修了生の声

英米文学専修

川越 ひかる さん

前期課程 高度専門コース 2020年修了
株式会社東急文化村 舞台芸術事業部 企画制作部

イギリス演劇に魅せられて、舞台制作の道へ

立命館大学文学研究科の志望理由と研究内容を教えてください。

大学3年時に留学したイギリスで演劇や劇場に触れることで興味を持ち、帰国してから17-18世紀のイギリス演劇と劇場について勉強しましたが、もっと作品と劇場の関係性を学びたいと思い、大学院進学を決めました。 入学後は、ウィリアム・シェイクスピアの『テンペスト』という晩年の作品が、舞台の構造や観客層が異なる当時の劇場でどのように上演されていたのか研究しました。

現在の進路を選択した理由とお仕事の内容を教えてください。

イギリス留学時に、時代・国に拘らず人々を魅了する力のある演劇に夢中になったことから、演劇を扱う仕事をしようと決めた上で大学院に進学したので、就職活動時も演劇を軸に進路を選びました。 現在は、東京・渋谷にあるBunkamuraという複合文化施設を運営する会社で演劇制作の仕事をしています。キャスティングや宣伝活動、稽古、本番など作品にまつわる全てを関係各所と連携しながら進めていく部署です。といいつつも、まだまだ新人なのであちこち走り回っています。

文学研究科での経験や培った力が、現在の仕事(研究)に活かされていると感じることがあれば教えて下さい。

先述の研究を通して、役者、劇場、観客層の違いで一つの戯曲の見え方が多様化するということを学びました。現在の仕事でも、そうした作品外の要素にも自然と目を向けられたときに研究が今に活きていると感じます。 また、時間をかけて一文ずつ戯曲を講読する授業では、単語一つ一つに意味があって、それが台詞全体の意味を左右することがあると学びました。「知る努力をしないと見えてこないことがある」という考えは、今の自分の中で重要な価値観となっています。

受験生へメッセージをお願いします。

私自身、「人文学研究で大学院進学」、とても悩みました。でも結果的に、進学して良かったです。 なぜなら、人に自信をもって語れるような、一生懸命取り組んだことが一つあるのはとても大きな財産だと感じるからです。理系のように研究内容と仕事が直結しているわけではありませんが、研究に費やした2年という時間と成果が今、そして今後の自分を支えてくれる気がします。 不安や悩みもたくさんあると思いますが、ぜひ大学院で貴方にしか得られない学びと時間を経験してみてください。

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