 教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
日本古典文学
平安王朝物語文学の注釈史・享受史の様相を、おもに文献学的な見地から検討しています。とくに、室町末期の連歌師里村紹巴や、近世前期の近衞関白家の文学的営為に注目しています。受験生へ一言
優れた研究は、どんなに時間が経過しても決して色あせることがなく、いつも新鮮に感じられます。努力すれば、そして、熱意があれば、五十年、百年と通用する研究が、貴方にもできます。
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田口 道昭 教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
日本近現代文学、近現代詩歌
日本近現代文学を専門として、とくに石川啄木や与謝野晶子ら「明星」派の文学の研究を進めています。その過程で、近代短歌の分析とその魅力を明らかにしていきたいと思っています。併せて、明治40年代に展開した、日本の自然主義文学の全体像を明らかにする研究も手掛けています。文学作品は、その時代の思想や感性、メディアや表現を反映すると同時に、時代を超えて享受されており、その総体を考察していきます。受験生へ一言
自分が研究したいと思っている作家や作品のことを明らかにしようとするならば、同時代の文学作品はもちろん、経済や社会、思想や文化などについて知ることが必要であるほか、古典文学の時代を含む文学史や、社会史、思想史、文化史などの教養も求められます。大変ですが、やりがいのある学問だと思います。
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瀧本 和成 特別任用教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
日本近現代文芸(文学•芸術)
日本近現代文学を専門に研究を行っています。とくに森鷗外、夏目漱石、与謝野鉄幹・晶子、石川啄木などの文学を中心に、明治・大正期の作家や作品を研究しています。文学作品の鑑賞を第一義に、作品と作者、あるいは読者との関係を探りながら、言語(表現)の多義性や重層性についても分析・考察を行っています。それらの追究と共に文学(研究)の魅力や意義、役割について考えることも重要だと思っています。受験生へ一言
教育にかかわる諸課題の解決を図ろうとするときには、課題への問いと同時に、人間への深い洞察と理解が求められます。研究テーマが、自分のためだけではなく、教育、社会、人類にとって、どのような意味をもちうるのかについて問いながら、研究を進めていってください。実践的研究者を期待しています。
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内藤 由直 教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
日本近代文学・文化
高山樗牛や井上哲次郎によって提起された〈国民文学〉論が戦時下の浅野晃・高倉輝等の議論を経て敗戦後の竹内好や野間宏たちの論争へと展開していった過程を一連のものとして捉え、それらに隣接する〈政治と文学〉論争や〈近代の超克〉論ならびに同時代文学作品との協働連関を検証しながら、日本の近代文学が国家のイデオロギー装置として機能した役割を明らかにする作業に取り組んでいます。また、戦中戦後の国民文学論が止揚を試みたプロレタリア文学運動にも視野を広げ、当時の文学運動に内包されていた組織論や近代化論の問題を研究しています。受験生へ一言
研究を進めていく上で大切なのは、共に学ぶ仲間の存在です。自己の研究を深めていくのは元より、大学院で出会った友人や先輩後輩と切磋琢磨しながら、研究の幅を広げていってください。
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中本 大 教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
日本中世文学、和漢比較文学
日本中世文学、特に「五山文学」と称される室町時代禅林文学について研究しています。幕府の庇護をうけた五山叢林文壇の中国文学や文化受容の様相や、五山学僧や文壇を敬慕した和歌壇、連歌壇、更に狩野派を中心とする画壇との交流を追究しています。受験生へ一言
日本文学専修で求められるのは三つ。日本文学や日本文化への敬意、精確な本文読解能力、そして失われた文献を追い求める想像力です。「生活のすべてを犠牲にしてでも文学を研究したい」という意欲ある皆さんとの出会いを楽しみにしています。
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花崎 育代 教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
日本近現代文学、戦後文学
日本の近現代文学、とくに大岡昇平や三島由紀夫などの戦後文学を中心に研究しています。文学作品は時代・社会・思潮とともにありながら、書き手がことばを大切に綴ったものです。そうした作品/テクストの生成に至る受容・引用、また改稿といった種々相を考察し、精読しています。ときには作者の直筆原稿を読み、いきいきとしたその思考の変遷を探ったりします。そうしたなかで作品がスリリングかつ深いものとしてたちあらわれくるのです。受験生へ一言
文学研究とはなにか、それを考えつつ、個別具体的な研究を推進していってほしいとおもいます。何をどう扱っても文学研究、とはよくいうものの、あなた自身はどうなのか。教員や先輩同輩たちとの切磋琢磨の中で、自身できりひらいていく、緻密さとともにたくましさをもった研究を、と願っています。
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藤原 享和 教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
日本神話、上代歌謡
歌謡を中心とする上代文学が専門領域です。『古事記』、『日本書紀』、『続日本紀』、『琴歌譜』等に記載されている上代の歌謡を、王権の論理や儀礼の関係を中心に探求しています。例えば、『古事記』の物語中の歌謡が8世紀初頭の王権の書の中で、また『続日本紀』に実際に歌われたことが記録されている歌が8世紀中葉の王権儀礼の中で、それぞれどのような機能を担っていたか等を中心に研究しています。受験生へ一言
上代文献に一字一音で記された歌謡は日本文学黎明期の口吻を伝える貴重かつ世界的にも稀な史料です。上代文学を専攻する大学院生は全国的にも減少傾向にありますが、文字化から1300年を経た現在も未解明の部分を多く残すこの分野で着実な学術的成果を上げる研究者が育つことを期待しています。
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有田 節子 教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
日本語言語学、日本語教育学
日本語の文法構造、特に複文におけるテンス・アスペクト・モダリティを研究しています。いわゆる標準語のみならず、地域語にも注目しています。また、文法研究の成果を日本語教育に応用することも重要だと考えています。受験生へ一言
日常の中のちょっとした疑問が大きな研究課題につながることがあります。言葉に敏感であること、それが言語研究者への第一歩です。(博士課程後期課程のみ所属、修士課程は言語教育情報研究科所属)
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岡崎 友子 教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
日本語学、歴史的研究
日本語学(国語学)。古代から現代までの文法、特に指示詞・接続詞の歴史的用法・変遷を研究しています。『日本語歴史コーパス(CHJ)』『現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)』等のコーパスや歴史的な資料、現場における調査を行い、分析を進めています。受験生へ一言
大学院は学問について深く考え、議論を積み重ね、自らをさらに成長させる場であると思います。一緒に、「ことば」について考えてみませんか。
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小椋 秀樹 教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
コーパス日本語学、国語政策
コーパス日本語学、近現代日本語の語彙・表記。『日本語歴史コーパス』『現代日本語書き言葉均衡コーパス』などを活用して、近現代日本語の語彙・表記の実態解明に取り組んでいます。受験生へ一言
国立国語研究所が中心となって日本語コーパスの構築、公開が進み、日本語研究は新たな展開を迎えています。従来の研究方法を学びつつ、新しい研究方法にも関心を持ち、身に付けてもらえればと思います。
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石井 真美子 教授
中国文学・思想専修
専門分野
古代中国思想、出土文献
主に先秦~漢代の兵書についての研究をしています。近年は多くの出土文献によりこの時代の様々な佚書が姿を現すようになり、1000年以上も続いていた通説が覆されることも珍しくありません。その面白さを感じつつ、現代にも通じる当時の人々の思想を探っていきたいと思っています。受験生へ一言
中国文学・思想は古代から連続的であるという特徴があります。時には自分がやりたいこととは異なる分野の文献も扱うことになると思いますが、どれをとっても必ず何らかの形で繋がってきます。積極的に授業に参加して多方面の知識を積み、研究のいろはを学んでいきましょう。
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萩原 正樹 教授
中国文学・思想専修
専門分野
中国古典文学、日本漢詩
中国唐宋代の詞と詞譜、および日本の明治・大正期における詞作と詞学について研究を行っています。近年はとくに森川竹磎を中心とする日本の詞人について研究しています。明治・大正期には多くの詞が作られていますが、これまでは日本漢文学側からも中国文学側からも、正面から取り上げられてきませんでした。これらの詞作の実態を可能な限り把握し、また彼らの詞学を明らかにして、文学史の中で正しく位置づけていきたいと考えています。受験生へ一言
中国文学・思想専修は、長い歴史と伝統を背景として、これまでに多くのすぐれた研究者を輩出してきました。特に古典を中心に各ジャンルの専門家を擁し、また本学の豊富な蔵書が皆さんの研究をバックアップします。専修の院生や卒業生の機関誌として「學林」があり、研究成果を世に問うことができます。
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芳村 弘道 特別任用教授
中国文学・思想専修
専門分野
中国古典文学、文献学
変革期の唐代後半に生き、詩に哀歓を詠い続けた白楽天の生涯と文学的軌跡を実証的に探究しています。また董康の『書舶庸譚』の訳注を通して近代日中の学術交流を研究し、朝鮮半島を経て日本に伝来した唐本の調査・研究を進めています。受験生へ一言
文化勲章受章者の白川静名誉教授が進められた甲骨・金文学研究の資料を始めとして、古典詩文・白話文学・近現代文学および思想関連の文献を豊富に収蔵し、様々な研究を可能にする環境が整っており、東アジアの文化に大きな影響力をもつ中国の文学や思想に存在する興味深い問題について、高い識見を養い清新な研究ができる専修です。
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金山 亮太 教授
英米文学専修
専門分野
19世紀イギリス小説、軽歌劇を含む大衆演劇
近現代英文学、特にヴィクトリア朝の小説と演劇を中心に研究しています。19世紀のイギリスはディケンズ、ハーディ、ブロンテ姉妹、ギャスケル夫人、ジョージ・エリオットなど数々の作家を輩出しました。「小説の世紀」と言われる所以ですが、そのような「表の顔」だけでなく、当時の人々の価値観や欲望がよりむき出しの形で表れている大衆演劇やセンセーショナル・ノベルやメロドラマなどの「裏の顔」にも関心があります。受験生へ一言
ヴィクトリア朝英文学は先行研究が充実しており、なおかつ入手可能な文献も多く、文字通り汗牛充棟の様相を呈していますが、まずは焦らずに作品を原文で正確に読むことが肝要です。移り変わりの激しい文学研究の方法論や批評のモードにあまり目を奪われず、まずは作家の文体に慣れるまで精読をしてください。そして気づいたことはこまめにメモを取ることです。何事であれ、地道な積み重ねと、基本を疎かにしないことが大切です。
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竹村 はるみ 教授
英米文学専修
専門分野
イギリス文学、近代初期イギリス文化史
近代初期のイギリス文学・文化を研究しています。ウィリアム・シェイクスピアやエドマンド・スペンサー等の詩人・劇作家の作品を中心に、宮廷祝祭や出版文化に関する研究を行っています。近代初期のイギリス文学は、文学と社会が密接に連動していた時代ならではの創造的エネルギーに満ちており、現代社会に共通する問題意識が見られます。文学研究を通して近代初期イングランドの諸相を解明したいと思っています。受験生へ一言
近代初期イングランドの文学は、とても層の厚い先行研究の歴史を持つ一方で、近年の批評理論の隆盛の中でも大いに脚光を浴びたように、様々な角度から再解釈が行われており、大きな批評的可能性を有しています。文学とは何か、作者とは何か、という根源的な問いについても多くの示唆を与えてくれます。
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中川 優子 特別任用教授
英米文学専修
専門分野
英米文学、ジェンダー
19世紀後半から20世紀前半の英米小説、とくにHenry Jamesとその周辺の作家の作品を研究しています。この時代はアメリカ、そして女性が台頭してきた時代であり、New Womanが登場しました。小説における、これらの女性の表象、そして作品間の関係性についてとくに注目しています。またその延長で20世紀以降の女性作家Toni Morrisonなどの作家の小説にも目を向けています。受験生へ一言
いろんな文学理論がありますが、作品解釈するにはそれだけでなく、原文テクストを丁寧に読むことが肝要です。それにより、読む力もアップしますし、作品の時代背景も見えてきて、作品の解釈にも深みができるでしょう。そして研究対象にするに堪えうる、興味のもてる作品を見出してください。
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PRESTON NATHANIEL H. 教授
英米文学専修
専門分野
英米文学
I am interested in how writers cross cultural boundaries to enrich their literary works, especially British and American writers who find inspiration in South Asian religious thought.受験生へ一言
Graduate-level study requires great discipline and effort, but it also provides an opportunity deepen your thinking, improve your communication skills, and complete a high-quality thesis.
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大田 壮一郎 教授
日本史学専修
専門分野
日本中世史、日本宗教史
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小関 素明 教授
日本史学専修
専門分野
日本近現代史、日本近代思想史
専門領域は一応日本近現代政治史・思想史ですが、あまりその分野の専門の研究者という意識はありません。10年ぐらい前までは、政党政治史論・立憲制・二大政党制論といったようなことを研究してきましたが、今はそれらを包括した公権力・主権論がテーマです。また歴史学の歩みを批判的に再検証する史学史にも興味があります。受験生へ一言
研究は過激なこと、珍奇なことを言えばいいというものではありませんが、普通の感覚で普通に理解できるような作業を丁寧に積み重ねるだけでは駄目です。紋切り型の発想から抜け出れる人、非日常的な感覚を駆使して深い次元での歴史のリアリティーを再現できる人、そのリアリティーを論理の中に落とし込む粘着力を持った執念深い人を歓迎します。そうした人たちが勇躍、跋扈する世界を作りましょう。
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田中 聡 教授
日本史学専修
専門分野
日本史(古代史・史学史)、京都学
日本の近現代史学史・京都の地域文化などを研究しています。歴史認識の変容をとらえるため、各時代の時間観念や神話、他者認識や「民族」概念、マルクス主義共同体論の受容過程等を取り上げ、また京都地域における戦前・戦後の文化・社会運動に関わる資料の収集・検討を進めています。様々な時代・地域を行き来しつつ、歴史を研究することの意味そのものを問い直していきたいと思っています。受験生へ一言
この講義では主に日本近代以降の事例を取り上げていきますが、そこにみられる歴史認識は非常に多様・重層的であり、「日本・京都固有の文化的特質」といった単純な視点では充分に捉えることが出来ません。専攻分野・時代を問わず、こうした問題に関心のある方の積極的な受講を歓迎します。
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東島 誠 教授
日本史学専修
専門分野
メディオロジー、〈つながり〉の精神史
14世紀、16世紀、19世紀は、日本社会が「変わる」可能性を持っていた時代です。「江湖」は、この3つの時代にのみ歴史に大きく浮上した言葉です。このように、日本中世史を出発点としながらも、古代から現代まで縦横に論じることが、私の研究の特色です。人と人とのつながりをテーマに、政治学・社会学・哲学の垣根を越えて研究しています。受験生へ一言
専門分野の研究技法を身につけることはもちろん必要です。それだけでも相当大変です。しかし一方、専門分野に閉じていては決して開けてこない問題意識、着想力というものがあります。これは、しばしば誤解されているように、ただ隣接諸学を応用するだとか、そういうことを意味するのではありません。一つの史料を読むにしても、どこまで想像力を拡げて考えることができるか、そういう経験を皆さんと共有していくことができれば幸いです。
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本郷 真紹 特命教授
日本史学専修
専門分野
日本古代史、宗教史
日本古代史・宗教史。主たる研究課題は、7~9世紀の日本古代律令国家の宗教政策、地域における宗教交渉過程(仏教と神祇信仰の関係)、古代宗教制度の史的意義、古代王権の宗教的性格 ほか受験生へ一言
学部にて行った研究を更に深化・高度化させ、歴史の事象に対する独自の評価・解釈に説得力を付して世に問う事が、大学院での研究の目標となります。そのために必要な史料読解力の養成、論理構成力の涵養等は、修了後たとえ専門以外の分野に身を置くようになったとしても、諸君が本領を発揮するのに大いに貢献することになるでしょう。
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美川 圭 特別任用教授
日本史学専修
専門分野
日本中世史
日本中世政治史、とくに院政論を中心に研究を行ってきました。また、院政論と関わる京都の中世都市論において、政治史的な側面から「権門都市」概念を提唱しました。冷泉家の史料、とくに藤原定家の『明月記』についても、その翻刻をはじめ、研究を重ねています。受験生へ一言
どのようなテーマをみつけて研究をしてもよいと思います。ただし、自分が行っている研究が、研究史上どのような位置にあるかをつねに意識してください。それによって、研究の視野をひろげることができます。中世前期は比較的史料が少ないので、時代の全体像をつかむような研究ができるメリットがあります。
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山崎 有恒 教授
日本史学専修
専門分野
日本近代政治史
日本近代政治史を専門としています。「公議」というキーワードを軸に幕末維新史を再構築するというのが本来の専門ですが、近年は治水、競馬など、従来の政治史ではあまり取り扱われない視点から日本政治の在り方を俯瞰する研究にも着手しています。総じて「近代化」「西欧化」を経て、現代の日本社会が完成していった過程に関心があり、それをできる限り多角的にとらえることを最終目標としています。受験生へ一言
プロの研究者を目指す、教員・学芸員への就職を目指すなど、大学院生になる目的は人それぞれかもしれません。しかしいずれにせよ従来の先行研究を塗り替え、オリジナリティーあふれる新しい研究を作り上げていくことを目標としていることは共通しています。そのためには先行研究を深く読み込み、体系的に整理し、そこから課題を見つけ、仮説を立て、それを史料で実証していかなければなりません。重要なのは、①諦めないこと、②行動力を磨くこと、③自覚を持つことの三つではないかと思います。頑張ってください。
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谷 徹也 准教授
日本史学専修
専門分野
日本近世史、政治史
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井上 充幸 教授
東洋史学専修
専門分野
中国近世の文化史・社会史・環境史に関する研究
中国近世の文化史・社会史が専門です。特に明末清初の文人が書き残した日記などを用いて、「文人趣味」の側面から彼らの日常生活を解明することを目指しています。また、文献研究と現地調査の双方を通じて得たデータに基づき、中国内陸の乾燥/半乾燥地域における水環境問題についても研究しています。受験生へ一言
自分の専門領域に直接関わることだけでなく、他の様々な分野に対しても幅広い関心を持ち続けるよう心がけてください。
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松本 保宣 教授
東洋史学専修
専門分野
中国史、隋唐五代史
中国政治制度史・都城史・政治史。唐王朝の政治を宮殿の構造・機能を中心に解明することを目指しています。宮城空間は中華帝国の巨大さからみると芥子粒のようなものですが、空間構造を媒介として制度史と政治史の融合ができたらと考えています。また、日本ではあまり研究の進んでいない宦官研究も試みたいと思っています。受験生へ一言
私の大学院生時代は、「唐代史はやりつくされた分野」といった印象をもたれていましたが、史料の大海に臨むと、視野の取り方次第で様々な疑問・研究手法が浮上してきます。史料を如何に有効に活用するかで、道が拓けてくることもあります。その逆もまた真なりです。優れた発想は若い人達に恵まれた特権です。先例にとらわれずに色々な可能性を考えてみましょう。
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鷹取 祐司 教授
東洋史学専修
専門分野
中国古代史、木簡研究
中国古代の法律や制度の研究をしています。特に秦漢時代の法律や諸制度を、実際に使用された文書・帳簿の遺物である木簡の分析によって具体的に解明することを目指しています。例えば、甘粛省などに残る漢代長城の砦跡から出土した木簡を利用して、長城警備における文書伝達の形態を考察したり、長江中流域で発見された秦漢時代の地方役人の墓から出土した木竹簡を利用して、行政制度などを考察しています。受験生へ一言
秦漢時代史研究は、近年、陸続と発見される出土文字資料の増加により、中国史研究の中でも最も研究が活発な分野の一つとなっています。出土文字資料から窺える秦漢時代の極めて精巧な統治制度は、文献史料から抱く古代のイメージを大きく変えるものです。皆さんも自分の目でそれを確かめてみませんか。
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高橋 秀寿 特別任用教授
ヨーロッパ・イスラーム史専修
専門分野
ドイツ現代史、歴史社会学
ドイツ現代史、とくに現代社会の転換点をさぐり、この新たな近代化の過程における様々な社会・政治・文化現象を追究しながら、この現代社会の諸特徴とその本質を明らかにすることを研究の目的としています。受験生へ一言
時代の最先端を走る研究ではなく、時代を先取りし、あるいは時代を変えるような研究をしてもらいたいです。
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能勢 和宏 准教授
ヨーロッパ・イスラーム史専修
専門分野
西洋近現代史、欧州統合史
今日のEU(欧州連合)に至る欧州統合の歴史を研究しています。欧州統合がなぜ実現したのか、また主権国家体制にどのような影響を与えたのかといった問題を考えています。こうした問題にアプローチするために、国際関係の多様な側面に着目しており、近年は万国博覧会における取り組みなどから国家とEUの関係を考察しています。受験生へ一言
歴史学は総合的な学問です。歴史資料を読み込むのはもちろん大事ですが、日常に潜む問題にも常に敏感であってほしいと思います。大学院では専門分野を深めるだけでなく、様々なことを「面白がる」方法も教員から盗み取ってみて下さい。
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小林 功 教授
ヨーロッパ・イスラーム史専修
専門分野
ビザンツ帝国、地中海世界
ビザンツ(東ローマ)帝国史。特に6世紀から10世紀にかけてのビザンツ帝国の政治的状況の変化に関する研究、あるいは同じ時代の都市や経済活動の変化などについての研究をおこなっています。受験生へ一言
現在の西洋史学研究において取り扱われるテーマはきわめて多岐にわたっており、西洋史学、あるいは歴史学研究のみならず、さまざまな分野の学問知識が必要となっています。そのためには努力が必要ですが、価値のある努力でもあります。研究の喜びを知ってみたい方をお待ちしています。
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森永 貴子 教授
ヨーロッパ・イスラーム史専修
専門分野
近代ロシア社会経済史
私の専門はロシア社会経済史と言えますが、実際には複数領域に跨ります。日露関係史とロシア領アメリカ史への関心から、大学院以後はユーラシアの毛皮交易史とシベリア商人史を専門に研究してきました。従来の工業資本研究のような狭い枠組みの経済史ではなく、他地域との結びつきを前提とする商業および社会に焦点を当て、より実態を伴った跨境論、グローバル・ヒストリーを考えていくことを目標としています。受験生へ一言
西洋史学専修は長い伝統を持ち、古代から現代まで様々な時代の専門家が揃っています。歴史学が対象とするのは政治・経済・文化・宗教など非常に広範囲ですが、自身の関心領域に閉じこもらず、他分野との相互の関連を意識し、広い視点で研究に取り組む姿勢を大事にして欲しいと思います。
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馬場 多聞 教授
ヨーロッパ・イスラーム史専修
専門分野
中世イスラーム世界史、インド洋海域史
中世イスラーム世界史。特に13世紀から15世紀にかけてのアラビア半島南西部ならびにインド洋西海域の交流史。受験生へ一言
二次資料(先行研究)の蓄積のうえに、これまで誰も明らかにしていないことを一次史料をもとに新たに追加する。そうした知の更新を自分で行いたい方をお待ちしています。
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庵逧 由香 教授
現代東アジア言語・文化学専修
専門分野
朝鮮近現代史、国際関係史
朝鮮近現代史の中でも、植民地政策によって朝鮮社会がどのように変容したのか、しなかったのか、に関心があります。特に、朝鮮における戦争動員体制(朝鮮総動員体制)が専門です。また、戦争動員による被害が戦後どうなったのか、日本と朝鮮半島との関係にどのような影響を及ぼしたのか、植民地支配という暴力が、世界史の中で持つ意味についても、強い関心を持っています。受験生へ一言
卒業論文を書いて、大変だけど少しでも楽しさを感じたのなら、ぜひ大学院に進学して研究を進めてみてください。学問研究は続けていくほど困難も伴いますが、大変さの中にやりがいや楽しみを感じられる職業だと思います。
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上野 隆三 教授
現代東アジア言語・文化学専修
専門分野
中国語映画、中国古典文学
中国の白話文学の研究を行っています。明代の小説『三国志演義』『水滸伝』や清代の小説『三侠五義』などを中心としつつ、必要に応じて戯曲や語り物作品も取り上げてきています。最近はヨーロッパなどに残されている中国には現存しない作品や版本の研究を行っています。中国から遠く離れたヨーロッパの国々の図書館や修道院で中国文学の書物と出会うとそれだけで感動しますが、そうしたものの捜索も続けていきたいと思っています。受験生へ一言
自分の専門とする分野が卒業論文である程度固まっているとは思いますが、それとは違う分野の作品や研究にも取り組むことで、それが自分の分野にも必ず生きてきます。積極的にチャレンジしてもらいたいと思います。
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佐々 充昭 教授
現代東アジア言語・文化学専修
専門分野
宗教学、朝鮮近現代史
朝鮮時代末期から日本の植民地時代にかけて、朝鮮では東学(天道教)・甑山教・檀君教(大倧教)・円仏教など数多くの新宗教が登場しました。これら朝鮮自生の新宗教は、伝統宗教や土着の民間信仰などを再編しながら、「朝鮮民族有」を自称するナショナル・アイデンティティを創出し流布していきました。朝鮮近代におけるナショナリズムの創成について、これら新宗教教団の発生と関連づけて研究をしています。受験生へ一言
朝鮮時代の漢文文献、大韓帝国時代の国漢文文献、植民地期のハングル文献などの史料を読み込みながら、近代朝鮮における「伝統の創造」過程について跡づけていきます。このような朝鮮語の原典・史料解読を通じた研究は、現代韓国の文化や社会をより深く理解するための業となるでしょう。
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三須 祐介 教授
現代東アジア言語・文化学専修
専門分野
近現代中国演劇、台湾文学
大きくふたつの関心があります。ひとつは、中国語圏におけるセクシュアル・マイノリティの文化や文学(同志文学)です。特に戦後の台湾モダニズム文学の潮流の中で創作された男性同性愛の文学を中心に研究しています。もうひとつは近現代中国の演劇、とくに「戯曲」と呼ばれる伝統劇の近代化について関心を持っています。また1950年代前後以降の上海地域の伝統劇のパンフレットなどエフェメラ資料のアーカイブ化にも取り組んでいます。受験生へ一言
とにかく作品を読むことがすべての始まりになります。そして、それは自分の「生」と常につながっていることを意識することが大切だと考えます。文学(演劇を含む)を読むことは、世界を発見することなのだと思っています。
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宮内 肇 准教授
現代東アジア言語・文化学専修
専門分野
中国近現代史、中国社会史
中国の基層社会における伝統性の持続に関心を持っています。具体的には華南地域において多見される宗族結合に焦点を当て、革命や戦争、あるいは社会主義といった政治的・社会的変化の中で、当時の基層社会に生きた人々の言動から、伝統的な宗族結合の変容を考察しています。明清期に形成された宗族結合が、近代を通じてどのように組み替えられ、現在にまで持続してきたのかを明らかにすることで、中国の基層社会の特質を思索しています。受験生へ一言
近代中国の社会を理解することは、現在の中国社会をいかにとらえるのかを考えることです。そして、それは膨大な史料を読み解き、中国の現地社会を歩くことによって可能になると考えています。
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宇野木 洋 特命教授
現代東アジア言語・文化学専修
専門分野
中国現代文学、同時代中国の文化思潮研究
中国の現代文学が広義の専門領域ですが、特に、同時代中国(中華人民共和国建国以降)の文学事象・文化批評を中心的な研究対象としています。文学者たちの思想・理論的営為が、中国という「政治」的磁場において、時には翻弄されながらもダイナミックに文学テキストを創出し続けている状況を、通時的・共時的に考察しています。最近の論文で言及した文学者・知識人には、莫言・王安憶・郭敬明や劉再復・劉暁波・汪暉がいます。受験生へ一言
現代東アジア言語・文化学専修は、その現在的必要性に基づいて新しく誕生した専修です。同時代の中国(台湾・香港も含む)と朝鮮半島における言語・文化・歴史をめぐる問題群を未来志向で研究していきます。今現在の中国文学・文化が直面し格闘している課題を、新専修で一緒に探求してみませんか。
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ウエルズ 恵子 特別任用教授
英語圏文化専修
専門分野
アメリカ文学・文化、比較文学・文化
詩、歌、物語の研究者です。「声」の文学とアメリカ文学・文化が専門です。アメリカ詩(歌詞もふくむ)、音楽文化、民謡、民話や語りについて、文化横断的に研究します。声に出して楽しむ文学が、人間の生きる活力とどのように関連しているか、隠された集団的記憶をどう反映しているかを探求しています。受験生へ一言
言葉や音楽による人間の営みを、ジャンルや時代や国境の枠にこだわらず、広く深く研究してほしいです。研究していると、世界のいろいろな場所や人々、過去や未来がつながって感じられます。大学院では「読む・聴く」「調べる」「考える」に力を注ぎ、感性を磨きながら刺激的な知の世界へとぜひ足を踏み込んでください。
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小川 真和子 教授
英語圏文化専修
専門分野
アメリカ研究、アメリカ史
専門はアメリカ研究ですが、アメリカと国際社会がどのように関わりあってきたのかについて、歴史的に研究しています。環太平洋地域における、国境を越えた人々の移動、具体的には、外交や軍事問題だけでなく、アメリカ人キリスト女性教宣教師による社会改良活動や国際平和運動、また日本人ハワイ・アメリカ移民と水産業の振興といった社会史、産業史的な観点から、アメリカを中心とする環太平洋地域の人々の移動について考えています。受験生へ一言
まずはアメリカ国内外の歴史についてしっかりとした基礎知識を持つことが大切です。またアメリカについて研究する上で、欠かせないのが英語力です。原書をどんどん読みこなし、また英語で学術論文が書ける確かな英語力を身につけてください。
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岡本 広毅 准教授
英語圏文化専修
専門分野
中世英語英文学、英語文化史
中世イングランドの言語と文学を研究しています。特に、中世アーサー王物語 『ガウェイン卿と緑の騎士』などの文学作品と、中世に広く流布した建国神話や歴史との関連性を掘り下げています。中世の伝承や文学的伝統は、現代ファンタジー文学(『ホビット』や『指輪物語』など)の誕生と密接に関係し、今や現代の大衆文化の一端を形成していると言えるでしょう。イギリス文学・文化のルーツを学び、通時的知見を得ることによって、現代の英語文化や「世界共通語」としての英語をより深く理解することができればと思います。受験生へ一言
変容する言葉、変容する自己。何の変哲もない言葉はある時、別の表情を見せ、思わぬ輝きを放つことがあります。言葉の深みと歴史を紐解き味わいつつ、英語文化のルーツとその現代的意義を学んでいきましょう。
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根本 浩行 教授
英語圏文化専修
専門分野
社会言語学、社会文化理論を用いた第二言語習得
社会言語学を専門とし、第二言語習得における社会文化理論を用いて、学術場面での異文化接触を主に研究しています。異文化インターアクションを、時の流れや異なる状況下で変化する「流動的リソース」と捉え、認知的要因のみならず社会文化的要因(文化、社会、コミュニティ、言語使用環境、ネットワークなど)を考察しながら、異文化適応における第二言語リテラシーの発達とアイデンティティ変容の探究を進めています。受験生へ一言
グローバル化によって言語使用コンテクストの流動性が高まるにつれて、第二言語習得や異文化接触の捉え方が今後ますます多様化してくることが予想されます。発せられた言葉や書かれた文章だけではなくそのプロセスを多角的に考察することで、ステレオタイプにとらわれず、言語、人、文化、社会、教育の繋がりを新たな視点から学んでいきましょう。
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上田 高弘 教授
文化動態学専修
専門分野
西洋美術史、比較芸術学
訊ねられると、「西洋の近現代美術の批評史的研究と、同時代美術にかんする批評実践(いわゆる美術評論)の、その両立」と曖昧に答えるのを常としてきました。両立は、しかしなかなかに難しく、実際は後者のほうが中心となり、それを集成したのが2006年刊行の評論集(次項参照)。ならばここは、前者でやり残した仕事に向かうべきタイミングですが、根が浮気性なのか、関心は音楽や文学などの隣接諸分野に拡散しています。受験生へ一言
私自身にとって大学院進学は、学部入学当初の「画家になりたい」という目標を、「芸術について考える人間になりたい」へと変更することの徴となるような選択だったので、それなりに決断が要りました。ただ、決断だけが美徳ではありません。決断を先送りにするための選択でも、私は歓迎します。
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唐澤 靖彦 教授
文化動態学専修
専門分野
軍事史
軍事史、とりわけ要塞築城を専門にしています。具体的には、明治日本の陸軍砲工兵と沿岸要塞築城を研究しています。明治日本の沿岸要塞の具体的な築城経過、各砲台・堡塁・附属建設物の設計と築造に従事した工兵将校の活動、草創期の陸軍士官学校・陸軍教導団・陸軍砲工学校における関連学科の教育の実際、そして世界の軍事史という文脈における明治日本の築城学と築城技術の位置(比較史)を明らかにすることに取り組んでいます。受験生へ一言
文化動態学専修は多彩な研究者がおり、学際的なアプローチで問題に取り組むことができます。例えば軍事史ひとつをとっても、狭義の戦争史にとどまらず、身体、組織、ジェンダー、表象、経済、社会など多様なテーマが輻輳する分野たりえるのです。複眼的思考を培ってみたいというひとを歓迎します。
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崎山 政毅 教授
文化動態学専修
専門分野
ラテンアメリカ思想史、地域研究
①ラテンアメリカを中心とした近現代社会思想史・社会運動史・文化史
②ラテンアメリカ文学を軸とする比較文学研究
③現代資本主義の理論的解明受験生へ一言
人文諸学の研究はすでに学際的・横断的・複合的になっています。自分のテーマを基軸として、さまざまな学問領域の成果を批判的かつ創造的に受け取り、研究に積極的に取り入れていってください。
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須藤 直人 教授
文化動態学専修
専門分野
比較文学
比較文学・文化研究を専門としています。特にポストコロニアルという視点から、日本及び英語圏の文学・文化について考えています。南洋・太平洋・オセアニア世界における、日本やヨーロッパ・アメリカと土着の文化の多様な形態での邂逅・接触・衝突、そして混淆とその変容に焦点を当てた論文を執筆してきました。なかでも、サイパン、グアム、パラオ等のミクロネシアとかかわる表象文化を扱っています。受験生へ一言
大学院進学とは、知の継承が大きな比重を占めていた大学生時の研究から、知の創造への本格的な参画が求められる研究への移行を意味するといえるでしょう。競争という側面はあるとしても、何か一つ頼れるものを身に付ければ、比較・批判よりは、励まし合う研究の場に身を置くことができると思います。
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長澤 麻子 教授
文化動態学専修
専門分野
ドイツ思想史
研究の専門領域はドイツの現代思想ですが、とくに文学や演劇、社会批評などと思想との関係を研究しています。具体的には、ヴァルター・ベンヤミンの思想、とりわけその歴史認識を中心に、思想の領域からはアドルノやハーバーマスなどのフランクフルト学派、文学の領域からはブレヒト、フランスのシュルレアリスムなどを研究してきました。受験生へ一言
「人間の精神は休むことができない。動きのないこと、すなわち、さらなる知覚への動きがないことは、精神にとって拷問にひとしい。」(ライプニッツ)
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中村 忠男 教授
文化動態学専修
専門分野
文化人類学、説話学
文化人類学、神話学受験生へ一言
大学院では好きなことを苦しみながら、とことん追求してみてください。ただし、その苦しみを他者と共有して歓喜に変える努力も怠らないように。また、テクストを読みながらつねに斜線を引いて別種のテクストに結びつけていくような柔軟性も失わないように。
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西林 孝浩 教授
文化動態学専修
専門分野
仏教美術史、日本・東洋美術史
紀元前3世紀~紀元後12世紀の造形作品を主たる対象とした東洋美術史、とくに仏教美術史。受験生へ一言
研究文献や関連史料の正確な読解が必要とされるのはもちろんのこと、それと同等に、造形作品への「執着心」も必要とされるのが、美術史という学問分野です。
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宮本 直美 教授
文化動態学専修
専門分野
音楽社会学、文化社会学
音楽社会学・文化社会学・歴史社会学。社会学的な観点から、19世紀ドイツの音楽活動と市民社会を分析。他、芸術音楽の正統性、現在の文化政策、宝塚ファンの組織論など。受験生へ一言
まずは国語力(論理的思考)。
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千川 哲生 准教授
文化動態学専修
専門分野
フランス文学、フランス演劇
コルネイユ、ラシーヌ、モリエールに代表されるフランス17世紀演劇が専門領域です。この演劇の成立過程を解明するために、フランスをはじめとしてヨーロッパの文化、芸術、思想との影響関係を文献学的に調査しています。受験生へ一言
学部では、様々な対象に複数の観点から広く関心を寄せることが大事ですが、大学院ではそこに加えて、自分の研究に対する客観的視点を保ちながら専門性や厳密性を追求していく必要があります。これは非常に大変な作業ですが、学問の本当に面白いところはここから始まるのではないかと思います。
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加藤 政洋 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
人文地理学
都市的な場が、どのようにして形成されるのか? この問いを主題として、主に近代以降の都市形成を空間的周縁に素材をとりながら研究しています。文化・社会地理学の諸概念に立脚した都市研究が専門。受験生へ一言
地理学専修には、自然・人文を問わず、さまざまな分野を専攻しつつ、しかもインターディシプリナリーに活躍する教員が在籍し、院生の調査・研究活動を手厚くバックアップしています。
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古賀 慎二 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
都市地理学
専門は人文地理学,特に都市地理学と呼ばれる分野です。なかでも,現代都市の都心部を占有しているオフィスの立地と都市内部構造の関係について研究しています。日本における現代都市の活力は,モノづくりに下支えされたサービス産業やオフィス業務の集積にあります。こうした産業が集積する都市を地域的視点から究明しています。また,国内だけでなく,自然環境や文化の異なる諸外国の都市構造にも,比較の観点から関心を持っています。受験生へ一言
「少年老いやすく学なりがたし」。学部時代とは異なり,いっそう能動的な生活を送れる人に大学院の門を叩いて欲しいと思います。
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矢野 桂司 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
人文地理学、地理情報科学
地理情報システムを活用した人文地理学と学際的な地理情報科学を専門としています。国勢調査などの小地域統計を用いたジオデモグラフィクスや、人や物の空間的相互作用などに関心があります。また、アート・リサーチセンターにおいて、デジタル・ヒューマニティーズ、とりわけ京都の歴史GIS研究を展開し、バーチャル京都を構築しています。京町家、祇園祭などの京都の文化財に関わる、産官学地域連携のもとでの地理学的研究を実践しています。受験生へ一言
地理情報システム(GIS)と地理情報科学(GISc)に関わる地理学的研究を、国内外で実践するには、最も適した大学院です。とりわけ、本大学院は、デジタル・ヒューマニティーズの視点からGISを用いた歴史都市京都を対象とする研究としては唯一の大学院です。
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花岡 和聖 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
地理情報科学、人文地理学
主に、地理情報科学と災害復興研究、人口分析を専門にしています。近年、国勢調査等の公的調査の個票データや携帯電話の位置情報に基づくビッグデータなど、従来にはない詳細で大規模なデータが増加しています。東日本大震災からの災害復興、街頭犯罪、国際結婚や家族形成をテーマに、このような新たな大規模データを活用した空間分析や人口分析を進めています。また国内外を対象に、地理情報とフィールド調査を連携させた研究も目指しています。受験生へ一言
地理学は、地域や場所をキーにして、様々な分野を横断的にみることができる学問です。地理学を学んだ学生だけでなく、地域や場所、地理情報に関心のある他分野の学生もお待ちしています。
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松永 光平 准教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
自然地理学、環境学
環境地理学、中国地域研究受験生へ一言
私は防災や環境保全を目的とした、人間と環境の関係の研究に関心があります。中国語を用いて黄河中流域の黄土高原で砂漠化と緑化の歴史について研究をしてきました。中国での調査は難しい面もありますが、日本で中国人コミュニティを研究したい方も歓迎します。
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村中 亮夫 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
人文地理学、環境・災害研究
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遠藤 英樹 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
観光社会学、現代文化論
観光社会学が専門です。現代社会は、観光的なリアリティが様ざまな領域に浸潤する「ツーリスティックな社会」です。たとえば現在、観光による地域再生が数多く試みられています。それゆえ地域のあり方を考えるうえでも、観光的なリアリティの分析は必要不可欠だと言えるでしょう。文化のあり方においても同様です。社会に浸潤する観光的リアリティにひそむロジックを抉りだし分析することが重要だと思っています。受験生へ一言
観光研究は社会学、地理学、人類学、哲学、歴史学、政策学、経済学、経営学等、多様なディシプリンが必要で、難しく未開拓な領域です。しかし、だからこと観光研究は各ディシプリンを豊穣かつリアルなものにしていく可能性を秘めているのです。ぜひ一緒に、そうした領域に挑戦しましょう!
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河原 典史 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
歴史地理学、近代日本人移民史研究
近代日本における漁民の移動と、それにともなう水産関連産業の変化について歴史地理学からアプローチしています。瀬戸内から九州・壱岐・対馬、さらに朝鮮半島へ移動した漁民、水産缶詰やカツオ節製造業の発展など、植民地期の朝鮮や台湾もフィールドにしています。また、カナダ西岸でサケ缶詰産業や塩ニシン製造業に関わった日本人移民についても、研究を進めています。近代の環太平洋地域における日本人と水産物の移動について、歴史的な意味が解明できることに努めています。受験生へ一言
「文字を読む」、「景観を見る」、「話を聞く」の3つを合わせて物事を考えることが大切です。つまり、文献資料の読解だけでなく、フィールドを丹念に歩き、関連する人から話を聞いてオーラルデータを収集しましょう。いくつものデータを重ねて、当時の様子を読み解くことが大切です。
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神田 孝治 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
文化地理学、観光学
専門は文化地理学で、特に観光に関する研究を行っています。具体的には、観光客の地理的な想像力や、様々な空間的移動に注目して、観光地が社会的にいかに創造されているのか、またそれがどのように変容しているのかを研究しています。受験生へ一言
本専攻には、先進的な観光研究を行っている教員が複数在籍しています。特に、地理学的な知をベースとしながら観光研究を行うにあたっては、最も優れた大学院だと思われます。
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山本 理佳 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
文化地理学、景観論
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河島 一仁 特別任用教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
歴史地理学、アイルランド研究
職人集団、特に鍛冶と鋳物師の歴史・民俗地理的研究が主課題です。農業との接点を重視し、農具を製造・修理する野鍛冶と鎌・鉈などを作る刃物鍛冶に関心があります。日本を代表する出稼ぎ鍛冶集団の紀州鍛冶と大野鍛冶に関してこれまで主として研究してきました。鋳物師に関しては辻鋳物師の集落および尾張・三河への展開に関して論じています。そのほかに、京都における大学立地・伝統工業なども研究課題にしています。受験生へ一言
私的な経験ですが、院を志した時に「覚悟」を問われました。それが当時の自分にあったかどうか不確かですが、紀州鍛冶がどういう実体なのかを知りたいという一心で院に進学しました。志望動機は人それぞれでしょう。「止むに止まれぬ」気持ちが大事だと思います。
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河角 直美 教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
歴史地理学
近代日本を対象とした歴史地理学、歴史GIS研究を専門としています。特に、近代日本における自然と人間との関係性に関心をもち、近代期に作成された大縮尺地図を活用しつつ、京都の景観や生活スタイルの詳細な変化や、災害による被災と復興のプロセスを研究しています。またデジタル人文学にも関心を持ち、京都における高度成長以前の暮らしに関する記憶のデジタルアーカイブにも取り組み、「京都」という場所に関わる様々な分野との学際的研究の実践を目指しています。受験生へ一言
デジタル人文学は新しい学問分野ですが、そこでは学際的な研究の実践が可能であると考えます。既存の研究手法にデジタル技術を活用して、既存の歴史観や社会観を踏まえつつもそこにとらわれない研究を目指すことが重要だと思います。
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矢野 桂司 教授
文化情報学専修
専門分野
人文地理学、地理情報科学
地理情報システムを活用した人文地理学と学際的な地理情報科学を専門としています。国勢調査などの小地域統計を用いたジオデモグラフィクスや、人や物の空間的相互作用などに関心があります。また、アート・リサーチセンターにおいて、デジタル・ヒューマニティーズ、とりわけ京都の歴史GIS研究を展開し、バーチャル京都を構築しています。京町家、祇園祭などの京都の文化財に関わる、産官学地域連携のもとでの地理学的研究を実践しています。受験生へ一言
地理情報システム(GIS)と地理情報科学(GISc)に関わる地理学的研究を、国内外で実践するには、最も適した大学院です。とりわけ、本大学院は、デジタル・ヒューマニティーズの視点からGISを用いた歴史都市京都を対象とする研究としては唯一の大学院です。
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赤間 亮 教授
文化情報学専修
専門分野
日本文化、文化情報学
日本の有形無形の文化資源を対象にデジタルアーカイブの実践研究を進めています。日本の美術品や工芸品などの有形の文化財は、幕末から大量に海外へと流出し、現在では、欧米各国の博物館や個人コレクターが所蔵している状況です。日本の伝統的な文化美術を研究するには、これらの研究資源を含めて、日本と海外の研究者との間で情報を共有する必要があります。また、無形文化である伝統芸能、能や歌舞伎、京舞などの伝統芸能を正しく理解する観客を育てていく手法や環境の開発も必要です。こうした状況を解決する方法としての新たなデジタル型モデル構築に挑戦しています。受験生へ一言
デジタル技術を人文学研究に応用するデジタルヒューマニティーズ手法の導入は、現在ではどの領域でも必須となっています。情報技術をバックグラウンドに持つことで、これまでにない情報量に立ち向かえます。また、領域を越えた視点、国際的な視野からのハイブリッドな日本文化研究者が必要とされてきています。こうした状況を踏まえて、柔軟な研究姿勢を持ちながら自分自身のテーマに確たる柱を打ち立てていって欲しいと思っています。
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河角 直美 教授
文化情報学専修
専門分野
歴史地理学
近代日本を対象とした歴史地理学、歴史GIS研究を専門としています。特に、近代日本における自然と人間との関係性に関心をもち、近代期に作成された大縮尺地図を活用しつつ、京都の景観や生活スタイルの詳細な変化や、災害による被災と復興のプロセスを研究しています。またデジタル人文学にも関心を持ち、京都における高度成長以前の暮らしに関する記憶のデジタルアーカイブにも取り組み、「京都」という場所に関わる様々な分野との学際的研究の実践を目指しています。受験生へ一言
デジタル人文学は新しい学問分野ですが、そこでは学際的な研究の実践が可能であると考えます。既存の研究手法にデジタル技術を活用して、既存の歴史観や社会観を踏まえつつもそこにとらわれない研究を目指すことが重要だと思います。
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木立 雅朗 教授
考古学・文化遺産専修
専門分野
窯業考古学、民俗考古学
日本考古学。地域史研究。主に焼き物(窯業)に関わる遺構・遺物を対象として、製作実験・焼成実験・民俗調査を行っています。時代は焼き物があればすべての時代に関心があるが、これまでは古代瓦・須恵器・近世土人形・京焼などに取り組んできました。また、地域史の観点から京焼の登り窯や友禅図案など、京都の文化遺産の保護活用についても検討しています。受験生へ一言
私の研究室では共同課題をチームで検討し、各自がそこで養った専門性や視点を活かし発展させ、独自性あふれる研究成果を上げることを目指しています。共同課題は地域史に連動する分布調査や発掘調査、および実験や民俗調査です。協調性・独自性を発揮できる院生を待ち望んでいます。
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長友 朋子 教授
考古学・文化遺産専修
専門分野
日本考古学、民族考古学
原始古代の考古学と民族考古学を専門領域とし、社会基盤となる器物生産を通じて弥生・古墳時代の社会複雑化の様相を解明したいと考えています。これまで、野焼き土器である弥生土器の生産を中心に研究を進めてきましたが、現在、窯導入期の土器生産に焦点をあて、研究を進めています。韓半島との比較研究や、民族学的調査を通じた検討、共同研究による考古学的研究と理化学的分析成果との総合化など、多角的な視点から研究を進めています。受験生へ一言
大学院では、自分の研究したいテーマをさらに深く追究するとともに、関連する他分野の研究にも関心をもち視野を広げてください。大学院での研究が、その後の自己の研究の礎となります。時間を惜しまず、発掘調査に関わり、資料を実見し、資料を組み立てて考えを深めてください。発掘調査や韓国での調査、民族調査など、充実した研究ができるようできる限り多様な機会を作りたいと思います。
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矢野 健一 教授
考古学・文化遺産専修
専門分野
考古学
考古学を専門に研究を行っています。とくに縄文時代の社会の特質を明らかにすることを目的にして、縄文土器の変遷や縄文時代の集落(住居、墓、食料貯蔵施設)を中心に研究しています。縄文土器の地域色は時代とともに変化しますが、そのような変化は集落の変化と関係しています。両者の変化を総合させて、縄文社会の変化やその特質を追求しています。その変化が文明社会の基礎となった農耕社会に継続していく様相を説明するのが課題です。受験生へ一言
考古学の研究室には、韓国、中国、欧米からの訪問者が多く、外国の情報も得られます。私たちは長野県の縄文遺跡出土資料の研究も継続しており、環境考古学を含めた東西日本を広く対象とする縄文研究を行っています。指導する院生には、修士論文以外に、学会発表や雑誌投稿の機会を増やすよう、助言しています。
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布山 美慕 准教授
教育人間学専修
専門分野
認知科学
私の専門は認知科学で、心理学と情報科学を中心とした学際的な研究領域です。本研究室では高次認知、特に文章理解や物語理解、解釈多様な文章の理解、比喩理解、小説や物語への熱中状態を中心に研究を進めています。研究手法として、主観報告の分析、行動実験、読解時間や生理指標の測定、統計的な分析や数理モデリングなど多様な方法を併用し、これらの高次認知過程の解明を目指しています。受験生へ一言
現在の認知科学は多様な分野と融合し、非常に広い対象を種々の方法論で扱っています。私の研究室では、認知モデルの理論的提案や実証的な検証を中心に置きながら、他分野との学際的研究も推進したいと考えています。共に豊かで面白い研究を進めましょう。
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永守 伸年 准教授
哲学専修
専門分野
近世ヨーロッパの哲学、倫理学
倫理と呼ばれる決まりごとはわたしたちの生活のすみずみに浸透していて、ふだんはその成り立ちを意識することも少ないかもしれません。けれども、ひとたびその根拠をもとめて「倫理はどこからやってくるのか」を考えはじめると、それがなかなか厄介な、しかし興味の尽きない問いかけであることに気づきます。わたしは「自律」をめぐる現代の倫理学、「想像力」に関する近世ヨーロッパの哲学史、そして「信頼」を主題とする学問諸領域の思考を手がかりとして、倫理の起源を解き明かすことを目指しています。受験生へ一言
大学院の研究では哲学の原典を地道に読み込み、論証の構造、思考の癖や、文体の綾にまで分け入ることが求められます。それは先人のスタイルを模倣するためではなく、思考の歴史的な蓄積に一度は身をくぐらせ、それらの批判に乗り出そうとする「足腰」を鍛えるためです。一人では厳しい訓練になりますが、学友や教員とともに切磋琢磨していきましょう。
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西村 拓生 教授
教育人間学専修
専門分野
教育人間学、教育哲学、教育思想史
たとえば犬の赤ちゃんは生れた時から犬。猫の赤ちゃんは生れた時から猫。でも人間だけは、教育によって初めて「人間」になる存在です。そのことの不思議さ、おもしろさ、哀しさ、そして難しさを考え、深く感じるのが教育人間学です。そのように人間が「人間になること」にかかわる無限に豊かな出来事の中で、私は特に、美や芸術の体験が人間の生成・形成にとってどのような意味をもつのかを、思想史を手がかりに考えることを研究テーマとしています。ドイツの詩人シラーが「人間の美的教育」について書いた不思議な書簡の解釈史を中心に、思想史の研究をする傍ら、美や芸術を教育の根幹とするシュタイナー学校の実践にも関心をもっています。受験生へ一言
「教育人間学にはディシプリンがない」と言われることがあります(この言葉は、私たちの学の可能性と困難とを指し示しています)。それ故、この学を志すには、いくつかの道筋があり得ます。私の指導する学生さんには、まずは教育思想史研究の修練を求め、それを基盤として教育人間学にアプローチしてもらいます。
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禧美 智章 准教授
日本文学・日本語学専修
専門分野
アニメーション、日本近現代文学
日本の「アニメ」を中心に、映画の草創期から現代に至るメディア文化と、そうした物語の想像力の源泉である物語・文学との相互関係を明らかにする研究を行っています。また、近年では、「聖地巡礼」に注目し、キャラクターだけでなく世界観を「絵」で自由に表現できるアニメーションが、実在する「街」を作品の中に取り込むことによって起きている、「アニメ」というメディウムそのものの変化に興味を持って研究しています。受験生へ一言
私は文学を「言葉によって心を動かすもの」と広く定義づけて研究を行っています。したがって、アニメやマンガ、映画といった現代のメディア文化も「文学」として研究対象となります。みなさんが、新しい文学研究の扉を開いてくれることを期待しています。
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中村 仁美 准教授
英米文学専修
専門分野
アイルランド文学(おもに詩と小説)、文芸翻訳
大学で英米文学を学び、その後少しずつアイルランドの文学へ視点を移しました。以来、アイルランドに縁のある作家や、現地の文芸シーンに興味を持ち続けています。とくに詩、小説、文芸翻訳の周辺で活動しています。受験生へ一言
世界に数多ある文学作品と出会い続けることの興奮と、ことばを尽くして物事を考えることの醍醐味を共有できたらと思っています。
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辻 浩和 教授
日本史学専修
専門分野
日本中世史、文化史、芸能史
中世社会において芸能や文化がどのような機能を有していたかに関心があります。新しく流行する文化・芸能の受容過程を追跡することで、各階層の人々がそうした文化・芸能とどのように関わっていたのかを考え、中世文化を動態的に捉えたいと思っています。そうした観点から、これまで遊女をはじめとする芸能者の集団と身分、身分を超えた交流を可能にする空間や場のしくみ、芸能実践の思想的背景などについて研究してきました。今後は身分や集団、地域を超えて取り結ばれる文化的ネットワークの形成についても考察していきたいと考えています。受験生へ一言
大学院は、生涯のうちでおそらく一番研究に打ち込める時期です。学部時代はとにかく目の前の興味関心を満たすことに一生懸命だったかもしれませんが、研究により深く沈潜するうちに、自分自身の問題関心が様々な分野とつながり、少しずつ社会に対する視野が開けてきます。自分の研究の学問的な位置づけや、方法論も明確になるでしょう。そうやって獲得した広い視野と学問の見取り図、そしてなにより自らの関心を倦むことなく追い続ける知的な体力は、修了後も皆さんを支える財産になるはずです。
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水口 幹記 教授
日本史学専修
専門分野
日本古代史、東アジア文化史
私の研究の要点は、日本古代における文化の受容と選択にあります。たとえば、ある書物が中国から伝来したとします。それは史実ですし、歴史の一側面です。しかし、それが日本社会にとってどのような意味を持ったか、というのは別の問題です。その書物が果たして読まれたのか、読まれたとしたらなぜ読まれたのか、どのように読まれたのか、読まれなかったとしたらなぜ読まれなかったのか、そういった問題を問うことが重要なのです。文化が伝来し、受容し、取捨選択する際の軋轢・ズレこそが、双方の社会の様相をあぶり出し、東アジア文化の共通性と日本古代社会の独自性を明らかにするきっかけになると考えています。受験生へ一言
研究は、疑問を持つことから始まります。「概説書にこう書いてあるけど、本当か?」など。これを明らかにするには、当然史料とじっくりと向き合う必要があるのですが、その際、重要なのは、「一文字」を大切にすること。たった一文字で、解釈が変わり、世界が変わります。その瞬間に立ち会うことを目指して欲しいと思います。
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國司 航佑 准教授
文化動態学専修
専門分野
ヨーロッパ(特にイタリア)の文学と哲学
私はこれまで、近現代のイタリアの文学と哲学、とりわけ十九世紀の詩人ジャコモ・レオパルディと、二十世紀の哲学者ベネデット・クローチェの二名を主な研究対象としてきました。ですが、彼らの研究に飽き足らず、中世イタリアの詩人ダンテから、二十世紀ドイツの文献学者アウエルバッハまで、時代も国籍もさまざまな作家に手を出したこともありました。共通しているのは、ヨーロッパの言語を用いて執筆された作品を分析し、そこに作者の魂の記録を見出そう試みたことでしょうか。言語も時代も何もかもが違う環境で生み出された作品を本当の意味で理解するのはまったくもって困難な作業ですが、それが少しでも達成されたと感じられる瞬間、何とも言えない感動を味わうことができます。受験生へ一言
外国語(とくに英語以外)によって書かれた文献を味わえるようになるには、長い年月をかけた鍛錬が不可欠です。コストパフォーマンスが極めて悪いこうした作業にあえて挑戦しようという方は、ぜひ大学院を目指してください。
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薩摩 真介 准教授
英語圏文化専修
専門分野
歴史学(近世イギリス史、植民地時代アメリカ史、大西洋史)
近世イギリス史、イギリス海事史・海軍史、植民地時代アメリカ史を専門にしています。もともとは近世の北アメリカ・カリブ海域の海賊・私掠行為の研究から出発しましたが、その後、研究対象を広げ、いまはイギリス海軍史や政治・外交史を中心に研究しています。イギリスの海上での略奪行為の統制や、海軍力をめぐる政治的言説とその議会政治や外交政策への影響、カリブ海における航行の自由をめぐるイギリス・スペイン間の対立などの問題を切り口に、近世・近代の海洋、とくに大西洋世界において、戦争を含む広義での暴力と経済活動、そして国家がどのように関わりあっていたのかということの解明を目指しています。受験生へ一言
大学院では専門性を深めていくことも大事ですが、同時に自分の研究には直接は関わりのない文献、例えば分野を超えて古典とされるような文献にも挑戦して知的視野を広げることも重要です。それにより専門的知識を超えた、本当の意味での「知性」への扉が開かれるとともに、自身の専門研究にも広がりや深みが出てきます。
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小野 真由美 准教授
地理学・地域観光学専修
専門分野
国際退職移住(international retirement migration)、 ライフスタイル移住(lifestyle migration)、ロングステイツーリズム、ケアの越境化
長期滞在型観光(ロングステイツーリズム)と国際退職移住、ライフスタイル移住に関する文化人類学的研究を行っています。特に、マレーシアとタイを中心に、東南アジアにおける日本人(若者や高齢者)の長期滞在・移住のあり様について長期フィールドワークを行ってきました。最近、フィリピンでの調査も開始しました。また、医療ツーリズムや高齢者向けの介護リゾートの生成にみられるケアの越境化について、その実態の把握とトランスナショナルな連関を明らかにすることに取り組んでいます。国際退職移住に関する研究は、ウェルネスやウェルビーイング、さらに、高齢者のもつ「迷惑をかけたくない」意識と自立・自律にどのように関わるのかについて探求しています。受験生へ一言
旅をするといつもと違った風景や地域の人々のふるまいに触れ、新鮮さや驚きを感じます。観光人類学という領域は、旅の魅力や観光と社会文化の関わりについてフィールドワークを通して深く探究します。旅が好きな人、異文化に関心のある人、外国で生活してみたい人、異文化を理解するものの見方や他者とのかかわり方について観光研究のフィールドワークで実践的に学んでみませんか。
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寺床 幸雄 准教授
地理学専修
専門分野
農村地理学、社会地理学
人文地理学,特に農山村の社会地理学的研究をしています。農業や地域の社会生活が、住民や地域内外の作る社会関係とどのように関わっているのか、社会関係資本などの視点から検討しています。農山村におけるフィールドワークを重視しつつ、小地域データの分析などもふまえて複合的に地域の諸事象を理解するよう努めています。農山村に限らず、地域の共同関係の空間的範囲の形成と再編にも関心を持っています。受験生へ一言
地理学の様々な研究方法を生かすうえで大切なのは、自分の問題関心を明確にすることです。専修の院生や教員と幅広く議論し、一緒に研究を深めていきましょう。
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岡寺 良 准教授
地理学専修
専門分野
日本考古学(歴史時代)
古代~中世を中心とした日本考古学を専門としています。特に中近世の城郭構造を素材として、当時の政治・軍事体制を明らかにすることを主テーマとして研究活動を進めています。その他、日本の山岳信仰の実態解明をテーマに山岳信仰・霊場遺跡、近世日本の海防(海岸防備)体制の解明をテーマに海防遺跡(遠見番所・烽火台(狼煙台)・台場)について、それぞれ調査研究も行っています。また、九州歴史資料館に在職していた折には、古代西海道(九州)の中心であった「大宰府」を構成した史跡「大宰府史跡」の発掘調査・研究・普及にも従事しました。受験生へ一言
大学院では、学部生の時に学んだ内容をさらに専門的に深めていきます。城郭や寺社を素材とした中近世の政治・軍事体制の解明、もしくは山寺や霊場などを素材とした古代から続く日本の山岳信仰の実態の解明など、山に関わる遺跡等を元に、共に歴史時代の日本を考古学の側面から明らかにしていきましょう。
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川那部 隆司 准教授
教育人間学専修
専門分野
教育心理学、発達心理学
子どもは様々な日常経験から驚くほど豊かな知識を獲得しています。しかしこうした知識は学校の授業で扱われる科学的な知識とは矛盾していることも多く、それが原因で学習内容の理解が困難になったり、学習意欲が低下したりすることがあります。一方で、知識自体には誤りがあるものの、その思考プロセスは決して行き当たりばったりではなく、極めて論理的であることが分かっています。 子どもの間違った答えを丁寧に分析し、子どもがどのような知識を授業に持ち込み、どのように思考するか、また持ち込んだ知識がどのような変化していくかを明らかにすることで、子どもの目線に立った教育実践の手がかりが得られると考えています。受験生へ一言
意味のある教育心理学研究を進めるためには、実践に根差した問いが欠かせません。そのためには、学校現場で実際にどのようなことが起こっているかを知る必要があります。大学院で学び、自身の関心を深めていくことに加えて、積極的に学校現場に赴き、子どもたちや教師の方々と交流しながら、視野を広げていってください。