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  • 研究
  • 2019.02.20
  • 小林洋一准教授らの研究グループが、世界最高効率で赤外光を化学エネルギーに変換することに成功しました

  •  生命科学部応用科学科・小林洋一准教授は、坂本雅典 京都大学化学研究所准教授、寺西 利治 同教授、廉孜超 日本学術振興会特別研究員(PD)、山方啓 豊田工業大学准教授、玉井尚登 関西学院大学教授、木本浩司 国立研究開発法人物質・材料研究機構主席研究員、長井拓郎 同主幹エンジニアらとの共同研究で、赤外域に局在表面プラズモン共鳴(LSPR)を示すCu7S4(硫化銅)ナノ粒子と硫化カドミウムナノ粒子を連結させたヘテロ構造ナノ粒子を合成し、その水素生成光触媒活性を評価しました。

     本研究の結果、白金を担持した硫化銅/硫化カドミウムヘテロ構造ナノ粒子が、波長1100 ナノメートルでの外部量子効率3.8%という世界最高の効率で赤外光から水素を生成できる光触媒であることを発見しました。また、この赤外応答光触媒を利用することで、地表に到達する太陽光の最大波長である2500ナノメートルの光を用いて水素を生成することにも成功しました。この事実は、新たに開発された赤外応答光触媒が、全太陽エネルギーのおよそ半分を占める赤外域の太陽光のほぼすべてを高い効率でエネルギーに変換できることを示しています。
     さらに、新たに開発した光触媒の電荷分離寿命は、一般的なプラズモン誘起電荷分離よりもはるかに長い273 マイクロ秒で、長寿命の電荷分離が優れた触媒活性の原因であることが示されました。今回開発された技術は、赤外光から高効率で水素を発生することのできる光触媒として、革新的な光―エネルギー変換材料への応用が期待されます。

    News0220

     本研究成果は、2018年12月18日に国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載されました。
     詳細は下記よりご確認ください。