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  • 上原 了助教
  • Ryo Uehara
  • 生物工学科
  • 研究室構造生命科学研究室
  • 専門分野構造生物学、分子生物学
  • 担当科目分子生物学、生化学実験、基礎物理学実験
    • 創薬
    • バイオテクノロジー
    • タンパク質
Q1研究の内容を教えてください。

 私達はひとつの受精卵から生命をスタートさせ、成人では数十億個の細胞を持つ個体となります。1個の細胞が持つ全DNAを伸ばすと約1.8mになると言われていますから、私達が持つ全ての細胞のDNAを繋ぎ合わせると、地球から太陽までの距離を200往復以上できる計算になります。この膨大な長さのDNAの複製を担うDNAポリメラーゼは、正確に仕事をするための緻密な分子機構を備えていますが、それでも時々「間違い」を犯すことがあります。その一つがRNA(正確にはリボヌクレオチド)のDNAへの混入です。過度なRNAの蓄積は炎症性疾患を起こしますが、興味深いことに細胞はこのRNAを利用して複製を行うことが近年分かってきました。私はこのようなRNAの取り込みと除去が起こす生命現象について研究を行っています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 大学で遺伝子工学を学んで生命の機能を理論的に改変(デザイン)できる、という点に強く惹かれて生物工学系の研究室を選びました。研究室で楽しかったのは、自分の研究に取り組むことはもちろんですが、違う研究テーマの仲間同士で互いの研究について自由に議論できたことでした。研究のヒントを貰えたり、様々な研究に対しての興味が膨らんでいったのを覚えています。今思い出してみると当時の議論は未熟な点も多くありましたが、新しい発見を共有したい、自分の意見を発信したいという気持ちが研究に取り組む原動力となり、自分の研究の原点になっていると感じています。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 日々の生活の中にはどうしてそうなるのか分からない、実は良く知らない、ということがたくさんあると思います。「これはそういうものなのだ」と受け入れることは簡単ですが、「なぜだろう?」と考えて突き詰めていくことは単に好奇心を満たすだけでなく、様々な経験やスキルを身に着けることに繋がり、自分の世界が拡がっていくと思います。色々なことにチャレンジしてみて、国境・年齢・性別を越えて同じことに関心を持つ仲間を見つけて下さい。皆さんが素晴らしい大学生活を過ごされることを祈っています。

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