修了生の声

日本文学専修

池田 彩音 さん

後期課程 日本文学専修 2020年修了
福井工業高等専門学校(一般科目教室・助教)

大学院で多くの人と関われたことが、今仕事をするうえで大きな糧に

立命館大学文学研究科の志望理由と研究内容を教えてください。

もともと立命館大学文学部で学んでおり、四回生の時にゼミの先生から大学院進学を勧められたことが一番の志望理由です。京都で平安文学を学びたいと思って立命館に入り、文学研究における用例の重要性を学び、集まった点がやがて線として浮かび上がってくるような研究の面白さを知りました。平安時代後期成立の『夜の寝覚』という女性を中心人物とした物語が、どのような言葉を工夫して用い、物語を展開させているのかについて興味を持ち、研究を行っています。

現在の進路を選択した理由とお仕事の内容を教えてください。

高専は、研究を続けられる環境があり、自分の学んできたことを活かせる数少ない場だと思います。大学院の先輩の数名が高専で勤務されていたことから、修了後の進路として考えるようになりました。今年度は主として一年生と二年生の国語を担当しています。担当クラス分は目標や評価など、全て独自に授業設計できるので、進度などを合わせる必要がない分、自由度の高い授業ができるのはやりがいがあると感じています。

文学研究科での経験や培った力が、現在の仕事(研究)に活かされていると感じることがあれば教えて下さい。

大学院には通常よりも長い年数在学しており、その間に多くの人と関われたことが今仕事をするうえで大きな糧になっています。様々な研究対象の先輩や後輩、学会などでの発表を聞く中で、その人がどんなことを言おうとしているのか、掲げられた資料から何が読み取れるのか、自分の考えを相手にどのように伝えればよいか、ということを繰り返し考えてきた経験は、人と接する機会が多い今の仕事で、活かされていると感じます。

受験生へメッセージをお願いします。

大学院では自分の研究について意見をもらえる貴重な機会に恵まれています。自分の面白いと思っていることを他の人にも面白いと思ってもらうのはうれしい一方、うまく伝わらずにもどかしい思いをすることもあります。そんな時に周りの人と話し合える環境があるかないかで、研究のしやすさは変わると思います。コロナ禍で制限もあり大変な状況かと思いますが、そうした相手や自分の言葉に向き合う時間を大事に過ごしていただければと思います。

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