- 堤 治教授
- Osamu Tutsumi
- 応用化学科
- 研究室高分子材料化学研究室
- 専門分野高分子化学、材料化学
- 担当科目高分子化学、有機材料化学、有機化学I
- Q1研究の内容を教えてください。
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私たちは、未知の機能や未到の性能をもつ新しい材料の探索を行っています。
有機化合物の特徴は分子の構造を自在にデザインできることです。分子構造を適切にデザインすると、いろいろな機能をもつ新しい化合物を作り出すことができます。しかしながら、分子構造のデザインだけで性能の高い「材料」を得ることは困難です。高性能材料を得るためには、分子構造に加えて、分子の空間的な配置や方向(材料の中における分子の集合の仕方や並び方)も適切に調整する必要があると考えています。そこで、私たちは、分子の集合の仕方・並び方を精密に制御する方法を開発しながら、革新的な新材料を創製しています。これまでに、一種類の化合物だけで白色に発光する高分子や、力を加えて引き延ばすと色が変化するゴムの開発に成功しました。 - Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。
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最初に化学に興味をもったのは中学生のときでした。授業で周期表について学び、宇宙がたった100種類程度の元素でできていると知ったとき、とてもびっくりしたことをいまでも覚えています。そのときから化学を探究してみたいと思うようになりました。
専門課程で化学を学んでいくなかで、材料化学に興味をもちました。一つの新しい材料の出現によって世界中の人々の生活様式や考え方がすっかり変わってしまうことがあります。例えば、スマートフォンはなぜ実現できたのでしようか?「液晶」という材料が開発され、薄型ディスプレイが発明されたことは、スマートフォンを実現できた要因の一つです。もし、液晶材料が開発されていなければ、現在の私たちの生活はどうなっているか想像してみると材料の重要性がよくわかります。「世界に衝撃を与えるような材料を自分の手で生み出してみたい」と思ったことが、材料化学研究に興味をもったきっかけです。 - Q3高校生へメッセージをお願いします。
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やってみたいことはあるけれど、自信がなくて不安に思っている人は多いと思います。あるいは、自分が何をしたいのかわからず、焦りを感じている人も多いかもしれません。しかし、心配することはありません。いま活躍している人たちも、十代の頃はみんな同じような不安を感じていたはずです。茶道家の千利休は「その道に入らむと思ふ心こそ 我身ながらの師匠なりけれ」といっています。興味をもって学ぼうと思う心こそ、自分を導いてくれる師匠なのです。周りの声に惑わされず、自分が本当に興味をもったことに本気で取り組んでください。まだやりたいことがわからない人は、興味をもてることを見つける努力を続けてください。他人に聞いたり、周りに流されたりせず、自分で見つける姿勢が大切です。
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A Project of the American Chemical Society, 『実感する化学 上巻(地球感動編)/下巻(生活感動編)』