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  • 長澤 裕教授
  • Yutaka Nagasawa
  • 応用化学科
  • 研究室レーザー光化学研究室
  • 専門分野物理化学、分光学
  • 担当科目物理化学Ⅲ、物理化学Ⅳ、物理化学実験、化学系物理学2、エネルギー創成化学
    • エネルギー変換
    • 機能材料
    • ナノテクノロジー
Q1研究の内容を教えてください。

 パルスレーザーを利用した光化学反応の研究を行っています。化学反応の前後では分子の構造が変化します。この際、分子や分子中の原子核がどのように動くか、パルスレーザーを使って観察するのが、私の研究のメインテーマです。分子や原子は非常に小さいため、超高速で動きます。分子構造の変化は、フェムト秒(10-15秒)やピコ秒(10-12秒)という超短時間領域で起こるため、パルスレーザーを使用した観測が必要となります。また、植物が行う光合成も複雑な光化学反応です。火力発電や原子力発電と異なり、光合成は環境負荷の小さいエネルギー変換法です。人工光合成の研究が進めば、将来的に太陽電池とならぶエネルギー源になるかもしれません。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 化学反応が起こる理屈を考えたいと思ったので、物理化学と分子分光学に興味を持ちました。とくに私が興味を持ったのは、化学反応がどのように起こるか調べることです。コマ送りで時間ごとに分子の連続写真を撮影できれば、具体的に化学反応が起こっていく様子を観察することができます。しかし、分子は小さすぎて写真を撮ることはできません。また、化学反応は分子の構造が変化することなので、分子が動く様子を撮影しないといけません。しかし、分子は非常に速く動くので、そんなに速く写真を撮ることもできません。そこで、分子が実際に動く様子を測定することのできる手法として、時間分解分光学に興味を持ったのです。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 高校生のころに、自分が将来どんなことをやりたいか、明確な未来像を描いている人は少ないと思います。ほとんどの人が明確なビジョンを持たずに、迷い悩みながら進路について考えているのではないでしょうか。若いうちはそれでいいと思います。人生は道に迷いそうになることばかりです。大学に行くことは人生の選択肢のひとつにしかすぎません。大学に行くと決めたら、今度は理系に進むか文系に進むか考えないといけないでしょう。もし、理系に進むことを決めたのなら、つぎはどういう分野に進むか考えないと行けません。そういうさまざまな選択肢の中で、もし私と出会う機会があれば、そのときはよろしくお願いします。

おすすめの書籍

Robert E. Blankenship, "Molecular Mechanisms of Photosynthesis"