修了生の声

地理学専修

谷崎 友紀 さん

後期課程 2019年修了
せとうち観光専門職短期大学 観光振興学科

大学院での議論やフィールドワークによって得た広い視野

立命館大学文学研究科の志望理由と研究内容を教えてください。

私の研究テーマは、「旅日記にみる近世の京都見物」です。江戸時代の旅人が書き残した旅の記録をもとに、当時の人々がどのような名所見物をしていたのか、どのようなことに興味関心を持っていたのかを研究しています。 私は、もともと日本史学専攻に所属しており、副専攻のゼミで江戸時代の京都見物をテーマとしていました。大学院への進学を考えた際、史料を読んで解釈するだけではなく、旅人の行動を、地図を使って空間的な視点から検討するという地理学的な考え方がとても面白そうだと思い、地理学専修の大学院に進学しました。

現在の進路を選択した理由とお仕事の内容を教えてください。

現在は、香川県高松市にある「せとうち観光専門職短期大学」という2021年4月に開学した大学で教員をしています。私は、歴史的な旅を研究対象としていますが、現代の観光現象を考えるに際して、過去のことを学ぶことも大事だという考えのもと、この大学で教員として働くことになりました。  大学では、地理学の講義のほかに、観光の歴史に深く関わる江戸時代の信仰に関する講義と、地域調査の方法と地図を作成する実習を担当しています。まだ開学して1年目ですが、学生のみなさんに地理学と旅の歴史の面白さを伝えられるように頑張っています。

文学研究科での経験や培った力が、現在の仕事(研究)に活かされていると感じることがあれば教えて下さい。

大学院での学びや経験は、大学で授業をする際にも、自分の研究を進める際にも活かされていると感じています。そのなかでも、私が大学院で得られた一番大きなものは、修了してからも連絡を取り合い、近況報告や相談事ができる人間関係ではないかと思います。  地理学の大学院では、さまざまな方がいろいろな研究をされていました。そんな先生方や院生のみなさんと議論をしたり、巡検に行ったりしたことで、私の狭かった視野は広がり、ついでに人見知りもマシになったと思います。 とくに、M1の時に右も左もわからない状態の私を、いろいろな巡検に誘ってくれたり、研究に行き詰った時に気軽に相談に乗ってくれたり、夜遅くまで議論に付き合ってくれた先輩方、同期、後輩のみなさんには、本当に感謝しています。

受験生へメッセージをお願いします。

大学院では、研究が思ったように進まなかったり、ゼミで厳しい指摘を受けたり、しんどいなと思うこともあると思います。地理学専修の先生方・先輩方は、変わっている方も多いですが、みなさんとても学生・後輩思いです。そんな方々に囲まれながら、議論を進めていくと、自分の興味関心や研究内容を深めていくことができると思います。 既に地理学の面白さを知っている方はもちろん、私のような地理学初心者の方も、ぜひ地理学的な視点で研究を深める楽しさや奥深さを味わってみてください。

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