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  • 中尾 周講師
  • Shu Nakao
  • 生命医科学科
  • 研究室応用分子生理学研究室
  • 専門分野分子生理学、再生医学
  • 担当科目生理学実験、基礎分析化学実験、微生物学実験
    • iPS細胞
    • 遺伝子治療
    • 創薬
Q1研究の内容を教えてください。

 加齢やさまざまな心疾患に伴って心臓の拍動が異常になる不整脈が発生します。その原因には心拍リズムの司令塔であるペースメーカー組織の中の様々な分子の異常が考えられていますが、詳しいメカニズムは分かっていません。私たちは不整脈を発生させた動物のペースメーカー組織で起こっている変化を調べることで、どのような因子がどのように異常を起こして不整脈の原因となっているのかを見出そうとしています。そして病気で変動する因子のうち、特に組織再生に関わる因子を発見し、新たな心臓再生療法の開発につなげていくことを目標にしています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 獣医師として動物診療に携わる中で、治療に限界のある病気や発生原因さえも分かっていない病気がいかに多いかを目の当たりにしてきました。そんな中、治せない病気の動物を前にやきもきするよりも、「よし、それなら病気の仕組みを明らかにする研究者になろう!」と思うようになりました。一生拍動を続けることができる複雑な筋肉の塊である「心臓」に興味を持ったのは、何よりもこれなしには生きていけない重要な臓器だからです。研究方法はどんどん進歩しています。世界中の科学者たちと互いの得意分野で助け合うことで、いままで分からなかった生きる仕組みや病気の成り立ちを明らかしていく作業にはたくさんのワクワクがあります。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 「あなたの好きなことは何ですか。」この問いに自信をもって答えられるように自分が何に興味があるのかを知ってください。「おもしろそう」、「やってみたい」という自分の心の声に耳を傾けてください。そして、時間を忘れるくらい熱中してください。自分のやりたいことを応援してくれるサポーターも見つけておけばなおよいでしょう。周りから変わっていると言われようと、 気にし過ぎる必要はありません。興味・関心は人それぞれです。それが芸術でも、スポーツでも、食べ物でも、自然科学でも、何でもいいのです。ぜひ自分自身の好奇心を大切にしてください。好きなことを持ち続けるって素敵なことだと思いませんか。ちなみに、私は好奇心に従って生きていたら大学で研究者になっていました。

おすすめの書籍

福沢 諭吉 著『学問のすゝめ』