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  • 森脇 健介准教授
  • Kensuke Moriwaki
  • 生命医科学科
  • 研究室医療政策・管理学研究室
  • 専門分野医療統計学、医療技術評価
  • 担当科目医療システム論、医療社会論
    • 予防健康医学
    • ビッグデータ
    • がん
Q1研究の内容を教えてください。

 主に医療統計学を専門分野として、医療技術評価(HTA: Health Technology Assessment)と呼ばれる政策研究に従事しています。具体的には、医薬品の費用と効果のバランス(費用対効果)を科学的に検証する取り組みを行っています。これまでに、悪性腫瘍や循環器疾患、希少疾患等における様々な治療の費用対効果を、統計解析やシミュレーションを駆使して評価してきました。近年、日本では高度医療技術の導入を背景とした医療費膨張の問題に直面しており、医療システムを持続可能なものするためには、かけたお金に見合った医学的効果が得られるかを考えることが重要となっています。例えば、「新しい医療技術を日本の公的保険で支払うべきか否か」といった医療政策上の意思決定において、医療の費用対効果に関するエビデンスは、今後、非常に重要な役割をもつでしょう。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 学部生の頃は、「人の心を科学的に解き明かす研究をしてみたい」と思い、脳科学に関心を持って、電気生理学の手法を用いた基礎研究に取り組んでいました。実験データの分析にあたり、統計解析が必要となりましたが、恥ずかしながら大学生の頃は統計学を真面目にお勉強しなかったため、何のことやらさっぱりでした。「果たしてこの薬剤は本当に効いたの?」論文を読むと当然のように、“P値”とか“有意差”という言葉が出てきますが、それが何を意味するかは理解せず、得られたデータを“よくわからない数式”に入れて計算し、あるいは、統計ソフトにデータを投げ込んで、“よくわからない方法”で“検定”していました。“算出したP値が5%より小さくなる”となぜか周りの皆が大喜びする、そんな様子を見て、この科学における不思議な文法をもっときちんと理解しておく必要があると思うに至りました。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 学生の皆さんには是非、以下の2つを身につけてほしいと考えております。すなわち、『学際的な視点』と『科学的なものの考え方』であります。これは、『専門分野に固執せず、様々な分野に関心を持って学ぶことにより、問題解決に向けて多様なアプローチを見出すこと』、また『仮説を設定し、情報・データを収集し、分析・検証を行うこと』であり、この2つの能力の開発こそが大学で学ぶことの醍醐味であると考えています。これらは通常の講義を聴くだけで身につくものではなく、まさしく研究そのもののプロセスの中で培われるものであるため、リサーチクエスチョンに基づく実践型の教育機会を提供し、それを通じて大学で学ぶことの楽しさを伝えて行ければ、と考えています。

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