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  • 原田 恭弘助教
  • Yukihiro Harada
  • 生命医科学科
  • 研究室幹細胞・再生医学研究室
  • 専門分野発生生物学、再生医学
  • 担当科目生物科学2、微生物学実験、基礎分析化学実験、英語JP2
    • iPS細胞
    • ゲノム
    • 遺伝子治療
Q1研究の内容を教えてください。

 わたしたちの心臓は、二心房二心室の複雑なパーツから形成されており、それらが緻密に制御されることで正確な血液循環が可能になっています。しかし、発生期の心臓は一本の単純な管状構造から始まっています。胎児の単純な心臓から成体の複雑な心臓への変化にいくつもの重要なステップがあることは、先天性心疾患が新生児の1%に認められる死亡原因のトップの疾患となっている原因のひとつです。心臓内の特定の領域の発生異常が疾患の原因であることが知られますが、そのメカニズムの多くは明らかになっていません。そこで私は、心臓の形が大きく変わる時期に着目して、ゲノム全体の特徴を調べることで心臓形成のなぞを明らかにしようとしています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 自分の知らないことを常に周りに質問して、生物図鑑を夢中になって読んでいた幼少期でした。気になったことをとことん追求していたためか、博士になって誰も知らないことを発見したいというのが物心ついたころから将来の夢でした。当時は昆虫博士になりたいと思っていましたが、今では心臓の発生を研究しています。しかし、生物のふしぎをもっと知りたいという根本的な興味の対象はずっと変わっていません。研究者となったいま、ようやく夢のスタート地点に立てたかなと思っています。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 なぜと思う気持ちを大切にしてください。ネットで調べれば様々な情報が手に入るので、何でも分かったような気になるかもしれません。しかし、それを越えて学びを深めていくと、実は世の中はまだわかっていないことで溢れていることに気づくと思います。そのような不思議を先人たちがひとつひとつ明らかにしていくことで科学は進歩してきました。なぜという感情を心に抱きながら過ごすと、自分の身近な世界も面白く見えてくると思います。

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